第38回:よいルーチンはプレーを早くする

週は、ゴルフプレーで重要なルーチンの作り方を説明したが、今回は少し補足をしよう。

 ルーチンとは、ショットに入る気構えを見せてから、実際にショットを行うまでの動作の手順のことである。簡単にいえば、アドレスを作る手順のことと思っていただいていい。

 ルーチンは人それぞれに行いやすい方法で、ターゲットを明確にイメ-ジできるものであればどのようなものでもいいが、時間的には20秒以内のものが望ましい。

 このルーチンが確立したら、どんな状況でもそのルーチンを変えないでショットすることが大切だ。例えば、ドライビングレンジで打っているように、ゴルフコースでも常に同じルーチンでショットできれば、ミスは少なくなってくるはずである。

  さて、ここで皆さん力凝問に思うことは、ルーチンを守ってプレーしていたら、スロープレーになりやすいのではないか、ということだろう。たとえ数十センチのパットでもルーチンを守つて行わなければならないのかと、疑問を感じたことだと思う。

 だが、答えは逆で、よいルーチンはスロープレーにはっながらない。むしろプレーが早くなるのである。

 第1に、よいルーチンを持っているプレーヤーは、よいルーチンを持っていない人よりもプレ-が確かに早い。よいルーチンを持つ-つの目的は、考えすぎる時間を取らせないことである。よいルーチンは、あまり時間を取らない。ボールに向かってからぐずぐず考え込んだり、石のようにまったく動かなくなったりしてしまうことはないのである。

 第2のポイントは、よいルーチンを持っている人は、他のプレ-ヤ-に比べてスコアがいいから、全体として時間を取らないというわけだ。1.5メートルのパットを、よいルーチンをすることにより1パットで決めるほうが、ルーチンをしないでL5メートルを2回に1回ぐらいの割合で2パットしているのと比べると、よりプレーが早くなるわけだ。

 しかしある人は、ルーチンと聞けば長いステップと手順を想像し、時間がかかるものと思っている。間違ってはいけないのは、よいルーチンというのは比較的短いものであることだ。ニック・プライスのルーチンも、それほど長いものではない。