第4回:ターゲットに集中することの大切さを教えよう

とんどの人は、試合に優勝することを考えてプレーすることを、当たり前のことだと思うだろう。

 しかし、それでも大多数の人は、トーナメントに参加すると、悪いプレーをしないように心がける。「最下位にならないように」「予選で落ちないように」「80を叩かないように」「恥をかかないように……」などと考えがちになる。現実には、勝とうと思う一方で、他人の目を気にしながらプレーをするのだ。

 94年7月のセントジュードクラシック(メンフィス)で優勝したディッキー・プライドについて、こんな話しがある。プライドは私が教えている選手の一人で、昨年のルーキーオブザイヤーになった。彼にはアマチュアの戦歴はほとんどなく、大学時代も活躍することはできなかった。大学卒業後、ツアープレーヤーを目指してトミーアーマーツアー(ミニツアー)で経験を積んだ。

 プライドと私はちょうど、プレー態度について話し合いのセッションを終わったところだった。そして、彼はメンフィスのトーナメントに出場し、最終日に最終ホールと、プレーオフの最初のホールで10メートル以上のパットを連続で沈め、優勝した。プレーオフでは、ハル・サットンとジーン・サワーズという二人の実力者と戦って、彼らを打ち負かしたのだ。

 「二人のベテランを相手にして、どのような心境で戦ったのか?」

 私は彼に聞いた。

 「博士、私はいつもあなたに言われているように、ターゲット(目標)に向かって意識を集中し、プレーをしただけです。したがって、コース内にハル・サットンとジーン・サワーズがいたことさえ気づかなかったほどです。」

 彼は私の質問にこう答えた。
 トム・カイトも、ゴルフコースでは自分の世界を作ってしまうことができる。他人が入ることができない、静かな、自分がゲームに没頭できる世界だ。カイトと私がよくする話に、『トッププレーヤーと普通のプレーヤーの違いは、1ラウンドで4〜5回コンセントレーション(集中力)を失うことによって生まれる。』というものである。

 ショットに入るときに疑いがあったり、目標に集中できずに、スイングのことを考えたりする。1日4〜5打であれば、4日間で16〜20打になってしまう。これは、優勝するか予選落ちかの大きな違いになってしまう。つまり、トッププレーヤーと、下位のプレーヤーになってしまうのである。

 グレードプレーヤーになるためには、チャレンジが必要になる。他の誰よりも強いコミット(決意)を必要とするのである。