これからのゴルフの大きな財産になった
萬代 祐之(インストラクター S41・8・2生)
アメリカのミニツアーに参加して、ほんとにたくさんの事を経験出来たと思います。 アメリカのゴルフのレベルが高いということをよく雑誌やテレビなどで目にしていましたが、そのレベルがどれくらいなのか、アメリカに行ってミニツアー(トミーアーマーツアー)に出てみて、はじめて実感としてわかりました。 自分のゴルフとあまりに大きな差にただただショックを受けるばかりで、最初のうちはほとんどギャラリーとなってしまいました。 自分が同じ試合を戦っているプレーヤーという感覚になれませんでした。 まずスタートする時に行う自己紹介でアメリカ人プレーヤーの体の大きさに圧倒され、そしてティーショットを打てばその飛距離の違いに悔しいというよりも情けなくなります。 自分のドライバーショットと相手のアイアンで打ったショットが同じぐらいというのでは、おのずとゴルフの内容が変わってきます。 アメリカのプレーヤーがセカンドショットを7番アイアンで打つところをスプーンを打ってやっと届くかどうかというのでは18ホールを回れば自然とスコアにも差が出できます。
また少しでも飛距離を出そうとしてリキむばかりで、日本でラウンドしているよりもボールが飛んでいなかったように思います。 そしてそのリキみがアイアンショット、アプローチ、パッティングにまで悪影響をおよぼしたのではないかと日本に帰った今、ようやく気付いたところです。
ミニツアーに出ていてアメリカのプレーヤーについて感じた事を書きます。
アメリカのプレーヤーはほとんどがアグレッシブな逃げないゴルフをしてくるなぁ〜と感じました。 それは決して無茶なことをするのではなく、自分の能力に応じて出来ると思えば、たとえリスクがあったとしても果敢に狙って行くというものです。
自信を持って打ってきているので、やはり成功する確立も高いように思います。 精神的にもかなり強いものを持っているのでしょう。 こんなこともありました。 同じ組でラウンドしたプレーヤーが2アンダーで最終ホールまで来たのですが、最後のティーショットを大きく左に曲げてしまい、ラテラルハザード内に打ちこんでしまったのです。 ボールはぬかるんだ土の中にズッポリと埋っていました。 これはさすがにこのままでは打てないだろうと見ていると、なんとSWでそのまま埋っているボールを打って、50ヤードほど飛ばしフェアウエイまで出してきたのです。 そして3打目、まだ130ヤードほど残っている所からピンそば1メーターに寄せてきたのです。 もちろんそのパットを沈めてパーでホールアウトし、2アンダーというスコアーを守ってラウンドを終えました。 僕は良くてもボギーだなと思って見ていたので、本当にびっくりしました。 こんなプレーを見ても分かると思いますが、彼らはどんな所からでもあきらめずに打ってきます。 そしてパーセーブしてくるのです。 こんなプレーが出来るから思いきってバーディーも狙えるのだと思います。 本当にガッツあるゴルフをしてくるなという印象を強く持ちました。 それに比べて自分のゴルフの粘りのなさ、悪い意味でのあきらめ、これは技術的なことよりもゴルフをプレーする上で一番大事な部分だと思いました。 これからの大きな課題として見つめ直して行こうと思います。
最後にアメリカのコースについてですが、本当に難度が高くて苦しみました。 ラウンドしたコースのほとんどがコースレート74前後でなかなか思うようにゴルフをさせてくれないという感じです。 しっかりとコースマネージメントが出来て、なおかつ正確なボールコントロールが必要です。 またホールによっては意図的にボールを曲げたり、高低を打ち分けたりということも必要で、今までの練習方法ではとうていコースを攻め切れないということを 感じました。 アメリカの選手のアイアンがマッスルバックが多く、キャビティーが少ないというのも、このボールコントロールに大きく関係があるように思いました。
自分なりに感じたことを書いてきましたが、今実感として思うことは、ほんとうにアメリカのミニツアーに参加してよかったということです。 これからゴルフをしていく上で大きな財産になったと思います。 このツアーを企画、同行して下さった大東氏、そして後援していただいた日本タイトリストさん、アメリカでお世話になったトミー・アーマー・ツアーのスタッフな方々、トーナメントディレクターのテリー・ファインさん、セミナーを開いてくれたPGAマスタープロのジョー・ティール先生、本当に感謝しています。 またこのフロリダ州オーランドに帰って来たいと思います。 もっと成長したゴルフとともに。
トミー・アーマー・ツアー成績表 1月8日〜10日 ワールド・ウッズCC 81、82、80、243 13日 ヒースロー・CC 78 1月15日〜17日 リッジ・ウッドレイクCC 82、86、77、245 20日 ハーバーヒルズCC 84 1月22日〜24日 ウインタースプリングスCC 87、76、75、238 27日 サイプレスクリークCC 80 1月29日〜31日 キシミーベイCC 79、12、79、239 2月3日 グレンリーフCC 76