安井 良次    メンタル自己分析表はこちらをクリック

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1945年生れ、桃山学院大学経済学部卒業、2000年まで従業員100名の流通業を経営、55歳を期して経営を後進に譲りゴルフの「メンタルトレーニング」に関心を寄せる。

目標は「シード権のないプロにシードを取らせる」「勝てないプロに一勝させる」「プロになりたい若者をプロにする」事にありました。無論「自分が強いゴルファーになる」事も目標の一つでありました。

「強いゴルファー」と「弱いゴルファー」との差は何か?をプロのトーナメントでのキャディー体験やトップアマ競技への参加により自己体験を重ね、その差が「メンタル的要素」が大きく起因していることを実感、さらに研究を重ねることとなる。

「メンタルトレーニング」は18ホールを通じて、自分の心を如何にコントロールするか?という事が課題であるが、人間の性格は100人100様であり、一人一人が特性・個性を持っているということから、個性に合った「メンタルトレーニング」が必要であり、「デジタル発想」にこそメンタルゴルフの基本であると説いています。

近々、長年の研究成果を「メンタルトレーニング本」して発刊する予定でありますが、それに先立ち「大東将啓のゴルフ・ホームドクター制度」のホームページに「安井良次のメンタルトレーニング」として参加する機会を得たのであります。今後、アクセスして頂く皆様にメンタルについて解説してまいりますが、あなたにとって有効な武器となる「対策」が発見して頂ければ幸いであります。

ここ数年で、プロを誕生させることができましたし、シード権を持つプロをも育てることもできました。私自身も年内にはHCP3を目標に一層磨きをかけます。

筆者が目標とするメンタルとは「現場に強いメンタルトレーニング」であります。

手法としては、コースで起こる様々な心理的「現象」をテーマとして、その「原因」を考え、「対策」を提案する方法で解説を展開することになります。

1ヶ月の2回のペースで連載いたしますので、末永くお付合い頂ければ幸いです。

●執筆実績 ゴルフプレス社 「ゴルフの風窓」連載中38回

第38回 連載  2006/3/13

安井良次のメンタルトレーニング

38)ゴルフの武器とは

<現象>

 ゴルフをする上で「武器」というものを意識していますか。

ゴルフとは「闘うスポーツ」であることは何度か解説しています。「闘う」ということは「武器」が必要だということです。例えば、自分に合ったドライバー、大好きなサンドウエッジなど「道具」も「武器」のうちです。しかし、ここでは、それ以外にも「武器」が必要であることを認識していただきたいのです。それは「武器になる心」や「武器になるコース攻略法」や「武器になる技術」のことなのです。

特に、ここでは「武器になる心」すなわちメンタルについて書いてみます。

<原因>

 ゴルフのラウンドでは色々なアクシデントが起ります。OBやチョロ、シャンクやトップ、ホームランやスリーパットなどです。反対にバーディーが出たり、今日一のナイスショットが出たりもします。良かっても悪かってもいずれも予想外のことなのです。そのように、心の平常心を乱すようなことが起った時、その「心」を元に戻す準備が必要なのです。それを「心の武器」というのです。例えば、突然のミスで心が乱れたとき、あなたは「どのような方法」で体制を建て直しますか?

<対策> 

 ゴルフをする際、完璧がプレーなど一生に一回あるかないかです。必ずミスは起るし、特別、緊張することもあります。無論、すばらしいショットも出ますが、喜び過ぎると次ぎの失敗に繋がってしまうこともあります。そうした、平常心を乱すようなアクシデントが起ったときのために「心の準備」をしておく必要があるのです。例えば、緊張を強いられたときには「練習場では本番のつもり、本番では練習のつもり」、失敗ショットをした時には「先ず、呼吸を整えよう」など、自分が納得できる言葉(フレーズ)を、自分に向けて囁いてやることが大切です。是非、自分の言葉を捜してください。

 この言葉が「心の武器」であり、肝心なときの助けになるのです。

第37回 連載  2006/2/27

安井良次のメンタルトレーニング

(37)理論派とイメージ派。

<現象>

 大方の人間は、ゴルフのスイングについて考えようとする時、大きく分けて、先ず理論ありきで構築する人と、イメージを優先して作り上げる人とがいます。理論先行型の人は、理屈で納得できない解説など全く信用しません。イメージ先行型の人は、いくら理論が正しくとも感性やイメージで理解できないと実践しようとしないものです。

<原因>

 何故、人間には、上記の二つの形があるのかについてはここで解説しませんが、Aさんは理論派でBさんは感覚派だ等と表現します。自分のスイングのチェックポイントやコース攻略の方法など克明に記録して、そのことを大変気にする人であったり、そういった細かいことは一切かまわず、本能や直感だけでプレーしている人がいるということです。

<対策>

 貴方は自分の性格を知っていますか。理論派ですかイメージ派ですか?

 貴方が「レッスン本」を読んで、自力でスイングを学ぼうとする場合は自分の得意な方法で習得しようとします。文章を読んで理論で理解するのか、連続写真や映像を見てイメージから学ぶのかの違いです。しかし、貴方が教える立場になった場合、相手の性格に合わせて教えていますか?理論派にイメージや感覚だけで教えても相手は納得できないし、イメージ派に理屈ばかりで教えても違和感を持ってしまいます。そういう意味において、教えてもらう相手の選択は慎重にすべきであろうし、教える場合は相手の性格を良く知る必要があるということです。

 

第36回 連載  2005/11/8

安井良次のメンタルトレーニング

36)悪いイメージが湧いた時、どうすれば良いのか?

 ゴルフをしている時、時として悪いイメージに悩まされるものです。過去の失敗経験が随所で思い出さされるのです。潜在意識のなせる技なのですが、ゴルフに悪影響を及ぼすことになります。池を見れば池にはいるのでは、OB杭を見ればOBするのでは、何となくスライスのイメージ、何となく引っ掛けるイメージ等など悪い予感は時と場面をかまわず脳裏に出没します。何の手も打たずそのままスイングすると決まってイメージ通りの悪い結果になってしまいます。

<原因>

 ゴルフにはイメージの占める割合が高いのです。6つの特性「自身・集中力・決断力・イメージ・ポジティブ・心の安定」でゴルフをしているのですが、潜在意識はどうしても過去の失敗を思い出させてしまうのです。余り良いことを思い出させてくれないのが潜在意識なのです。

その悪い事を思い出させる潜在意識を退治してやる必要があります。次ぎのことを実行してください。

<対策>

 自分で自分のイメージをコントロールすることです。そんな簡単にできるものか!とお考えでしょうが、一度試してください。

 その方法とは、あなたの過去のプレーで「失敗例」ではなく「成功例」を思い出してください。旨く打って美しく飛んでいくボール、バンカーからふわりと飛び出しピン側に寄るボール、など、過去に味わった良い体験を全て思い出して、脳裏に焼き付けるのです。頭の貯金箱に良いショットイメージをどんどん貯金することなのです。そうすれば悪い記憶より良い記憶が優先して思い出されてスイングできることになります。良いショット体験はあなたの財産であることを認識してください。

第35回 連載  2005/9/19

安井良次のメンタルトレーニング

35)どうすれば自分のリズムを維持できるの。

 「18ホール、自分のリズムを維持できた者が勝利者になれる」というのがゴルフの鉄則であります。突然のミスで精神的動揺、危険を察知して不安感、何とか良いスコアーをと欲、周囲の雰囲気に重圧、いつものショットが出来ず焦り、などなどリズムを乱す要因は幾らでも起るものです。

<原因>

 さて、その原因として言えることは、ゴルフに必要な「心・技・体」が充実していないと言えるのですが、それらが全て完璧などありえないことです。特に、ここでは「心」の在りようについて考えているのですが、最もリズムを崩す要因は「心」にあるのではないでしょうか。「心」が冷静沈着であれば、突然の動揺に対してもそれなりに対処していけるのです。ただ、既に動揺してしまった「心」を元の冷静な自分の「心」に戻すことは至難の業です。そして、そうした突然のアクシデントは予告なしに襲ってくるのが普通なのです。

<対策>

 通常の自分でない自分の心、動揺して自分を見失っている自分、本人は冷静と思っているが他人からみれば平常心でないなど、一旦乱れた自分の心を立て直すことは大変重要なことです。そしてその方法を持つのと持たないのとでは、結果に対して大きな違いとなって出て来ることは改めていうまでもありません。その方法の一つを解説します。それは「自分の黄金のフレーズやイメージ」を持つことです。平素から、そうした状況に陥った場合に「心で叫ぶ言葉やイメージ」を持つことなのです。例を幾つかあげます。

1、自滅とはゴルフで最もしてはならないことである。

2、恐怖には勇気をもって立ち向かえ。

3、豊な心こそゴルフの真髄と思え。

4、自分の愛する子供の笑顔をイメージせよ。

5、1mのパット入れたいと思えば入らない。

など、自分の心に染みとおる「自分にとっての名言」を持つことから始めてください。

第34回 連載  2005/9/5

安井良次のメンタルトレーニング

34)何故、アドレスの時、考えなくてもよいことを考えるの。

 ゴルフのショットはアドレスをしてショットの準備に入ります。人それぞれ自分流のアドレスに入る手順(ルーティーン)で体制を整えます。方向の確認、アドレスの正しさ、ボールの置く場所、これから行うスイングの注意ポイントのチェックなど、限られた短い時間内に行っています。それだけであれば別段問題はないのですが、考えている意識の中に「不安・恐れ・欲・焦り」などの意識が働いていたとしたらどうなるでしょう。これから行おうとするスイングに大きな影響を与えることになります。過去に手痛いミスをしたことが潜在意識に存在しています。そうした思い出したくない記憶や意識が脳裏に現れてくることになります。ボールが右に曲がって失敗した意識が出れば、クラブを左に引っ張ってしまうでしょうし、ザックリする意識が出てくれば、スイングのインパクトで腕がちじんでしまうかも知れません。いずれにしても良い結果にならないのです。

<原因>

 全て潜在意識がいたずらをするのです。過去の体験が潜在意識に残っていて、行動に入ろうとする瞬間や、決断するときに色々な心の動きに介入してくるのです。白いOB杭が目に入ると「OBするのでは?」とか「ボールがスライスしてOBになるイメージ」が湧いてきます。目の前に大きな池があると「チョロして池にはいるのでは?」と突然「不安感」に襲われます。ナイスショットの後これはバーディーが取れるのではと「次ぎのショットに力」が入ります。ゴルフとは自分のリズムを保持することが必要なスポーツです。「不安・恐れ・欲・焦り」などの意識が出てくるとき、それをコントロールできる方法を知る必要があります。

<対策>

 対策として幾つかの方法があります。全てを解説することは文字数の加減でできませんが、基本的な方法を説明します。同時に、その方法には少しの熟練性が必要です。繰返し練習してください。

先ず、「不安・恐れ・欲・焦り」などの感情や意識が脳裏に現れそうになったとき(自分で分るはずです)、入る前に「カット」「戸を閉める」等の言葉を心の中でつぶやきシャットアウトしてしまうことです。

次に、ゴルフは、考えて、決断して、ショットする、の繰返しです。「考えて・決断して」と「ショットする」の二つの行動を分離する訓練をすることです。風向きや距離を考えて持つクラブを決めます。クラブを決めれば後はスイングだけが大切なのです。自分の納得できるスイングをするためには、他の何も考えないでスイングすることです。まるで二人の人格が一人の身体に中に居るような意識で対処できれば成功です。是非試してください。

第33回 連載  2005/8/22

安井良次のメンタルトレーニング

33)ポジティブ思考

ゴルフとはミスとの闘いであると言います。ハンディキャップの数だけのミスで止めれば自分の能力に見合ったゴルフができたことになります。ミスの数が多ければ多いほど精神的なストレスが過剰に掛かってきます。ただ、ミスをするたびに精神的なダメージをもろに受けていたのではゴルフになりません。自助努力でミスから来るストレスを逃がしてやる必要があります。OB・ザックリ・3パット・アプローチミスなどの失敗は時所を構わず襲ってきます。そこで、そのミスを以降のプレーに悪影響を与えないようにポジティブな思考で和らげることが大切なのです。

<原因>

ゴルフにおけるミスは「病」のようなものです。「気から病」とも言います。ミスを重ねると「病」になるし、それを放っておくと「重病」になってしまいます。潜在意識に病巣が癌のように定着すると大変なことです。ミスをしてもそれを引き摺らないように治療とメンテナンスが必要なのです。

<対策>

対策の一つとして「ポジティブな思考」で対処することができます。それは「自分の言葉を持つ」ことなのです。例えば、OBが出たとします。その時、「1ラウンドで1つのOBは許容範囲内だ!」という言葉でOBの悔しさを緩和するのです。実は「その言葉の内容」が大切なのです。自分が納得できる言葉が必要です。ゴルフではあらゆるミスが起ります。その都度その内容に適合した言葉を発見して用意しておいてください。自分にとって、ミスをしても「その言葉」を心に叫べば、怒りが静まり、次ぎの行動が冷静になることが出来るようなフレーズを考えるということです。

第32回 連載  2005/7/11

安井良次のメンタルトレーニング

(32)OBを恐れるとOBしてしまうのは何故。

 ゴルフ場には必ず「罠」と呼ばれるエリアがあります。OB・バンカー・池・ラフ・林などです。それらのエリアに行ってしまうとどうしても一打余分に掛かることになってしまいます(OBであれば2打です)。出来ればそのようなリスクの大きいところには打ちたくないのですが、「そこには行きたくない」という意識が強ければ強いほど行ってしまうことが多いようです。まさに、OBを恐れたらOBをしてしまい、池を恐れたら池にいれてしまいます。どうすればそうならないのでしょうか?

<原因>

 人間、ボールを打とうとする時、必ず「何処に向かって打とう」と意識します。目標を決めずにスタンスしてスイングする人はいないと思います。自分の目で目標を確認して、それに向けてスタンスし脳裏に目標の意識を残したままそれに向けてスイングする筈です。正しく一つの目標だけを持ってスイングするのであれば良いのですが、あなたの脳裏には複数の目標がインプットされているのです。「あそこには打ちたくない」という意識と「あそこに打ちたい」という目標とが混在しているのです。潜在意識は良い目標と悪い目標を区別できないのです。その為混乱を起こし、行きたくない目標の方が強いので結果、悪い目標をターゲットと勘違いしてしまうのです。それではどうすれば、正しい目標だけ意識してスイングできるのでしょうか。

<対策>

 ティーグランドでのショットを例に挙げて説明します。ティーグランドに立った時点で直ぐに「行ってはならない方向」が目に入ってきます。「右一帯がOBゾーン」だよ、とか「手前に池があるよ」とか、「大きいクロスバンカーがあるよ」とかです。どうしても危険地帯が先ず目に入ってしまうものです。そして次ぎに、そうした危険地帯を避けて目標を設定します。ということは、その時点で危険地帯も正しい目標も全て目標になってしまっていることになります。あなたは正しい目標一つに絞り込まなければなりません。

 そこで、その方法ですが、「アドレスをする前に、正しい目標を見つめて、それ以外のOBゾーンや池などのイメージを捨てることです」捨てることが大切なのです。何かをするのではなく捨てることがあなたのするべきことです。

第31回 連載  2005/6/20

安井良次のメンタルトレーニング

(31)アプローチでザックリはどうして?

 パーオンならず、ピンまで15ヤード、ここは一発寄せワンを狙おう。素振りを繰返し慎重にスイングをした。「あっ」と思ったらボールは30cmほど動いただけ、クラブは手前の芝生に食い込んでいる。「こんな大切なアプローチをザックリするなんて・・・悔しい!」こんな経験は誰でもしているはずです。これほど精神的に悪い体験をさせられて健康にも悪いと思いませんか。

<原因>

 筆者はメンタルトレーナーですから技術の解説をしようと思いません。しかし、15ヤードの距離をアプローチする技術的方法なんて殆どの人は知っていると思いませんか?初心者でクラブもろくに振れない人であれば別ですが。では、何故失敗するのでしょうか?

 まさにメンタルが失敗を誘っているといえます。「寄せてパーを取りたい(欲)」「上手くヒットできるだろうか(不安)」「力加減はどれくらいだろうか(迷い)」「失敗してボギーになったらどうしよう(恐れ)」「完璧なショットをして自分の上手さを見せ付けてやろう(顕示欲)」などが悪さをしているのです。しかし、そういう心理を働かせているのはプレーヤー本人ですから自己責任なのですが、ここで対策を考えてみることにします。

<対策>

 回答は「何も考えずにショットにだけ集中して打ちなさい」というのが模範的回答です。しかし、それが安易に出来るのならゴルフはもっと簡単な筈です。色んな邪念が脳裏を横切っています(上述してあるごとく)。それでは解決策です。「一つだけ考えなさい」と集中しなくても良いのです。「考えていることを捨てる」のです。集中しようと思ったとたんに何か考えてしまいます。全て「捨て」て「ワンポイント」だけ考えて、力を抜いてスイングするだけです。嘘のような優しいスイングができることにあなた自身驚くでしょう。

第30回 連載  2005/6/6

安井良次のメンタルトレーニング

(30)目標を見失う。

 ゴルフには目標があるから闘えるのです。その目標は人によって違いますしまちまちです。先ず、スコアーが目標であったり、HCPを幾つにしたいであったり、好敵手に勝つことが当面の目標という人もいるでしょう。プライベートでチョコレートを握るというのもあるでしょう。極端に言えば、何でも良いのです「ゴルフにやりがいが持てる」のであれば、又、「楽しい」のであれば、さらに「健康のため」でも良いのです。

 ところが、何かのはずみで目標を見失うということがあります。ここでは「目標を失ったときどうしたらよいのか?」「目標を失わないためにどうしたらよいのか」について考えてみましょう。

<原因>

 ゴルフというスポーツの特徴は、年老いてもできるということです。特に最近は電動カートが導入されて殆ど歩かなくともラウンドできます。その為高齢者のゴルファーが健康維持を目的にゴルフをしている人が多くなりました。大変結構なことだと思います。反面本来歩いて回るべき年代の人もカートに乗ってラウンドするようになり、本来のスポーツという要素が減って、ゲーム感覚でのラウンドも多いようです。

 そういう意味では、時代に即した年令に合った楽しみ方、目標の定め方が必要なのかもしれません。いかにゴルフが好きでも、年に一回のゴルフでは興味の持ちようもないでしょう。ゴルフにはHCPがあるとしても、余りにも離れたHCPの者同士では面白くないかもしれません。一握りの方たちは競技志向のゴルフで緊張を楽しんでいる人もおられます。

ではどうすれば、目標も失わず長くゴルフを続けられるのでしょうか。

<対策>

 目標は人によって違うと申し上げました。今後ともゴルフに興味を持って取り組めるかどうかについて考えてみると条件があると思われます。先ず、一回のゴルフに幾らの費用が掛かるかということ、次に、ゴルフを共にするゴルフ友達がいるかどうか、クラブの競技会に積極参加の意欲があるかどうか、仕事上ゴルフの付き合いがあるかどうか、腕前に上昇志向があるかどうか等です。そして、自分流の目標をしっかり持って、日々研鑽することが好きになれるかどうかに尽きると思われます。

 ゴルフフアンの皆様の一層の奮闘を期待するところであります。

第29回 連載  2005/5/23

安井良次のメンタルトレーニング

(29)何故、プレー中にスイングを変えようとするの?

 18ホールをプレーする中で様々なことが起るものです。ゴルフはミスのゲームで、如何にミスを少なくするかが要となる闘いです。完璧なゴルフなどというのは人生で一度でもあれば良いのではないでしょうか。プロであれアマチュアであれミスの程度差はあるとしても頻繁に起るものです。じつはその度に本人は悔しがったり反省したりしているということです。そして、何とかミスを少なくするために自分のスイングを修正して良い球を打とうとラウンド中にもかかわらずスイングを変えてしまうことがあります。

<原因>

 ドライバーが曲がったり、アイアンでトップ・ダフリ、アプローチのミス、パットで50cmを外してしまったような場合、当然、本人は失敗の原因を突き止め、同じミスを繰返さないでないでおこうと考えるものです。そして自分のスイングをチェックして、こうしてみようああしてみようと修正してしまうのです。ゴルフにはミスがつきものです。ミスの度にスイングを修正していたのでは混乱するばかりではないでしょうか。

<対策>

 そこで対策ですが、先ず、必要なことは修正するといことではなく、自分本来のスイングに「戻す」という発想です。修正とは今の状態を違った形に変えるということです。戻すとは本来の自分のスイングに戻すことですから修正ではありません。

じつは、この違いが大きいのです。自分の本来に戻すのは良くて、修正して違ったスイングをすることが悪いのです。

 その為には、本来の自分流スイングというものをしっかり持っておく必要があります。自分のスイングはこうなんだ、アプローチはこうするんだ、パットのスイングはこうだ!という基本を自覚して確たるものを持つべきなのです。ミスが起っても次ぎには自分のスイングに戻せる自信があれば全く問題ではないのです。

第28回 連載  2005/5/9

安井良次のメンタルトレーニング

(28)守りの気持ち

 プレーをしていて「守りの気持ち」を持ってしまうことは良くあります。「守りの気持ち」はゴルフにとって弊害であることはゴルファーであれば気付いている筈です。どんな時に守りの気持ちが働くのでしょうか。例えば、この最終ホールをパーで上れば39点である何とかパーを守りたい。とか、ティーショットで皆が見ている、良いショットをして自分の面子を守りたい。ここは勝負のホールだパーを守れば勝てるかもしれない。などと守りの気持ちを持ったとき、結果はどうなるでしょう。大抵は守りきれずにボギーとかダボにしてしまうのです。

<原因>

 ゴルフをする際「守る」は「負ける」に等しい言葉であると理解したほうが適当です。ゴルフで守るという意識は禁物です。ゴルフは打ったボールを穴に入れるゲームです。狩猟民族が考え出したゲームであるがゆえに攻撃することしかないわけです。如何に正確に狙い場所(獲物)を射抜くかと表現することもできます。相手(コース)はただ静かに横たわっているだけで、攻撃してくることはないのです。ところが、恐る恐るショットをしたり、OBするのではと不安に思ったりして心を葛藤させながらプレーしているのがゴルファーなのではないでしょうか。そうした心の乱れは、自分の一人相撲だと早く気付くべきなのです。

<対策>

 ゴルフの失敗体験は潜在意識の中に蓄積されます。失敗を大変気にする人、重要な局面でに失敗が多い人、失敗することを大変恐れる傾向の強い人は、潜在意識に体験の蓄積がより多くなってしまいます。そのような人はコースレイアウトや環境が苦手な状況にくると潜在意識の中から「恐れ・不安・守りたい」など「負け犬意識」が顕在化するのです。

そこで対策が必要になります。筆者が出版している「超進化型メンタルトレーニング」を読んで頂けば対策が幾つもかいてありますが、ここでは一点、「攻撃の心」でターゲットに向けスイングすることに徹することです。

第27回 連載  2005/4/18

安井良次のメンタルトレーニング

(27) 何故、リズムを崩してしまうの

ゴルフでは突然、自分を見失ったり、慌てる余りミスを繰返してしまったりすることがあります。同伴者の立場からみれば「もう少し落ち着いて、一呼吸置けば良いのに」と思うのですが、簡単に立ち直ることは難しいでしょうし、自分自身が混乱していることに気付いていないのかもしれません。ゴルフではプレーに手助けするようなアドバイスは禁止されているのですから、行動を見守るしかありません。それでは、何故、取り乱した状態になるのか原因を探ってみることにします。そうすれば、起らないように予め準備したり、防御の体制を作れるかもしれません。

<原因>

 プレーヤーがリズムを崩したり、慌てたりするのは何が原因なのでしょうか?

改めて言うまでもなく、その原因を箇条書きにするとしたらかなりの数量がリストされるでしょう。例えば、突然声が聞こえた、突風が吹いた、デボットにボールがあった、同伴者のリズムが遅い、OBしてしまった、ラフが深かった、ドライバーの飛距離を負けた、等々です。また、そうした理由ばかりでなく、100100様それぞれに癖や性格も違うのですから、気になる内容も違うはずです。イラチな人はゆっくり歩く人を見てリズムを崩すかもしれません。言葉使い一つでテンポを崩す人がいるかもしれません。いずれにしても個人個人で原因が違うのですから自分で解決するしか方法はないのです。

<対策>

 私は常々、自分のゴルフの信条を持つように指導しています。特に、自分の長所欠点は自分が一番自覚しているはずです。たとえは、スロープレイには腹が立つ、とか、しゃべりは嫌いだ、30cmのパットなんだから先に打てばよいのに、クラブを2〜3本持って走れ、など自分のリズムを崩す要素は分かっているのです。即ち、自分が気になる他人の行動については予め対策を図っておくことが大切なのです。

例えば、スロープレー対策としては「横を向いて20数える」振り返ったときにはその人のプレーは終わっている。とか、しゃべりの人には近づかない聞き流すとかで対策をはかるなどです。そうした準備があれば気になることも少しは軽減できて良い結果が期待できるのです。試してください。

第26回 連載  2005/3/28

安井良次のメンタルトレーニング 

(26) 5〜60cmのパットと心理戦

 一般的には5〜60cmのパットは当然入るものと考えている。これを外したのではスコアーにはならない。ところが突然、5〜60cmのパットが恐ろしく見えたり、外してしまうのではと不安な気持ちになることがある。そうした心理的な現象はどこから来ているのでしょう。原因をさぐることによって「対策」を考えてみることにします。

<原因>

@     最近のゴルフ場の傾向は「大きなうねりがあるグリーン」になっているため,ショートパットも難しくなっている。

A     短いパットだからと安易に打ってしまうことも原因の一つである。

B     過去に「短いパット」を外した経験があり、打とうとした瞬間に思い出した。

C     短いパットであるが、苦手なスライス(あるいはフック)ラインであるため緊張して何時ものストロークが出来なかった。

D     大きな試合だったので、この一打が大切だと思いすぎ手が動かなかった。

E     短い距離だったが、ラインがはっきり分からないまま打ってしまった。

F     入れて当然の距離であるがゆえに、かえって緊張して打てなかった。

G     「外したくない」という気持ちがプレッシャーになって打てなかった。

<対策>

以上、考えればまだまだあるかもしれませんが、大抵はどれかが原因になってミスをおこしているはずです。

そこでその原因をさらに探ってみると、当然ですが、それは技術的な面と精神的な面に分かれるはずです。いずれの理由も大切なのは言うまでもありませんが、技術的なことについては言及を避けます。なぜなら、ここではメンタルについて解説するのが任務であるからです。

では精神的な面とはどういうことでしょうか?まず、「このラインは難しそうだ」「短いので安易に打った」「苦手なラインだ」「入れて当然の距離」「外したくない」などは、そのパットを打つ前に全く考える必要のないことです。考えても仕方がないことなのです。考えることでマイナスに働くことに気付いていただきたいのです。即ち、不安も恐れも欲も考えず、自分のストロークに集中できればおのずと良い結果が出ると「確信する心」こそ必要なのです。結果を打つ前に考えることがミスの最大の原因であると理解してください。

第25回 連載  2005/3/14

安井良次のメンタルトレーニング

(25)「腐る」はゴルフの恥と知れ。

ゴルフプレーに失敗はつきものです。OBを打ったり、ザックリしたり、ノー感のパットをしたり等など「思わず天をあおぐ」ような失敗、それもその失敗が続いて起こった場合などには、クラブを投げ捨てて「もうゴルフは止めた!」と叫んでしまう時があります。さらに、肝心要の時に凡ミスを犯してしまい、やる気も失せてしまうようなこともあります。

表題の「腐る」とは「もうどうにでもなれ!」と捨て鉢な気持ちになることです。あなたもそういう体験はありませんか?

<原因>

「心が腐る」とは的を得た表現ではないでしょうか。やる気が失せ、どうにでもなれと捨て鉢な気持ちになることです。その原因とは即ち、自分の思い通りに事が運ばないことであり、自分が思い描いたイメージとは全くかけ離れた結果になった時、そうした心理状態になるのです。例えば、アプローチをしようとする時、ボールがこう転がってピン側に近寄っていくことをイメージします。ところがスイングしてボールを打とうとしたときザックリして10CM前に行っただけ・・・・。何とも悔しくて「腐ってしまう」ことになります。

そうした事が起こった時、冷静に次ぎのショットに対処しなければならないのですが、頭に血が登った状態では正しい対処が出来ないはずです。そうした状況に立ち至ることはゴルファーであれば誰にでもあることです。その対処法を常に用意しておく必要があるのです。

<対策>

誰にでもあること。失敗は付き物。という考えが心の中に用意されなければなりません。私は失敗しないんだという考えだけでは、起こった瞬間にショックを受けてしまい持ち直す余裕がありません。常に起こりうる事として対処する必要があります。そして、その失敗はたまたま起こったのであって次ぎからは旨く出来るのが本来であると言い聞かせることです。そうしないと、次ぎに同じ状況に立ち至った時「また、失敗するのでは?」という不安感に襲われます。それがしいては「イップス病」になることもありますので要注意です。自分が納得できる言葉が大切です。例えば、「失敗の原因を明確にする」とか「感触を払拭しておく」「今のは突然風が吹いたからだ」とか自分の都合の良い言い訳でもよいのです。とりあえずは潜在意識に残さないことが大切なのです。

第24回 連載  2005/2/28

安井良次のメンタルトレーニング

24)プライドはゴルフの敵?

同伴者に良い所を見せよう。彼に勝たないと俺のプライドが許さない。このショットを旨く打たないと恥ずかしい。自分のHCP通りのゴルフをしないと何か言われそうだ。など、ゴルフとは自分の能力に見合ったゴルフをすることが義務付けられているゲームです。プロであればプロのスコアーで回らなければならないし、HCP10に人であれば平均82点で回ることが義務づけられる訳です。それより良い成績で回れば面子は保たれるが、それ以下のスコアーであれば恥ずかしいと思うことになるのです。プロであったりシングルハンディーの人には一層周囲の目が向けられ高度な技術や感動を与えなければならない義務などが生まれてくるものなのです。そうしたゴルフにおける各人が持っているプライドが実はゴルフに大きく影響しているのです。

<原因>

ゴルファーにはハンディキャップが付けられています。それはその人の能力を評価している数字です。(そのことが良いか悪いかは議論しません)それがある為に様々な心理的な要因がゴルフプレーに影響を与えます。能力を示す数値ですから、それより多い数字でラウンドすれば失敗であり、少ない数字で回れば成功なのです。当然ですが、HCPが少ない人ほど少人数ですし、プロと呼ばれる人は希少価値があります。他人の目にさらされ注目されているものです。それだけにプライドも高いのですが、見る人にその高い能力を見せる必要もあります(何だ、あれでもプロか!と言われないため)。それが即ちプレッシャーにもなるのです。あくまで比較論ですから、HCP10の人は15の人より上手なはずです。その差がプレッシャーとなって跳ね返ってくるのです。

<対策>

ゴルフとは色んな相手と闘っています。自分のHCP、他人の目、ゴルフコース、同伴者、スコアー、などです。しかし、そうした相手と闘っていることは正しいのでしょうか?

実は、ゴルファーが闘っているのは「自分の心」とであることにはやく気付くべきなのです。人に旨い人だと思われたい。とか、あの人に勝って優秀なゴルファーだと思われたい。そうしたプライドこそゴルフにとって大きな敵の一つなのです。ゴルフを上手になりたい、良いスコアーを出したいという希望は大いに持つべしですが、自分のプライドの為にゴルフをしているのではありません。良い結果が出たお陰でプライドが満足させられるのです。プレー中にプライドを考えていたのではそれが足を引っ張り良い結果に結びつくことはないと肝に銘じておいてください。

第23回 連載  2005/2/7

安井良次のメンタルトレーニング

23)突然、自分の弱点を思い出して失敗しそうになるの?

左にOBゾーンがあると、以前に打ったフックボールを思い出し、ここでフックボールが出そうで不安を持ってしまうし、右にOBがあるとスライスボールを思い出してスライスしそうな気になります。ライが悪くてトップやザックリを出そうな気持ちを持つとてきめんに失敗してしまうことが多いのです。

<原因>

全て潜在意識が原因です。過去の失敗が様々な形で脳裏に記憶として残っているのです。その意識が同じような状況や似通った心理状態になった時に呼び起こされるのです。そうした結果、力が入ったり恐れを持ったままスイングしたりしてしまうのです。

それでは結果が良くなるとは思えません。自分の心を旨くコントロールしてからスイングしなければならないのです。

<対策>

対策は大変難しいことはお分かりでしょう。簡単に出来るのであれば、ゴルフというスポーツは簡単なものの変身してしまいます。ここでは、突然自分の欠点を思い出して失敗することに対する解決策についてだけ検討することにします。

フックボールを打ってはならないホールに来ると、貴方の心は「フックを打ってはならない」という気持ちが心を支配しています。自分の心に「フックを打ってはならない」が目標になってしまっているのです。目標になってしまっているのですから、スイングはフックを避けようとする動きになります。平素していないスイングをするのですから旨く出来る訳がないのです。反対の動きをしますので身体は抵抗します。その結果失敗ショットになるのですが、そこであなたは自分の心をコントロールする必要があるのです。とりあえず、力を抜いてフックするイメージを払拭することです。そして自分のスイングだけに意識を注ぐことです。そうすれば格段に成功率が上ることになります。

第22回 連載  2005/1/17

安井良次のメンタルトレーニング

22)何故、良いショットをしたとき反省しないの?

ゴルフとは失敗を少なくするゲームであると言われています。であるから、失敗した時には「失敗の原因」を探って今後同じ失敗をしないようにしようとするのは自然な行動です。しかし、旨く打てた、良いショットが出来た時、何故良いショットが出来たのか?を反省出来たとしたらどうでしょう。(反省とは失敗したときに使う言葉!?)

心地よくボールが打てて、そのボールがピン側に寄ったとしたらきっとそれは良いショットであるはずです。そこで、そのプレーヤーは何故そのショットをつぎのショットに活かそうとはしないのでしょうか?

<原因>

何故、成功ショットは反省しないのか?

それは、先に書いたように「成功ショット」には「反省」という言葉がないのであります。「失敗ショット」した時にはじめて「反省」という言葉がついて来るのです。

成功ショットやピン側に寄ったようなナイスショットが出来た時には「喜びが一杯」で全く「今何故旨く打てたのか?」について考えていません。それは「旨く打てる事」が目標であり、それが当たり前であるからかも知れません。旨く打てなかった時に「何故旨く打てなかったのか?」を考える習慣になってしまっているのです。

<対策>

そこで、どうすれば良いショットをした時、それと同じショットが繰返しできるようになるのでしょうか?

そこで提案ですが、貴方は練習場でボールを打っているとき、「失敗ショット」も「成功ショット」も今のショットは何故失敗したのか?成功したのか?を考えていませんか?特に旨く打てた時、今のショットは何故旨く打てたのか?を分析している筈です。

そうです、練習場でショットをしている状況を思い出すことが大切なのです。「今のショットはこのように打ったから良いショットだった」という考えです。それは「イメージ」であったり「具体的な技術論」であったりします。どちらでも良いのです。旨く打てた理由を明確に自覚することが大切だということなのです。是非、お試しください。

第21回 連載  2005/1/3

安井良次のメンタルトレーニング

21、何故、イメージした通りのスイングが出来ないのか。

ボールを打つまでの手順のことをプレショットルーティーンと言います。プレーヤーの殆どはその時軽く素振りをするものです。その素振りが多分、その人にとってはベストなスイングイメージであると思うのです。しかし、その後にする実際のスイングと素振りとの間にはギャップがあります。あって当然なのかもしれませんが、このギャップについて考えてみることにしましょう。

<原因>

イメージスイングと実際のスイングを一致させる。これが出来ればゴルフは急速に旨くなると思いませんか?ドライバーショット・ロングアイアン・アプローチ・パットの距離感などは特に良いイメージが無いと良い結果にならない筈です。果たして貴方はそれを一致させる努力をしていますか?一応イメージは持っていたとしても、スイングをスタートさせた途端、本能のスイングというか筋肉が覚えているスイングに陥っているのではないでしょうか。そうなんです。このように説明してくると分かって頂けると思うのですが、スイングのギャップとは「思考や感性の運動(イメージ)」と「筋肉が覚えている運動」とのギャップに他ならないのです。それではその二つの運動を出来るだけ一致させるための対策について考えることにしましょう。

<対策>

イメージ運動と筋肉運動のどちらが正しい動きであると思いますか?正しい表現を使うとすると、良いイメージのスイングを脳裏に焼きつけ、それに最も近い動きを筋肉に覚えこませることが正しいスイングである。と言えます。では、どうすればそれが出来るのでしょうか?

まず、目を閉じて自分が目標とするスイングを繰返すことです。そうして自分が求めるスイングは自分のどの筋肉を使うのかを自覚させることなのです。力の入らないスムーズなスイングを得るには、力を入れて遠くに飛ばしたい意識からは正しい筋肉を使う感性を得ることは出来ないのです。先ず目を閉じて自分のイメージ通りのスイングをして、正しい筋肉の使い方を強制的にでも覚えさせることが近道かもしれません。