第12回:コースはメンタルサイドのトレーニング場である

まで多くのグレートプレーヤーは、ゴルフの90パーセント以上をメンタル面が占めるだろうといってきた。私は最低でも50パーセント以上はメンタル面であると思う。

いずれにしてもいえることは、ゴルフというゲームは、どの部分がメンタルで、どの部分がフィジカル(肉体)であるというように分けられるものではなく、二つが調和して行われることが大切なのである。

ニック・プライスがいつもいっているのは、この二つを調和させる能力を養う重要さだ。そして、いつメンタルをトレーニングし、いつテクニックを練習するかを自分で理解し、調整しなければいけないのである。すなわち、精神を鍛えるときと、技術を磨くときを分かっていなければいけない。

私の意見では、ゴルフコースに一度足を踏み入れると、それはメンタルサイドのトレーニングの場になる。ゴルフコースでは、スイングをどうこう考えるのではなく、プレーに集中するのだ。肉体はゴルフコースでは作られない。スイングを考えるのは練習場である。ゴルフコースにおいては、ゴルフはメンタルゲームなのである。

いったん試合が始まれば、それはメンタルコンテスト(競技)である。毎週のPGAツアーにおいても、70〜90パーセントのプレーヤーは、ボールをすばらしく打つことができる。問題は、だれが一番自分自身を信じているかである。だれが一番集中することができるか、あるいは冷静になることができるかだ。トーナメントはボールを打つ技術だけを競っているのではない。

アマチュアの場合でも、これはまったく変わらない。ゴルフはハンディのあるスポーツであるが、コンペである人はハンディが10、ある人は20であり、技術面に関しては、ハンディによって同等となる。そこで、だれが一番のマインド(心)を持っているかの勝負になる。

ニック・プライスと皆さんがハンディなしでプレーするのであれば、これはマインドの勝負にはならない。彼はフィジカル(肉体、技術)面で皆さんより優れているために、メンタル勝負にはならないのだ。

しかし、プライスが、彼と同様にボールを打てるプレーヤーと戦うのであれば、メンタルコンテストとなる。それゆえ皆さんが、皆さんと同じような実力のプレーヤーと勝負をするのであれば、問違いなくメンタルの戦いとなるのだ。