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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT6

素振りの練習はゴムティーに意識を集中させる

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@〜B バックスイングの始動はどこからか。 左肩からだ。 いや腕だ。 そうじゃない下半身からだ。 意見は分かれるものだ。 耳で聞くより、ボールの入ったカゴを振ってみれば、その答えは自ら出てくる。 そしてその感じ方は個々の人によってまちまちかもしてない。 が、その人にとっては、最良のクラブの上げ方につながってくるものだ。

ベン・クレンショーやトム・カイトを教えたコーチにハービィ・ペニックという人がいた。 このコーチはベン・クレンショーがマスターズに2回優勝を果たした1990年、教え子の優勝をしらずに95歳の生涯を閉じた。 ベンは、「私のバックには15本のクラブが入っている。 そのうち一本はハービィ・ペニックだ」と感動的な優勝スピーチで、最大の賛辞を贈った。 

そのハービィ・ペニックのアマチュアに対するレッスンは実のユニークなものだ。 例えばバックスイングの始動に対して、口での説明は一切しない。 口での説明は何とでも言えるし、理解の仕方もまちまちで、本当に理解することは難しいということだ。 そこで彼が取り入れた方法は、水の入ったバケツを持ってきて、水がこぼれないようにバケツを振らすのだ。 バケツを両手に持って体の前に吊るすそのまま右に振ろうとしてもなかなかうまくいかない。 そこで左にほんの少し動かしてバケツを振ると、うまくタイミングが取れて、バケツを振ることができる。 これなら百回の説明より、一回の体験で始動を覚えることができる。

私も始動がわからないという人や、初心者にレッスンする時は、バケツの代わりにボールの入ったカゴを使って体験してもらうようにしている。 確かに口で説明する以上に、手っ取り早く理解してもらえるということを知った。

またハービィ・ペニックはスイングを教えるとき、ウィードカッターという雑草を刈らすことをした。 スパッスパッと小気味よく雑草が刈り取れれば、そのときのタイミング、リズムが、その人に最も適したものだという。 そのタイミングやリズムは、クラブを振るときのものと、まったく一緒であることは言うまでもない。

さらにトム・カイトに教えた方法は、天才的で本能のままにスイングし、コースをまわるベン・クレンショーとは違って、ティーペグを数多く打たすことだった。 一日八時間にも及ぶ練習を平気でこなし、体格、体力それに視力のなさをカバーしてトップの座についたタム・カイト。 ベンのように流れるスイングではなく、どちらかといえばぎこちなく機械的なスイングのトム。 根本的に違う二人だが、ハービィは二人の特性を見抜き、最初からトムにはティーペグだけを打たせたのだ。 そして今では、ティーを打つことでスイングを完成させたのはトム・カイトだとさえ言われている。

このティーを打つだけの練習はアマチュアにとっても、非常に参考になるし、どんどん取り入れるべきだ。 ティーペグ。 日本では練習場のゴムティーだ。 ボールを直接打つと、邪念が入ってくる。 だがティーだけを意識してクラブを意識してクラブを振れば、カマで雑草を刈るのと一緒で雑念は入ってこない。 ここがポイントなのだ。 そしてもうひとつ重要なことは、スイングを覚えるための素振りの練習になるということだ。 

前回、スイングを分解して、潜在意識に植えつけるのがよいと話した。 それを連続して行うとスイングになってくる。 もし時間的な余裕があるなら、直接ボールを打つのは後回しにして、この段階でゴムティーを存分に打つことをお勧めしたい。

ティーを打つ最大のメリットは、ボールを直接しなくなるといることだ。 ボールを意識するがために、邪念が入って、スイングできなくなってしまうのだ。

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CからE ゴムティーだけを打つ練習は、スイングの基礎ともなる最良の素振りをマスターするのに通じる。 瞑想のポイントは、雑念を取り除くために自分の吐く息と吸う息に神経を集中させる。 ゴムティーを打つのは、この吐く息と吸う息に匹敵する。 実際にボールを打つときに、ティーを意識することによって雑念を取り除くことにつながってくる。

 

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