第16回:心への扉は目からつながる

ック・プライスが、ボールに向かってアドレスをして、目標に集中し、そのボールが思いどおりに飛んでいけば物事は簡単にすむ。

ところが、彼のような選手でもミスをすることがある。フェアウエーを外したり、パットのミスもする。

しかし、今の彼のいいところは考え方を変えない、ということである。プレー中は毎回毎回、同じルーチン(手順)でショットをすることだけに集中しているのだ。

では、一般プレーヤーはどうだろうか。ショットが思いどおりの結果でなかったとき、一般プレーヤーは、それを分析して、何かを修正し、考え方を変えて次のショットに臨む。つまり、毎回毎回違ったことをトライしようとしているのだ。そして、どうしてショットが一定しないのだろうかと悩んでしまうのだ。

ニック・プライスも、以前はこのような考えだった。そして、いいショットのあとに悪いショット、いいスコアのラウンドをしたと思うと、次の日は悪いスコアのラウンドといったように、波のあるゴルフをしていた。

それを毎回毎回のショットを一定のルーチンを開発することにより、またどんなときでもそれを守ることでショットを安定させ、グレートプレーヤーになった。

これは、何もツアープレーヤーに限った話ではなく、上達を目指す皆さんにも必要なことなのである。

私がプライスによくいったのは、
「The gateway to the mind is through the eyes」(心への扉は目からつながる)
という言葉だ。目が小さなターゲットを見つめれば、マインド(心)がフォローする。目を通して見たものに対して心が反応する。ターゲットに対して、まず目で集中し、そして心で集中する。目が心を破壊することもできるし、心が目を破壊することもできる。

目がトラプルやハザードを見れば、心も反応してそれを考える。心がトラブルやハザードを考えれば、それに従って、トラブルやハザードに目がいく。両方をターゲットに向けるのがあなたがたのチャレンジだ。

また、プライスは、コースでは自分自身がベストフレンドになることを学んだ。「自分が親友のキャディをしているんだ。そうすれば勝つことができる。グレートプレーヤーになることができるんだ」
このような考え方をしてみるのも、ターゲットに集中する一つの方法なのである。