大東アイ(四方山話)
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<大東アイ1070話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
宋 アリ プロのスイングとチェックポイント
最少年でUSLPGAでメンバーとなった宋アリ。 アマチュアでの戦歴で、コミッショナー特例として17歳でプロテスト受験し、みごと合格した。 2004年の活躍で「ルーキーオブザイヤー」に選ばれる。 お父さんがタイ人でお母さんが韓国人。双子姉妹の妹も昨年にUSLPGAプレーヤーとなる。 彼女のスイングの特徴はダウンスイングのスイング面。セルヒオ・ガルシアのようにクラブヘッドをインサイドから降ろしてきている(写真下段左の丸)。結果としてフォロースルーでクラブヘッドのフェース面が地面を向いているくらい、フェースローテーションがされている(写真下段右から2番目)。 普通であれば、インパクトゾーンが短く、フェースの向きが安定し難い。ボールもばらつきやすいはずだ。 しかし彼女の素晴らしい点は、ブリップが身体に近い位置でスイングをしていること。すなわちインパクト時に手が身体に近い位置にあることで、フェース面のコントロールが出来ているのだ(写真下段左から2番目)。 宮里藍、横峯さくらプロと同年代でジュニア時代から一緒にプレーをしたこともある宋アリが、世界を舞台に活躍する日も間近いだろう。 平成19年9月18日 |
<大東アイ1068話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
グレース 朴プロのスイングとチェックポイント
小学校卒業後、単身アメリカに渡ったグレース・朴。 ジュニアゴルフで活躍して、史上初のアマチュアグランドスラムを達成した。 2004年は、メジャーのクラフトナビスコ優勝を含む2勝を上げて、獲得賞金額は、アニカ・ソレンスタムに継ぐ2位の152万ドル(約1億6千万円)。 Vare Trophy(シーズンを通じての最小スコア-に表彰される)を獲得した(69.99)。 彼女のティーチングプロはリン・マリオット。 アニカ・ソレンスタムを教えたピア・ニールソンと伴にゴルフ54ビジョンのレッスン活動を行っている。 小生と同い年の彼女たちが、同じ理論体系を教えて来て、LPGAのナンバーワンとナンバー2を育てたのだ。 昨年来、村田理恵プロも幾度となく渡米して彼女たちにお世話になっている。 特徴的なのは、フォロースルーでの手首の使い方。 ビジェイ・シンのように右手のスナップを利かせた形になっている。 グリッププレーシャーが柔らかく、効果的な力の伝達をクラブヘッドにしている証拠である。 従ってダウンスイングとフォロースルーでのシャフトの面が安定したスイングプレーンを描いている。 韓国女子プロが活躍しているLPGAの先頭を走っているプロである。 平成19年9月17日 |
<大東アイ1067話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話) パク・セリ プロのゴルフスイングとチェックポイント
1998年の米国プロデビューの年に全米女子プロと全米女子の2つのメジャーに優勝し鮮烈的なデビューをした朴セリ。 一躍母国のヒロインとなり、当時の韓国の経済不況を救うほどのインパクトがあったという。 その後、グレース朴、金美賢、ハン・ヒーホン、アリー・ソンなどの米国で活躍する韓国女子プロの先駆者的存在となる。 現在ではUSLPGAの賞金上位30位以内の10名を韓国選手が占める一大勢力となっている。 小生が1998年1月にフロリダのデビット・レッドベターゴルフアカデミーを訪ねた時、練習熱心な彼女の姿に感心した。 デビットから「今年USLPGにデビューする注目株」と直接紹介された。 まもなく一世を風靡したことは記憶に新しい。 だが一昨年より怪我と腰痛が長引き、本来の調子を取り戻すまでには至っていない。 ジュニアの時代から毎日800発の球を打ち、パットは600回のノルマを父から与えられてきた。ゴルフスイングは一定方向の動きの為に、適正なトレーニング無しでは体を痛める場合が多い。 最近の彼女のスイングをみると腰痛を抱えてか、心なしか腕中心に見える。 すなわち手先の動きが大きいためにダウンスイングとフォローするーでシャフトが寝ている状態となっている。 フェアウエーキープ率が61.9%(147位)の原因もそのあたりであろう。 平成19年9月16日 |
<大東アイ1066話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
カリー・ウェブプロのゴルフスイング
96・99・00年とLPGAの賞金女王を3回獲得し、アニカ・ソレンスタムとの2強時代を築いたカリー・ウェブ。 01年にはLPGAチャンピオンシップに勝利して、史上最年少でグランドスラムを達成した。 02年には、全英女子オープンで優勝して史上初のスーパー・キャリアグランドスラムも達成。 メジャー6勝を含む世界ツアーで34勝をあげ、グレッグ・ノーマンプロと共にオーストラリアの国民的ヒーローだ。 2005年、オーストラリアにて開催されたANZマスターズでは、宮里藍プロを最終日に逆転し優勝した。 彼女のゴルフスイングから学ぶべきポイントは、アドレス、トップオブスイング、フォロースルー、フィニッシュのそれぞれの姿勢。 アドレスでは、少しクローズにスタンスの向きを取り、どっしりとした下半身。上半身は背筋を伸ばし一本の軸がシッカリと出来ている。 トップオブスイングでは、クラブシャフトがオンプレーンの状態で、左肩があごの下に入っている。 フォロースルーでは、両腕が体の前にあり、正対している。 フィニッシュは、シャフト面がアンレーンの状態を保ったままでバランスよくおさまっている。 平成19年9月15日 |
<大東アイ1065話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
横田真一プロのスイングとチェックポイント
2005年の選手会会長に就任した横田真一プロ。 専修大学3年の時、1992年の日本オープンでは、ローエストアマに輝いている。 小生が通訳をして、ピーター・コスティスのレッスンを受けていたのもその年であった。 今は無き東京の芝ゴルフセンターで素直な好青年の印象がした。 当時は下半身の動きを中心にレッスンした。 体の重心に意識を向けて、その位置がスイング中に大きくぶれないようにするトレーニングだ。 ちょうど平均台競技を考えて見よう。 選手の重心が、いつも10センチ幅の平均台の垂直上にあることにより、バーの上での自由なパーフォーマンスが可能となる。 一旦、重心が平均台から外れてしまえば、そのアンバランスを補う為の上半身による修正が必要となってくる。 ゴルフスイングでも同様のことが言える。 横田プロの下半身は、スイング中動き過ぎているように見える。 トップオブスイングで左足がヒールアップして、左ひざが前に出て来る。 確かにその部分だけを観察すると。無駄な動きに見えるかもしれない。しかし重要なのは、体の重心の動き。 お臍の少し下にある臍下丹田の動きは、スイング中、どっしりとして安定している。 平均台の上に重心位置があれば、自由に演技が出来るように、ゴルフスイングでも、体の重心位置がぶれなければ、横田プロのように、安定したゴルフスイングが可能となる。 平成19年9月14日 |
<大東アイ1064話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
小学生の時は「野球少女」で甲子園を目指していたという古閑美保プロ。 10歳の時に坂田塾の一期生となりゴルフを始める。 高校3年生から清元登子プロの門下生となり不動裕理プロとは兄弟弟子。 2003年度に2勝して賞金ラインキング3位と一気にブレイクした。 2004年も1勝をあげ、獲得賞金額9位。 2005年は0勝で15位になったが、2006年は2勝して6位にランクアップした。 古閑プロのゴルフスイングの特徴は滑らかなスイングテンポであろう。 不動裕理プロ同様オーバースイングであるが、力みが無くスムーズにクラブをスイングしている。 ゆったりとしたリズムは、お互いが持っている長所。それでいて飛距離も良く出る。身体能力が高いことが見て取れる。 2つ目の特徴は、シャフトプレーンの軌道とクラブフェースのコントロールが抜群に良い点。 ダウンスイングのシャフトの角度とフェースの向きを見てもらいたい。 理想的なポジションである。 クラブシャフトの延長線上にボールがあり、そのまま最短距離でボールをヒットできる。 またフェース面もスイングプレーンに対してスクエアな状態である。 したがってフォロースルーの写真(最後から2枚目)においても、シャフトの角度とフェース面が理想的な状態をキープしている。 すなわちシャフトの延長線上がボールポジションでありフェースの向きも完璧な状態である。このスイングであれば、インパクトゾーンでのフェースローテーションの少なく、安定してボールコントロールが可能となる。 平成19年9月13日 |
<大東アイ1063話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
2004年のUSツアーが1勝に終わり、長年維持してきた世界ランク1位の座もビジェイ・シンに明渡したタイガー・ウッズ。 以前の強さが影を潜めていたのだが、新しいティーチングプロのハンク・ヘーニーと取り組んできたスイング改造が実を結んで、ダンロプフェニックストーナメントで日本での初優勝を飾った。 宮崎では460CCのデカヘッドのドライバーを使って、キャリーの稼げる高い弾道のボールを打っていた。 トップオブスイングをコンパクトにしてフェースローテーションの少ないスイングを心掛けていた感じがする。 これは完成モーメントが大きなデカヘッド用に適したもの。練習場でも、しきりにフォローの形をチェックしながら素振りの練習をしていた。 フォロースルーでのクラブシャフトを見ても明らかなように、非常に高い角度で振りぬいているのが分かる。 「努力」して左肘をぬき気味にしてスイングを作っているように見られた。タイガーほどのヘッドスピードだとフォロースルーにおいてクラブヘッドがターンしやすく、結果としてドロー気味のボールになる。 今回はフェニックス用にフェードボールを多用していたのが特徴的であった。 タイガーの素晴らしいのは、歩き方。優雅にそしてゆったりとフェアウエーを闊歩する。腰骨を前に出す事により、頭の位置が前に出ず、自然と胸がはれる姿勢となる。 歩き方が良いと不思議とゴルフにも良い影響がうまれる。ゴルフスイングは別として歩き型ぐらいは真似をしてみてはどうでしょう。 平成19年9月12日 |
<大東アイ1062話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
2004年の日本オープンに優勝した谷口徹プロ。 2002年の東海クラッシク以来734日ぶりの復活となった。 更には次週も勝ち2週連続優勝を飾った。 2002年に賞金王となったが、原因不明の病魔に教われ昨年は運動すら出来ずに自宅に閉じこもっている時期もあった。 左頭部の「血管腫」と診断され今でも薬を飲んでいる。 和製タイガー・ウッズと言われるほど、プレー中のガッツポーズが激しいだけではなく、コース外の言動も度々物議をかもしている。 2003年の日本オープンでピンシートの誤記に対して「これがナショナルオープンか!? ローカルオープンのようなもの」と声を荒げた。 その他日本プロゴルフ協会の脱退宣言等、話題に事欠かない。 ある意味、それほど純粋なところがあるのだろう。 同じ同志社大学出身の小生に、「何とか教育しろ」と言われる方も要るが、強烈なキャラクターとしてプロゴルフ界に無くてはならない存在となっている。 谷口プロのゴルフスイングの特徴はシャフトプレーン(シャフトが描く軌道面)が素晴らしく一定の面を描いているところ。 実にクラブヘッドが無駄ななく動きが無く、効率的な直線の動きをしている。 すなわちアドレス時のシャフト面とインパクト時のシャフトの間に、スイング中シャフトが納まるのがスイングプレーンの基本となる(写真上の2本の線)。 バックスイングとトップでのクラブヘッドの位置もスクエア−の状態で理想的である。 独特なスイングに見えるが、基本に忠実なクラブヘッド軌道となっている。 平成19年9月11日 |
<大東アイ1061話> 大東アイ(大東の目を通して見たゴルフ界のお話)
李知姫プロのスイングとチェックポイント
2006年9戦目のヴァーナルレディースで優勝を飾った李知姫プロ。 16番ホールから3連続ボーディーで締めくくり、2位に6打差の初日からの完全優勝で強さを見せつけた。 今期既に2勝をあげ、通算8勝。 春先から快調なゴルフで「日本の賞金女王を目指す」と宣言した。 6年間賞金女王を続けている不動裕理を阻む、最右翼である。 スイングの特徴は、オンプレーンのスイング軌道。 アドレスとインパクトでのシャフトの角度が全く同じ位置には驚かされる(緑色の斜線)。 殆んどのプレーヤーがハンドアップしてインパクトを向かえるのだが、李知姫プロのグリップの位置はアドレスとインパクトで、同じ高さをキープしている。 ニック・プライスをはじめ、ショットメーカーのプロが、このようにシャフトプレーンが一致している。 すなわちインパクト周辺でグリップが体から近い位置を通っているからこそ可能となる。 これはダウンスイングだけではなく、両腕が体と一体となってバックスイングしていることから始まっている動きに関係している(青丸)。 パーオン率2位(2006年)は、オンプレーンのスイングから安定したショットが生まれている証拠である。 平成19年9月10日 |