最終回:ゴルフの神髄は飛ばしだけではない 年を取ってきて飛距離が落ちてきた。それに対して考え方をどう変えればいいのか。これが最終回のテーマである。 まずもって、プレーヤーは自分自身で毎日20分から30分にわたって、ストレッチ運動をすることを決意しなければならない。年を取つてきても、飛距離を落としたくないと思うのなら、体の柔軟性をキープして、体が回転しやすい状態を保つことが大切といえる。 ほとんどの人は、年を取つてくると体が若いころのようには動かなくなり、体の柔軟性が失われてくる。しかし、このストレッチ運動をすることによつて柔軟性をキープすることはできる。これはだれのためでもない、自分自身で決意するだけで実行することができるのだ。 2つ目のアドバイスは、リラックスして肩の力を抜いて、ゆつたりとフリーにクラブを振ったほうがより飛距離が出る、ということを理解することである。力を入れることが、距離を伸ばすことではないのだ。力が入れば入るほど、クラブへッドは走らない。 そして3つ目のアドバイスは、世界一のティーチングプロといわれるポール・ラニアン(1938年の全米プロチャンピオン)が私にいったことである。それは、彼が13歳のときに自分で気がついたという真実のことだ。 「他のプレーヤーは、(ドライバーで)60ヤードも私より先にいく。だが、自分はそんなことは気にしないで、自分のスタイルとしてショートゲームに専念するのだ」 彼の身長は160センチちょっと。恵まれた体格とはいえなかったが、世界一のショートゲームプレーヤーといわれるようになった。また同時に、素晴らしいトーナメントプレーヤーでもあった。 現在86歳でカリフォルニアに住んでいる彼は、今でも70台前半でラウンドしている。フィル・ロジャースをはじめ、今、ショートゲームのティーチングプロのほとんどは、彼の教えを引き継いでいるものといえる。 その彼自身、13歳にしてゴルフの神髄を発見したのだ。すなわち、ウェッジとパターの重要性である。年を取つたあなたが、今そのことに目を向けることは決して遅くはない。 |