第14回:試合に出たなら勝つことだけを考えよ がニック・プライスのメンタルアドバイスを始めて数年になるが、最初に私が彼にいったのは次のような言葉だった。 「将来もツアーで今までのような成績でよければ、同様の考え方で臨めばいい」 彼は、 プライスの問題は、安定性に欠ける点だった。62というスコアを出しても、次の日に77を叩くことがあったのだ。すばらしいプレーをもたらす安定性を得るためには、毎回毎回のショットに対して同じ考えで、同じ精神状態で臨まなければならない。 トーナメントをプレーしているときに、1球目は右打ち、2球目は左打ち、あるいはグリップの形をショットごとに変える人はいない。 毎回同じスイングをしようとしているのだから、考え方も同じでなければならない。プライスにとってはとても難しいことだったが、これはどうしてもやらなければならないことだった。 そしてトーナメントで勝ちたいのであれば、勝つことだけを考えるようにとアドバイスした。プレーがよくなかったらどうしようとか、予選に落ちたらどうしようとか、このパットをミスしたらとか、OBを打ったら……とかは考えず、試合に出たならば優勝することだけに集中するのだ。 それが自分の望んでいることなのだから、それにマインド(神経)を集中させる。恐れと疑いを捨て去り、自分のマインドを優勝という2文字に入れ込むのだ。 例えば左に池があるホールでは、キャディがあなたに「左の池に打ってはいけません」というかもしれないが、この場合は「右のフェアウエーを狙ってください」といわせるようにする。目標を明確にし、そこに向かって打っことを指示させ、ハザードなど目に入らない状態にする。考え方の違いとは、このようなことなのである。 |