大東アイ(四方山話)
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<大東アイ1080話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
藤田幸希プロのスイングとチェックポイント
昨年のプロミスレディースで初優勝を飾った藤田幸希。 最終日最終組の初体験の中、残り2ホールで2ストロークの差を追いつきプレーオフに持ち込んだ。 ツアー通算3勝の古閑美保を相手に18番ホールを連続バーディーで優勝を勝ち取り、勝負強さを見せつけた。 宮里藍、横峯さくらと同い年で、前週のさくらの優勝に「次は私の番」と誓って、そのとおりの結果を出した。 「お父さんとお母さんの子供に生まれて幸せです」と涙の優勝インタビューには、小生も貰い泣きをしてしまった。 グリップを柔らかく握り、ゴルフクラブをムチのように使ったスイングが特徴。 バックスイングでは、クラブヘッドがインサイド(黄線)に入り、トップでターゲットラインをクロスする(赤線)。 いわゆる遠回りをするバックスイング軌道となっている。 一転して、ダウンスイングからグリップが体の近く(緑丸)を通り、スイングプレーンがスクエアな軌道に戻っている。 特にフォロースルーにかけてのクラブヘッドの返り方(青丸)は、手首の柔らかさから来るスナップの効いた素晴らしさがある。 藤田プロのアドバンテージである飛距離の源が見てとれる。 平成19年9月28日 |
<大東アイ1079話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
ポーラ・クリーマープロ の ゴルフスイング
アメリカゴルフ界の希望の星ポーラ・クリーマー。 アニカ・ソレンスタムやカリー・ウェブや韓国勢の外国人が活躍する中で、彗星のごとく現れた。 一昨年のプロ入り後、最年少優勝記録(18歳9ヶ月)を樹立し、最年少で100万ドルを突破した若手スターである。 日本のゴルフ界を一手に担っている宮里藍プロ以上の存在だ。 「ピンクパンサー」のニックネームのように、ピンクが好きで、ウエアー、キャディーバック、ボールに至るまでピンク色に揃えている。 「日本が大好き」と言うように、今までに3回来日して2回の優勝と3位と、成績が物語っている。 インパクトで頭が沈みこむ特徴があるゴルフスイングである。 アドレスの上半身の前傾角度と頭の位置を、ブルーの直線と緑の円で示した。 同じものをインパクトの写真に持ってくれば、上半身の前傾角度が深まり、頭の位置が一個分沈み込んでいることが分かる。 アドレスよりもインパクト時の上半身の前傾角度が浅く(伸び上がりながら)なっているゴルファーが多い中で特出するプレーヤーである。 しかし、シャフトの角度は、アドレスとインパクトで見事に一致している(黄色の直線)。 これは、アドレス時に折れているヒザが、インパクトで伸びて、懐に余裕が出来るからなしえるワザである。 この複雑なコンビネーションをなしえるのも若い運動能力の賜物なのかもしれない。 一般プレーヤーに真似しづらい体の動きである。 平成19年9月27日 |
<大東アイ1078話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
宮里優作プロのスイングとチェックポイント
アマチュア時代から日本ジュニア選手権、日本学生、日本アマ、日本オープンローアマなど数々のタイトルを獲得してきた宮里優作プロ。 2001年太平洋マスターズトーナメントでの2位をはじめプロのトーナメントでも上位の成績を度々残してきた。 宮里三兄弟の中では、一番の有力視されていた。 しかしプロ後は、シード権を確保しているものの期待された活躍が出来ていない。 反対に、華々しい活躍の宮里藍プロの影に隠れている。 兄の聖志プロが2004年の沖縄オープンで優勝し、あとは奮起を期待するだけ。 真面目な性格で、トレーニングや練習を良くしているのだ、精神的な部分の課題が残る。 アメリカ志向も強く、USツアーのクオリファイングも毎年挑戦している。 体にばねがあり、ドライビングディスタンスでは、常に上位にランクされている。 お手本のようなゴルフスイングからは、鍛えられた下半身の強さが見て取れる。 頭とヒザの高さに引かれた線から分かるように、スイング中の上下運度が少なく、背骨を中心とした回転運度でスイングしていることが分かる。 腹筋、背筋を中心とした体幹のトレーニングをしているからできるゴルフスイングであろう。 平成19年9月26日
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<大東アイ1077話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
ディネッシュ・チャンドプロのスイングとチェックポイント
ビジェイ・シンと同じフィージー出身のディネッシュ・チャンド。 母国で、小さいときから、キャディーのアルバイトをしていた。 その頃から9歳年上のビジェイ・シンと知り合い、影響を受ける。 アジアサーキットを足がかりに米国ツアーの賞金王まで上りつめた彼とは違い、91年に日本でプロ入りして、日本人妻を持ち、日本ツアーで活躍してきた。 そして01、02年にワールドカップ出場を果たして、念願のビジェイ・シンとペアーを組んだ。 チャンドの特徴は、豪快な飛距離と堪能な日本語をはなすこと。 スイングの一番の特徴は、トップオブスイングの位置。グリップの位置がフラットでクラブシャフトが寝た状態のポジションにある(写真の円の中)。 クラブが地面と平行になるまで行かない。 非力なゴルファーならダウンスイングでヘッドスピードが上がらずにクラブシャフトが寝た(インサイドから)状態になってしまうのだが、チャンドの場合は、ダウンスイングでのシャフト位置を見事にオンプレーンに戻している(写真の矢印線)。 これは体力に恵まれた彼が上半身の前傾姿勢を保った状態で可能となる。 チャンド選手のパーオン率トップ(04年)が示しているところ。 平成19年9月25日
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<大東アイ1076話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
細川和彦プロのスイングとチェックポイント
2005年7月に、公式戦の日本ゴルフツアー選手権に4年ぶりに優勝した細川和彦プロ。 93年にプロ入りして、96年には賞金ランキング4位、99年には2位まで上り詰めた。 2000年には米ツアーを中心に転戦してケンパーオープンでは単独2位。 2001年までに7勝をあげて順風満帆であった。 しかし、原因不明の腹痛、下痢、発熱を伴う、病魔に襲われた。 国の難病指定の「潰瘍性大腸炎」であった 。体力も落ち、見る見るやせ細そり、気力もうせ、点滴だけの日々が続いた。 回りのサポートもあり、奥様の誕生日に復活の優勝を果たせたのも、偶然でない気がする。 「僕にとって、この優勝は単なる一勝ではないです。 貴重な、大切な、そして本当に起死回生の勝利なんです」と涙ながらのコメントに、目頭が熱くなった方も多かったのではないだろうか。 写真のように細川プロは、スケールの大きさが漂うダイナミックなゴルフスイング。 注意点は、インパクトで右腕が詰まった状態になっているところ。 そのためにクラブフェースがインパクト直前までオープンの状態で下りて来る。 そのままであれば、スライスになるために、インパクト直前に手首を大きく返すことを行なって帳尻を取っているのが見受けられる。 結果としてフォロースルーでのフェース面が下を向く、フェースローテーションが大きなスイングとなっている。 上半身の軸の回転をイメージしてみてはどうだろう。 平成19年9月24日 |
<大東アイ1075話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
清田太一郎プロのスイングとチェックポイント
ジュニア時代から活躍していた清田太一郎プロ。 熊本の神童とも言われていた。誕生日が一週間しか変わらない宮里勇作プロとライバルとして競い合ってきた。 98年には日本アママッチプレーに優勝して、2000年には、全米アマベスト8になっている。 03年にプロ入りし、昨年、チャレンジトーナメントの賞金ランク5位でシードを獲得。 一昨年の獲得賞金額は約670万円で97位。しかし、チャレンジで優勝しており、ツアー出場権をキープした。賞金ランキングでのシード入りはもちろんのこと、初優勝を狙いたいシーズンであろう。 清田プロのアドレスは、脱力した両腕の状態が保たれた理想的な構えである。 アドレスでの上半身の前傾角度が、トップオブスイング、ダウンスイング、インパクトフォロースルー、フィニッシュに至るまで変わらない点も素晴らしい。 ただ、バックスイングで、クラブヘッドが外に上がる傾向がある(上段左から2枚目の丸の中にあるクラブヘッドが、グリップと同じ後方線上の丸の中に来るのが基本)。 バックスイングでヘッドを真後ろに上げようとする意識が強すぎる傾向があるのかもしれない。 フィニッスでのシャフトの納まりも理想的です。 平成19年9月23日 |
<大東アイ1074話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
桑原克典プロのスイングとチェックポイント
小学生時代からゴルフを始め、中部地区ではジュニア時代から頭角をあらわしてきた桑原克典プロ。 愛知学院大学時代には、全日本学生選手権と全日本パブリック選手権に優勝した。 92年にプロ入りして3年後の95年にステーブルフォード方式の「アコムインターナショナル」に優勝。 持ち前の攻撃型ゴルフで、優勝ポイント46をマークして、世界最高記録を樹立した。98年の日本マッチプレーでツアー2勝目を飾る。 ここ数年の賞金ランキングは、60位、42位、69位、89位と低迷しており、本人としては不本意なところ。まだまだ活躍が期待される、38歳の脂乗り切った年代である。 トップオブスイングで腰が回りすぎている傾向が見られます(上段右から2枚目の上の円)。 ベルトのバックルが真後ろの方向まで回転している状態。 これは右足がオープンで踵に体重が乗っているために起こっています(下の円)。このトップオブスイングから腰の回転でダウンスイングに入る為に、安定度の高いインパクトを向かえることが難しいのが現状です。 一般的には肩の回転の半分以下に押さえることが出来れば、上半身の回転に伴う「捻れのパワー」が蓄積されます。 アドレスで右足をスクエア−にして、トップで右足親指で地面を押さえるようにすれば良いでしょう。 平成19年9月22日 |
<大東アイ1073話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
表純子 プロのスイングとチェックポイント
2005年のスタンレーレディーストーナメントで初優勝を飾るまで、2位を十一回、重ねた。 「シルバーコレクターなんて言われて本当に苦しかった。 金と銀では全然違う」と優勝の喜びを表現している。 何回も優勝を逃してきた苦い経験を、指導を受けている岡本綾子プロから「あなたは一番いい経験をしている」と励まされた。 その言葉を胸に刻んでの勝利。この優勝で精神的なブレークスルーをもたらしたのか、次週のシャトレーゼクイーンズカップで2週連続優勝を果たした。 高校時代までバスケットボールでデイフェンスの要として、インターハイ、国体に出場している。 下半身が安定した素晴らしい動きは、今までのスポールで鍛えられたものであろう。 気になるのはフォロースルーでのクラブフェースの向き。 写真の丸円で見られるようにフォローでのフェースが真下を向いている。 これはインパクトでの懐の狭いところがら起因しているのであろう。 丸円の中に見られるように、右肘が右脇に付いた状態でインパクトしている。 肘の使い方が改善され、インパクトゾーンでのフェースローテーションが少なめになれば、ショットの安定感が高まり、更なるブレークスルーにつながるであろう。 平成19年9月21日 |
<大東アイ1072話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
横峯さくら プロのスイングとチェックポイント
お父さんとの掛け合いが面白く、微笑ましい横峰さくらプロ。 2005年の第3戦でお父さんがキャディをつとめ見事優勝した。 宮里藍プロの出現で活況を呈している女子プロ会の2枚看板となっている。 優等生的な宮里プロに対して、横峯プロは、個性豊かなキャラクター。 まずはそのスイング。ジョン・デイリー顔負けのオーバースイングから繰り出されるドライバーショットは、豪快そのもの。男子トーナメントであるパールオープンに出場して、見事予選通過をしている。 3日目に一緒に回った高崎龍雄プロを度々オーバードライブしたという。高崎プロはドラゴン高崎のニックネームで、飛ばし屋でもある。「芯で捕らえたのに女の子にオーバードライブされてしまい、ゴルフを止めたくなっちゃった」とドラゴン高崎プロが話していた。 横峰プロのバックの中にはドライバーが2本入っている。ロングホールのセカンドショットで2オンを狙う為のフェアウエードライバーだそうだ。地面から直接打つので「ジカドラ」という。 スイング同様プレースタイルやキャラクターも個性的で魅力的なプロである。 平成19年9月20日 |
<大東アイ1071話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
S.K.ホ プロのスイングとチェックポイント
2004年の日本プロとJGT選手権に優勝して、公式戦男と表された。 賞金ランキングも4位とブレイク。 2005年も既に日本プロの二連覇とJCBクラッシク仙台に優勝し、獲得賞金額で4位になった。 2006年も1勝をあげ、7位となった。 小生2年前にゴルフ雑誌の特集でインタビューをした時、真面目で真摯な物腰が印象的であった。 日本語も流暢で日本文化に溶け込む努力をしている。 ゴルフスイングも基本に忠実で、ステディーなゴルフスタイルが見て取れる。 特にアドレスとインパクトの形が素晴らしい。 アドレスでの身体を線で囲んだものを、インパクトの時の写真に当てはめたてみると、特徴が鮮明に見て取れる。 まず上半身の前傾姿勢の角度が、アドレスのままの状態でインパクトを迎えている。 その結果、シャフトの面がアドレスとインパクトでほとんど同じ角度にある(シャフトの線)。 普通、インパクトでは遠心力により、ハンドアップする傾向にあるのだが、ホプロの場合は、インパクトでも右ひじの余裕があり、アドレス同様のシャフトプレーンを保っている。 この余裕のあるインパクトの形であればこそ、安定したショットが生まれているのであろう。 今後の益々の活躍が期待される。 平成19年9月19日 |