第41回:ウッドが打ててアイアンが打てないのは技術の問題ではない

ッドの調子がいいときはアイアンが悪い、ショットがいいときはパットが悪い……。ゴルフでは、プロ、アマを問わず、こうしたことはよく起きる。今週はそれがなぜ起こるかについてお話ししよう。

 まず初めに、ウッドが打ててアイアンが打てないのは、技術的ではなく精神的な問題である。
 アイアンで1球ミスショットが出たために、自分自身で今日はアイアンの調子が悪いと思い込み、より慎重になり技術的なことにとらわれすぎて、調子を崩す場合がある。たいていはこうしたことが原因なのだ。だから毎回毎回、同じようにルーチンを行つて、意識を明確にして打つ訓陳が必要になってくる。

 だれでも、自分の得意なクラブがあるだろう。
 「8番アイアンを持てば、毎回よいショットが打てるんだ」
というように。

 その人は8番を手にしたとき、,どんな考えを頭の中に持つているのか。140ヤードと分かった途端、得意の8番が使えることをうれしく思い、打つ前からよいことしか考えなくなる。8番を手にすれば、自信を持つて、ターゲットに対して明確な気持ちで自由にスイングできる。その気持ちを、すべてのクラブで持つことが必要なのだ。

 ツアープレーヤーにも、同じことがいえる。ドライバーであれば何の問題もないのだが、パットがまったくだめなプレーヤーがいた。私が彼に、
 「ドライバーを手にしたときは、どうやって打ちますか?」
と聞くと、そのプレーヤーは、
 「ただ単に、ターゲットを艦忍して、そして打つだけです。あとは何も考えなくてもボールは意図したところに飛んでいきます」
と答えた。
 「それをパターでやるのです」
けげんと私が話すと、彼は怪誘そうな顔をした。
 「ただそれだけですか?博士」
私は続けた。
 「毎回ドライバーならまつすぐ打てるのに、パターを打つときはミスをすると思っているのです。ドライバーのときと同様にやってみるのです」

 これが、苦手意識を一番早く直す方法なのだ。なぜなら、得意なクラブを持つたときのその人のルーチンは、最もシンプルで明確であるから。