第36回:より小さなターゲットを狙えば、フェアウエーの狭さは気にならない

週は以下の2つの質問についてお答えしたい。

 1つ目は「ゴルフの調子が悪いときは、フェアウエーが狭く見えたりすることがあるが、こうした錯覚はなぜ起こるのか」について、もう1つは「フェアウエーの真ん中のいいポジションからはミスショットするのに、林の中など、ものすごくきつい斜面のショットはうまく打てる場合が多い。トラプルショットのほうがちゃんと打てる(ような気がする)のはなぜ?」というものだ。

 まず、1つ目の質問だが、アマチュアに限らずプロゴルファーでも、ショットの調子が悪いときはホールが狭く見える。これは林の中にボールを打ち込む恐怖心からくるものである。

 ただ、私が教えているプロゴルファーたちは、こうした恐怖心はあまり大きくないはずである。

 われわれの考えでは、ターゲット自体を小さいスポットにするから、フェアウエーの広さは関係なくなるからだ。できる限り、ターゲットを小さなものに絞り込むため、フェアウエーが広いカ峡いかさえ気づかないくらいである。フェアウエーが広かろうが狭かろうが、何も変わらない。トンネルのように細いターゲットを設定するのである。

 しかし質問の答えは、フェアウエーをとらえることができないと思う恐れからきているのだ。ショットに自信がないにもかかわらず、ドライバーを振るのは邪道である。自分に正直になり、自信のあるクラブを選ぶことだ。

 次に2つ目の質問であるが、林の中からのショットは、今までに練習してきたものではない。したがって、よりクリエーティブ(創造的)になるのだ。フィーリングに頼って、イマジネーション(想像)を働かせてプレーするようになる。この木の間を通してとか、カーブさせてとか、自分で決めて打っていくのだ。

 フェアウエーの真ん中からであれば、練習場で練習してきた9番アイアンのまっすぐのナイスショットを打とうとして、慎重に技術的になりすぎ、力が入ってしまうのだ。また、ドライバーを完壁に打ったのだから、これをピンにぴたりとつけてと意気込みすぎてしまうのだ。


 以前からいっているが、ルーチンを持っていて、毎回のショットに同じ時間をかけているのであれば、林に打ち込むようなことは起こらないのだ。