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リック・マッコード&ディック・ファーリー

(Rick McCord & Dick Furry : Swing The Thing Golf School) 

50年代にD.ファーリーが、スイング論を確立。パートナーのR.マッコードとともに、米国のオレンジレークCCで、スイング・ザ・シング・ゴルフスクールを開講している。

正しいスイングは、ヘッドかグリップエンドがターゲットラインを指す。

スイング・ザ・シングでは、スイングを4つに分けて教えているが、その中でも、スイングプレーンを重要視している。

その4つとは、1.プリスイング(グリップ、アライメント=体の向きなど)2.ハンドエデュケーション(手首の使い方)3.スイングプレーン4.ピボット(体重移動と体の回転)だ。

 グリップは、クラブヘッドの重みが感じられるくらいに、柔らかく握ることが重要という。アライメントは、まずクラブフェースを目標に合わせ、それから体の向きをターゲットライン(目標とボールラインを結んだライン)と平行に取るようにする。いきなり体の向きをターゲットに合わせると、実際には右を向いていることになる。

2.は、手首の使い方のトレーニング。ゴルフでの手首の使い方は、日常の動かし方と違うので、練習しなければ分からないのだ。例えば、地面に置いたタイヤを、クラブフェースがタイヤとスクエアに当たるように叩くことで、手首の強さと動き方が理解できる、と彼らはいう。

 スイングプレーンで重要なのは、スイング中、クラブヘッドかグリップエンドのどちらかが、ターゲットラインを常に指しているということだ。

インタビューでの着眼点:

1.        教え方の理論(スイング・ザ・シング)を全面に出したスクール展開の成功事例。(人物ではなく、理論を全面に出す)

2.        研究者と具現者が、それぞれの領域を担当する。(資本と経営の分離のようなゴルフスクールのスタイル)

3.        強烈な印象を与えるモニュメントをアピール。(スイングプレーンボードをスクールの特徴とする)

4.        海外展開の戦略事例。(日本スクール立ち上げ業務)

5.        レクチャーと実技の総合スクールの実施(理論と実践をスクールで展開)

ウォーリー・アームストロング(Wally Armstoronng

1945年生まれ。米国コネティカット州出身。12歳からゴルフを始め、アマチュアで活躍。フロリダ大学時代はオールアメリカンにも選ばれる。70年にプロ転向し、74年からPGAツアーで活躍。現在は家庭用品なでを教材に使った独自のレッスン理論に基づいて世界中でクリニックやセミナーを行っている。著書やレッスンビデオもユニークでわかりやすいと人気が高い。ジュニアを対象にゴルフ入門のためのスナッグゴルフの開発、普及に携わる。

スイングの研究か進むにつれて、ゴルフレッスンもどんどん複雑になっていこうとしている。だが、いつでも一番知りたいのは「どうすればミスなく真っ直ぐにボールを飛ばせるか」というシンプルな問題であろう。かれは、「身近にある小道具を教材(ティーチングエイド)にして簡単なドリルを行うだけで、自然と正しいスイングが身に付けられる。」と言っている。

スイングはサークル(円状)であるという感覚を覚えるために、フラフープを使う。

ゴルフボールは、地面に接している為に、どうしてもゴルフクラブを上から叩きつけるようなスイングになってしまうゴルファーが多く見受けられる。スライスしたり引っ掛けたりするミスのほとんどは、こうした間違ったスイングによるものです。そこでフラフープを使って体の中心にセットし、スイングがサークル状であることをイメージしやすくします。そしてスイング面にセットされたフラフープに沿ってバックススイングし、フラフープに沿って振り抜く円運動を体感してみます。ゴルフスイング中、体の動きに意識を向けるゴルファーが多いのが現状だ。しかし、体の動きに意識を向けると、スムーズな動きがなくなり、動作がぎこちなくなる。従ってフラフープのような視覚に訴えることが出来る道具を利用することにより、スイングのイメージを持つことを助けることが出来る。ウォーリー・アームストロン氏の場合、日常品を道具等として使うことによりスイングのイメージ作りを助けるレッスンに長けている。

左の写真は、ゴルフクラブヘッド部分に「足型」のパネルをはった小道具だ。バックスイングとフォロースルーで「つま先が上を向く」とイメージをすれば、自然と腕が回転して理想的な動きが出来るというものだ。特にスライスで悩んでいるゴルファーには、フォローするーでつま先が上から更には後ろに向くようにすれば、クラブフェースが自然と回転しやすくなり、スライスが矯正できる。

フラフープや足型以外でも左の写真のような日用品を中心とした小道具(ティーチングエイド)を使うことにより、視覚に訴えて、イメージが持ちやすいレッスンを実践している。

 

インタビューでの着眼点:

1.        ゴルフスイングは理論から入らずに、視覚に訴える。(特にジュニアに対しての注意を引く方法として有効)

2.        イメージを持つことを助けるティーチングエイド多用する。(身近な日用品を使う)

3.        楽しませて、見せて、理解させて、実行できるレッスンを心掛ける。(ゴルファーのヒントになる引き出しを多く用意する)

4.        スイングはサークル(円状)(フラフープがイメージをわかせるのに役立つ)

5.        自分で実演でき、チックできるドリルを多用する。(ゴルファーが一人で出来る様にさせる)

ジム・マックリーン 

Jim McLean : Jim McLean Golf School) 

1994年USPGAのティーチャー・オブ・ザ・イヤー。トム・カイト、ブラッド・ファクソン、ピーター・ジャイコブセンらを教えている。

ジム・マックリーンが提唱するXファクターは、どうすれば飛ばすことが出来るかに注目した理論だ。「ゴルフスイングでは、膝、肩、腰、頭の4つの回転がある。膝を腰の約半分回転し、肩は腰の2倍回ることで最大限の飛距離を出すことが出来る」とジム・マックリーンは強調する。

この中で特に肩と腰の回転差(ギャップ)がパワーの源になる。例えば、ジョン・デーリーはかた114度、腰66度とその差は48度。対して、チョップ・ベックは、トップでの肩の回転が98度、腰は60度で、その差38度。96年のドライビングディスタンスじゃ。ベック88位、デイリーは1位。この差が大きければ大きいほど飛距離が出るのは、この結果からも分かるはずだ。ギャップを大きくするには、柔軟性が基本となる。これは、毎日のストレッチをすることでクリアできるが、体が柔らかい女性が飛ばないように、柔軟性だけでなく土台となる、下半身の強さが必要だ。肩を回しても、腰も一緒に回っては今がない。理想的な体の回転は、トップスイングで膝が25度、腰が50度、肩が100度、頭が25度の状態であるとマックリーンはいう。

インタビューの着眼点:

1.        今までの経験則をデータとして統計的に管理し、それを基にして理論を導き出す。(感覚的なレッスンからの脱皮。)

2.        ゴルファーは浮気症ということを認識する。(色々なティーチングプロを渡り歩く性質がある。)

3.        良い人材は、人種やバックグラウンドに関係なく、色眼鏡で見ない。(自分の力となるスタッフは、身近にいることが多い。)

4.        誰に対しても真摯な態度で接する。(地位や身分に関係なく、一個人として接することの大切さ。)

5.        スタッフ間相互の連携の大切さ(同じ職場で働くスタッフの意思統一を図る。)

ボブ・ルーテロ博士

(Dr. Robert Rotella)

スポーツ心理学の権威。カナディカ大学でスポーツ心理学の博士過程を終了し、現在バージニア大学スポーツ心理学の教授。トム・カイト、ニック・プライス、デビッド・フロスト、ジョン・デーリーらの多数のプレーヤーをサポートしている。女子のプロでは、パット・ブラッレー、ジェーン・ゲディス、ロージー・ジョーンズらが博士の教え子。

田中秀道プロが、1995年の日本のゴルフ界でシンデレラボーイになったのをきっかけとして、メンタルトレーニングが注目された。しかしアメリカでは15年ほど前からスポーツ心理学者のサポートを受けることがトッププロとしては当たり前のことであった。その中で、中心的な存在がルーテロ博士であることは間違いない。

「いつでも主役はプレーヤーであり、最も大切にするのはゴルファーの意思だ。」と言うようにサポート役に徹して、一人一人のからもつれた糸を研ぎほぐすように聞き役としてのスタンスを取る。「たかがゴルフ、されどゴルフであるが、各人の中でのゴルフの位置付けを鮮明にすることから、全てが始まる」という博士の言葉に引き込まれた。「トッププロと普通のプロの違いは、どんな時でも邪念なく、目標だけのイメージが頭の中に鮮明にある」簡単で当たり前のことが、当たり前にできるようになるのは、難しいものだ。

インタビューでの着眼点:

1.        技術はティーチングプロ、精神面はスポーツ心理学者からアドバイスを受けるのは欧米では常識(専門分野の分業化)

2.        ゴルフゲームの90%以上を占めるのが精神的分野。(ゴルフはメンタルなスポーツとう位置付け)

3.        ターゲットオリエンティッドが一番重要(頭の中は目標のイメージだけを持つ)

4.        目的意識がドライビングフォースになる。(熱い想いを持つことが出発点)

5.        潜在能力を引き出すことがポイント。(サポートする精神を持ち続ける)

エド・コットレル博士

Dr. Edwin Cottrell : National Golf School

全米ゴルフ教育者協会理事長。National Golf School 名誉校長。NGFコンサルタント。1987年ゴルフの再考指導者に与えられる「NGF Joe Graffis Award」を受賞。

 National Golf Foundation 米国ゴルフ財団の教育部長として指導者の養成、講習等に尽力される。特に日本との関係が深く、日本ゴルフ財団創設期からゴルフスクールの開発業務、米国でのティーチング&コーチングセミナーへの日本人スタッフの受け入れ窓口として活躍する。

 ゴルフスイングでは、構えの重要性を特に説き、ショットの前にはGAS「ガス」をチックすることを強調する。 (ちょうど車の運転の前に「ガス(ガソリン)」が入っているのを確認するのと同様のこと) GASとは、 1Grip

(グリップ) 2.Aliment (向き) 3.Stance(構え)の3つのことだ。そのうちのどれか正しくなければ、ナイスショットをしたとしても良い結果が生まれない。改めて基本に戻る重要性を物語っている。

 インタビューでの着眼点:

1.        最初から心を開けば通じ合うものがある。(こちらからまず声をかける)

2.        いつまでの向上心を持ち続ける大切さ。(ゴルファーの究極の目標は、エッジシュート)

3.        家族を大切にし、自分を大切にしている。(仕事と家庭と自分の時間配分をしっかりと取っている)

4.        人脈を大切にしている。(ネットワークの構築)

5.        システムとマニュアルの構築の重要性。(フランチャイズビジネスモデルの実施)

ピア・ニールソン(Pia  Nilsson)

1958年、スウェーデン生まれ。 74年から81年にかけてスウェーデンナショナルアマチュアメンバーとして活躍。81年に米国アリゾナ州立大学体育学部卒業。83年から5年間は米国LPGAツアーに、87年から3年間は欧州女子プロツアーに参戦。通産8勝を上げる。

 その後、一線を離れて96年からは、スウェーデンナショナルゴルフチームのヘッドコーチに就任。アニカ・ソレンスタムをはじめ、世界に通用するトッププレーヤを多く育て、ゴルフ王国スウェーデンの布石を築く。その功績により98年にはスウェーデンのカール・グスタフ16世国王より国民栄誉賞を授与される。99年レッスン・オブザ・イヤーを受賞。

インタビューでの着眼点:

1.        自分の能力に制限を設けない。(ゴルフ54ビジョンの思想)

2.        レッスンに協業体制を確立している。(リン・マリオットとの体制)

3.        有名プレーヤーの輩出に貢献している。(アニカ・ソレンスタム他)

4.        イメージ作りを大切にしている。(プリショットルーティーンの重要性を強調)

5.        レッスンにフレキシビリティー(柔軟性)とインディビジュアリティー(個性)を重要視している。(個性を大切し共用しない姿勢)

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