実り多きアメリカ
山下 聖一(リペアーショップ経営 S28・11・17生)
約1ヶ月にわたるミニツアーも無事に終了し、せっかく覚えたジャパンイングリッシュも忘れかけてきました。 今回のツアーは私にとって非常に実りのあるものでした。 当初の目的を90パーセント以上達成できたと思っております。
正月早々日本を離れ、一路フロリダに向かいました。 最初の1日、2日は時差ぼけで非常に体がだるく(トシ)3日目位から慣れてきました。 初めてのアメリカですので見るもの全てが新鮮で、40を過ぎているのに若返った気がしました。
今回の私の目的はゴルフはもちろんだったのですが、アメリカという国に少しでも馴染もうとするのが最大の目的でした。 それで年甲斐もなく色んな事にトライしてみました。 わずか1ヶ月でしたが、結果として収穫が有ったと思います。
さていよいよ六日から、フロリダでのゴルフライフが始まりました。 六日、ハンターズクリーク、七日、ヒースローゴルフクラブと二日間練習ラウンドに行きましたが、コースの距離の長いことにびっくりしました。 ハンターズクリークは昼からのスタートの為に16番グリーンで日没の為に終わりました。 七日のヒースローは非常にきれいなコースでしたが、池に泣かされました。 いよいよ八日は渡米して初めての試合。 ところが宿舎から一歩外に出と車のところに行くと、フロントガラスが凍っているではないか。 暖かいはずのフロリダが、異常気象で非常に寒い。 夏物しか着るものを持ってきていなかった私は、困ってしまった。 ゴルフクラブのプロショップでブルゾンやカッパなど探すが、サイズが見当たらない。 しかたなく季節外れのスタイルで、ゲームに臨んだ。 ラウンド途中で足の指と手の指が利かなくなり、早くホールアウトしたい一心であった。 後で聞いた話しだが、氷点下2度だったそうだ。 帰って温泉に入りたいが、ここはアメリカ。
次のゲーム地は宿舎から近くにあるキィシィミーベイゴルフクラブ。 比較的距離の短いコースで易しいかなあと思いきや、とんでもない。 ゲーム初日は風が強く、アゲインストのなかで池を越せず泣きたくなったホールもありました。 最終日は成績がいい(?)ため、最後のほうでラウンドの予定だったけど雨でスタートが遅れ、回れそうにないためキィシィミーの町の練習場に行って、そこで練習をしたが、どうも調子がおかしい。 次の日はフリーデイで、ボブ スミス氏の邸宅の近くのパラセーズゴルフクラブでラウンドした。 ゴルフカートが、増水した池の水の中にはまり、動かなくなってしまい、歩いてラウンドするというハプニングもありました。 午後はボブ氏の家でランチを御馳走になり、家の前の湖で静かなひとときを過ごしました。 次のゲーム地のベイツリーナショナルゴルフクラブは大変きれいなコースでしたが、クラブハウスの前の池にアリゲーターが頭をのぞかしているのには、びっくりしました。 またドリンクを売って回るシャーリンという娘も大変可愛かったです。 ゴルフのほうはといいますと、だいぶアメリカに慣れてきたかなあという感じですが、相変わらずドライバー(アタマ)が悪い。 16日から三日間、ミッションインゴルフクラブでラウンド。 上位のスコアーに60台が続出しているのには、びっくりしました。 19日はレークノナゴルフクラブのデビットレッドベターゴルフアカデミーでレッスンを受けました。 一つ感じた事は、レッスン内容が非常にシンプルであるということでした。 憧れのレッドベターとも会うことができ、大変ラッキーでした。 次の日は、フリーの日で本場のディズニーランドを終日楽しみました。 21日は、近くのキシミーベイゴルフクラブを自分たちで予約し、ラウンドしました。 22日、同じ鉄は二度と踏まないつもりで臨んだヒースローだったが、ゴルフは難しいの一言。 23日から四日間、ウインタースプリングゴルフクラブに入る。 距離はないが、樹と池と風の有る難しいコース。 クラブハウスの娘(?)がみんな美人・大人気。 27日は、今回のもう一つの目的、PGAマーチャンダイズショーを見にいくが、規模の大きさに開いた口がひらきっぱなし。 午後からのハンマー打法のモー ノーマンのデモンストレーションは、世界一のボールストライカーと言われるだけ大変みものでした。 次の日もPGAショーを見に行きたかったのですが、そうとばかりも言っておれず、グレンリーフゴルフクラブに練習ラウンドに行きましたが、本番はキャンセルしてPGAショーに行きました。 いよいよ今回のツアー最後の試合がやってきました。 ティーショットに、ドライバーとアイアンを駆使する、おもしろいコース。 ドライバーもあたりだし、ゲームにも慣れてきたが、もうすぐジ・エンド。 だからといって、スコアーが良くなるということでもないが。 リッジウッドレイクゴルフクラブは、今回のツアーの最後にふさわしい戦略性をかきたてる、素晴しいコースだった。 三日間のトーナメントだったけれど、最終日は二日目にサスペンデットとなった17・18番ホールを消化して、買い物とコンドミディアムの後片付けをして、どうしても行きたかったグランドサイプレスゴルフクラブのゴルフスクールの見学に行った。 設備が近代化しすぎてあまり参考にならなかったが、ピート・ダイが設計したゴルフ場のすばらしさには感激した。 今回のツアーで感じたことは、まず選手層の厚さにびっくりしたのと、ゴルフ環境が日本とあまりにも違いすぎるという点でした。 またゴルフというスポーツがアメリカ国民の生活の中に、しっかりと浸透しているということでした。 我々が参戦したトミー・アーマーツアーは、ミニツアーの中でもレベルの高いほうだと聞いていましたが、なるほどその通りでした。 行く前ジャンボクラスが5〜6人いると聞いていましたが、ドライバーだけに関していえば、もっとたくさんいるように感じました。 ミニツアーに参加している連中と、 PGAツアーに出ている連中の差は、メンタル面とショートゲームの差のような気がしました。 あと日本に来たらすぐにでも活躍出来る選手が、かなりいるなあと感じました。 ゴルフコースも日本と違って、打ち降ろしのホールが少なく、ドライバーの落とし所も決まっているように思いました。
ツアープロもレッスンプロも研修生も、そしてゴルフを職業としている人も、本場アメリカのゴルフをゲームを通じて経験することじゃないかなあと思いました。 日本には「広野を知らずしてゴルフを語るなかれ。」という言葉が有りますが、アメリカも知る必要があるなあと、強く感じました。