みんなが同じ身分のアメリカ
田辺 雄大(関西軽井沢ゴルフクラブ S48・9・27生)
私が今までに1ヵ月という長期にわたって国内も海外も試合試合と忙しかったのは初めてである。 日本では年に2〜4回試合があればいいほうだが、アメリカは100試合、他のミニツアーを含めれば500試合はいくだろう。 この差は、私たち研修生にしてみれば、天と地の差である。 今でこそやっと試合に研修生部門を取り入れてくれたり、日本にもアメリカに近いミニツアーの発足の話しも聞いたこともある。 早く現実のものとなって、私自身も早く日本のミニツアーでゴルフをしたいです。
アメリカと日本のさまざまな違いがあり、そのなかで一つ上げるとするならば、日本は年の差やプロとアシスタントなどで例えばグリーン上で先にホールアウトしたプロがいて、そのプロがピンを持つ。 次にホールアウトしたアシスタントは必ずといっていいほど、プロのピンを取りに行く。 アメリカは全て同じ身分であり、年の差やそれらの行動をとる必要は全くない。 私が97年1月8日の初日、日本の白石達也プロとラウンドすることになって、ついつい日本の風習が出てしまいそうで、常にピンを取りに行きかけた。 しかしここは本場のアメリカであり、みな平等であると心で思いました。 もちろん白石プロもそれを分かっているので、ピンは『僕自身さすからいいよ。』と言っていた。 これらで少しは分かって貰えたと思うけど、アメリカに行って何やら遠慮や気を使うことはない。 しっかり自分自身のゴルフを集中してやればいい。 ここで語弊になるかもしれないので、もう一つ書いておきたい。 気を使わなくてもいいとは書いたけれど、外人の同伴プレーヤーがアドレスに入ったら、一時停止して、プレーの妨げにならない様にしなければならない。 このへんは日本と違って他の外人さんはすごく気を使っているので、みなさん間違えないように。 アメリカのカートはとても静かで、少々離れていてプレーに邪魔にならないと思って、ちょこちょこ動かしていると、同乗の車の外人さんは『止まりなさい』と注意した。 そういう意味でプレーには全力集中出来る環境が出来ていて、素晴しいプレーの連続である。
また練習場の環境も全然違います。 人工マットと天然芝。 同じ100球打っても、1球1球の集中力、打った後の弾道の差が極めてはっきりと出てくる。 全くごまかしの効かないのが芝の上です。 私も帰国してから、ほとんど所属のゴルフ場のコース内の芝の上からずっと打ってます。 すごくスイングに芯が出てきました。(コースの管理の人々に迷惑にならないように)
アメリカに初めて来て本当に良かったです。 人々の挨拶とコミュニケーション、気軽に挨拶できる人柄、どれを取ってもアメリカは最高です。 はっきり言ってプロを目指すなら、お金はかかるけどアメリカに行って1年、いや2年は滞在してミニツアーに出て経験をつむべし。 アンダーの世界にどっぷりとつかって自分に自身を持ちなさい。 この自信がどんな場合でも突破できる最高の手段だと思う。 私もアメリカに行ったからといって生活習慣なんかは変わったりはしていないがゴルフをしていて自分のショットは曲がらないイメージ通りに行くんだと思い自信を持って打ったら良いショットの連発。 とにかく自信である。 日本になかった私がここで一つ大きくなった様に思える。 又私自身プロになってもう一度チャレンジします。