目標設定シート

 

「ゴルフ上達のポイントと目標設定の大切さ」

 多くのゴルファーは「ゴルフが上達したい」という願望を持っている。にもかかわらず自分が望んでいるような上達が出来ないのが現状である。どうしてなのだろうか。それに関係して興味深い調査がアメリカであった。
ミシシッピー大学卒業生が40年後どのような生活をしているかを調査した結果である。「3%―大成功、10%−かなり成功、60%−まあまあ、27%−他人の世話」。卒業時の能力がそんなに変わらないのにもかかわらず、どうしてこのような差がでるのか。この調査の面白いところは、%だけにとどまらず、どのようにして成功したかを調査したことだ。その結果明らかになったのは、「大成功者は明確な目標を持っていた。かなりの成功者は漠然とした目標をもっていた。それ以外の人は目標がなかった。」とのことだ。
「人生を成功したい」という願望はだれでも持っている。しかし具体的な目標に置き換えて到達するまで実行する人は少ない。例えば「金持ちになりたい」ではなく「5年後に500万円つくる」とか「英語を上達したい」ではなく「来春英検2級に合格する」という願望から目標への転換が必要なのだ。 

目標とは期限を設定した具体的な願望だ。

期限を決め、より具体的な目標をたて計画表に落とし込めば、それに到達するためにやらなければならない事がより明確となる。
 ゴルフの場合も同じことが言えるのではないか。ただ「上達したい」と願うだけではなく、「1年後にシングルになる」という目標が決まれば到達までの手段が明らかになってくる。しかし人間は元来弱いもので、上達したいという願望を持っていても、自ら期限を決めて目標を設定する者は多くない。ましてその目標に向かっての練習を継続して実行するケースは極めて少ない。それをサポートするのが我々インストラクターの役割だ。しかしあくまでも主役はゴルファー自身。そして上達の第一がやる気。そこでインストラクターとして、「いかにゴルファーのやる気を引き出すか」が問題となる。その為にゴルフの楽しさを強調し、練習を継続する雰囲気を演出するのが重要だ。すなわち「心のサポート」である。スイング形成から始まり、ショートゲーム、精神面、身体面、コースマネージメント、そして心のケアーまで、トータルでゴルファーをサポートするシステムが必要となる。
私は今まで、通訳、翻訳、インタビュー等を通じて、アメリカを中心に100人を超えるティーチングプロに接する機会に恵まれた。彼らから学んで来た、スイング理論、練習方法、ゴルフメソッド等の集大成として、ゴルフスクールに反映すべく開発した練習ドリルは200種類にもおよぶ。上達したいゴルファーのために、その道しるべを提示し、やる気を引き出し、生徒自身が自ら進んで練習ドリルを実行する。そして結果を出すまで責任を持つことこそ本来の姿ではないだろうか。 日本において多くのハッピーゴルファーを創造することの一助となれば幸だ。

 

ターゲット(目標)を持つ大切さ

ゴルフが上達する上で、まず認識しなければいけないのが、ゴルフスイングの特性だ。他のスポーツと違いゴルフスイングの最中は目標を見ながら動作を行なうかとが出来ない。キャッチボールの時は投げるところを見ながら腕を振りかぶる。人間は視覚から入ってくる情報が大部分を占め、目線のあるところに意識が集中する。ゴルフの場合もしかり。スイング中、地面のボールを見つめているために、ボールに対して意識が集中し、本来の目標に対してのイメージを持つことが難しい。そのために地面のボールに対してクラブヘッドをぶつける「明治の大砲」スイングになってしまう。素振りでは綺麗に振り抜けて、実際にボールを打つときにフォローが取れないスイングになってしまうのは、意識が目線のあるボールに集中しているから。したがってゴルフの場合は打つべき目標に意識を鮮明に置く作業が必要となってくる。目線とイメージの分離である。具体的にはアドレスの状態で目標を2秒以上凝視し、目線をボールに戻してきても、頭の中のイメージは100%目標を描いた状態を保つのだ。そのトレーニングを重ねることにより振りぬきが良いスイングが形成され、目標に対してボールが飛んでいく確率が高まる。実際「地面のボールを凝視せず、目標意識を明確に持つ」事により、ヘッドスピードが13%アップする実験結果が出ている。

 今まで目標意識を持たずに、糸の切れた凧のように飛んでいったボールが、不思議と意思を持った生き物のようにコントロールされるであろう。 狙いを定める〔目標を持つ〕ことにより、初めて頭の中のイメージが鮮明となる。アプローチやロングパットの距離感に悩んでいるゴルファーは、特に目標のイメージを鮮明に描くことにより抜群の結果を得ることが出来るだろう。

 

効果的練習方法

 

練習ドリル(方法)や副教材を使ったものは、200種類にもおよぶ。その中でも最も効果的なのは素振りの練習だ。特に家の中でも出来るタオルスイングは、お勧めだ。バスタオルの一方を結び、その反対側を持ち連続でスイングをする。ちょうどタオルの結び目がわきの下にあたるのが目安だ。右、左と連続でポン、ポンとリズム良くゴルフスイングのように3分間素振りを行う。インパクトの周辺で風を切る音が「ビュ」と出ることを確認しよう。毎日3分、3週間続ければ、滑らかな自分のスイングを形成する一番の早道となる。
もう一つ、ハガキを口にくわえて実際にボールを打つ練習をしてみよう。 このドリルは、1.スイングプレーンをイメージしやすい・2.トップオブスイングで肩の入り方をチェックできる・3.インパクトでの力の入りすぎの防止・の効用がある。 ボールを意識してヒットするゴルファーは、インパクトで歯を食いしばって打っている。 ハガキを口にくわえることにより、歯の間に隙間が開き、力の入りすぎを防止する。 またハガキがスイングプレーンの面と一致させることにより、安定したスイング軌道が可能となる。トップで左肩がハガキの下に隠れれば、十分に肩の回った理想的なトップオブスイングとなる。