第37回:自分に合ったルーチン作りが上達への第1歩

週はこの連載の中でよく出てくる"ルーチンとは何かを説明しよう。

 ルーチンとは、スイングするまでの決まった手順のことである。そして第一に、ルーチンはシンプルで、20秒以内のものにすべきだ。毎回同じルーチンをしていたとしても、頭の中ではいろいろ違った考えを持っている場合があるので、フィジカル(肉体)的にも、メンタル(精神)的にも、同じルーチンを取ることカ泌要になる。

 ボールの後ろに立ちターゲットを見つけ、ボールがターゲットに飛んでいくのを考え、イメージする。それは、ボールの真後ろに立って行うのもいいし、トム・カイトがしているように、ボールの横に立って行ってもかまわない。

 重要なことは、ターゲットをピックアップし、ボールが完全にそのターゲットに行くのをマインドの中で集中することだ。ボールに向かってアドレスした後は、いつも自分のルーチンをするのだ。
 カイトは、ターゲットを3回見て、3回ワッグルしてショットする。ニック・プライスは、アドレスしたときに、ターゲットだけを考えている。

  ある人は、頭の左に3つ目の目がついていて、アドレスして両目でボールを見ているのであるが、頭ではターゲットを見ているという。またある人は、ターゲットは見ないが、いつも考えている。
 デービス・ラブVは、ボ-ルがターゲットに行くのをイメージしながら2回素振りをする。デビッド・フロストもそうだが、2回素振りをしながらハイドローの球筋をイメージする。彼らは、頭の中のピクチャー(映像)を体のフィーリングに伝えているのだ。このフィーリングをボールに向かって繰り返せば、イメージどおりのボールが出ることを信じているのだ。これらが本来、いいルーチンといわれているものである。

 ラブのパターのルーチンは、同じプロセスでカップの向こう側のスポットをターゲットとして、スポットを見つめボールに視線を戻して、バックスイングに移る。毎回毎回同じゼンマイ仕掛けのようなものである。

 私がやっていることは、まずターゲットを明確にし、マインドを完全に夕-ゲットに集中することを押さえたうえで、個人の性格に合うルーチンを開発する。そして、ラウンド揃に自分のルーチンを私に示させ、それをやっているかをラウンド中に確認する。もし、そのルーチンが崩れたら、マインドが崩れたことが分かるのだ。