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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

最終回

体の柔軟性を高め、ボディースイングを修得するための素振り

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グリップエンドをおなかに当てての、へそスイング。 下半身を動かさずに、体の回転でクラブを上げると、おなかのあたりが苦しく感じる。 この苦しさがコイル状といわれるもので、飛ばすためのパワーとなる。

素振りを主体としたスイングづくりも、いよいよ今回でフィニッシュです。 スイングの目標は、インパクトでフェースをスクエアに戻してやること。 そのためにはスムーズでよどみなくクラブを最後まで振り抜いてやることです。 この目標を達成するために、もっとも手っ取り早い方法が素振りです。 素振りというのは、スライスを治したりテンプラを治したりする、即効性はありません。 効き目の強い抗生物質ではなく、毎日の健康増進を図る漢方薬的な存在です。 しかも素振りでぎこちないスイングをする人は皆無に近いもの。 それだけ害がなくじっくりと身についてくるというわけです。 だから米国の著名なレッスンプロ、オーリー・アームストロングなどは、ドリルの一つに取り入れて強調し、かつ重視している練習方法でもあるのです。

それでは最後に、体と腕とが一体となったボディースイングを修得するための素振り。 体の柔軟性を高めるための素振り。 最近のスイングの特徴である、下半身を静かに保ったスイングを修得するための素振りを見ていきましょう。

クラブは手で振ることも大切ですが、体と腕とが一体となったスイングこそパワーも生まれ、安定性も増すものです。 これを体に覚え込ますための素振り練習が、へそスイングです。 つまりグリップエンドをおなかに当てての素振りです。 グリップエンドをおなかに当てたままの状態でクラブを上げようとすると今まで手だけで上げていた人には、トップではおなかのあたりが大変苦しく感じるでしょう。 本来、トップ・オブ・スイングというのは、下半身をアドレスの状態に保ったまま上半身をひねるのですから苦しくて当たり前なのです。 手だけでクラブを上げると高く上がりますが、この苦しみは生まれません。 結果は飛ばないし、手や腕に頼ることによりクラブは自由に動き、ボールにうまく当たらないといったことにもなりかねません。 またこの素振りは、クラブを上げる最初の動きをマスターするのにも役立ちます。

次に体の柔軟性を高める素振りです。 素振りというよりむしろストレッチとして考えてください。 その方法は左手首を右手でつかみ、左肩をあごの下まで入るようにします。 クラブを持たずに手首を持っただけで、上体をトップまでひねるのです。 この状態で15秒間静止します。 体が硬く肩の回らない人は意外に多いものです。 ボディースイングをマスターするには、体の柔軟性は欠かすことができません。 とくにお年を召して体が硬くなってきたと感じる人はぜひ実行してください。 できれば右手首を左手で握って、逆にフィニッシュの形をも試みてください。 いつでもどこでもできるストレッチです。 続けることによって体が柔らかくなってくることを実感されるでしょう。

最後は、静かな下半身でスイングバランスを習得するための素振りです。 何も難しいものではなく、両足を揃えてクラブを振るか、片足立ちでクラブを振ってやるのです。 スイングの安定性を高めるには、下半身はできるだけ動き過ぎないこと。 安定した下半身があって初めて上体のひねり戻しができ、クラブを振る軌道も安定してくるのです。 またこの素振り練習は、体重移動のできない人や移動の少ない人、下半身が動き過ぎる人にも効果的なものです。

 

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体が硬く肩の回りの悪い人にお薦めなのが、体の柔軟性を高めるストレッチ。 左手首を右手で握って、下半身は動かさずに両肩が90度くらいまで回るように上体をひねってやる。 トップでは15秒間静止する。 かなりきつく感じるものだ。 クラブを持たなくてもできるので、毎日5セットくらいを消化すると、体はかなり柔らかくなってくる。

体重移動のできない人や、下半身が動き過ぎる人にお薦めの素振り。 片足立ちあるいは両足を揃えてクラブを振ってみよう。 何回も素振りを繰り返した後にボールを打ってみると、その効果のほどが納得できる。

 

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