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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT21

両腕は同じ目的を持っているが動きは違う

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片手に持ったクラブを、腕を伸ばして楽に支えられますか。 そのクラブを横に倒すとどうですか。 利き腕と違う側の腕でクラブを振ってみよう。 最後まで振り切れますか。

左右の腕にクラブを持って素振りをしてみよう

USPGAのコーチ陣も薦める素振りのひとつに、二本のクラブを持ってのものがある。 この素振りから得られる効能は方向性の安定と、より高い正確性にある。

クラブを両手で振ることにはほとんどのゴルファーは慣れている。 が、片手でクラブを振ることには慣れていない。 ところがスイングを細かく分析すると、腕には左右それぞれ分担のあることが分かる。 これを理解せずに、両手でクラブを振ると、右手は左手に左手は右手に頼りやすくなる。 その結果、インパクトでクラブをこねたり、ボールを上から打ちつけたりすることになる。 腕の動きは、右手は右手、左手は左手とそれぞれ独自の動きをしながらも、クラブを走らせたりヘッドをスクエアーに入れたりと、同じ目的で動くことが要求される。 左右の腕の動きの違いをしっかり把握して、両腕が同じ目的で動くようにする。 それを実現させるための方法として、二本のクラブを持っての素振りが有効なのだ。 つまり左右の腕の役目をそれぞれの腕が知っておれば、両手でクラブを振ったとき、お互いに頼りあうことなくコーディネートされた腕の動きができるようになる。 そしてより安定したスイングができるようになるのだ。 プロが練習グリーンでパターを持って、右手だけでボールを打ったり左手だけで打っているのをご覧になったことはあるだろう。 同じ理由で行なっている練習なのだ。

片手スイングで劣化した腕を鍛える

これは余談になるが、女性のなかには片手だけで腕を伸ばしてクラブを持つことができない人は多い。 男性でもクラブを二本持つとかなりきついという人もいる。 ましてやクラブを持って伸ばした腕を、ゆっくり横に倒すとなるとかなりの負担を腕にかける。 利き腕でなら何とかできたとしても、そうでない側の腕ではうまくいかない場合もある。 二本のクラブを持って素振りをするときに、腕を鍛えるという意味で、そんな遊びも付け加えることをお勧めする。

さらに、片手だけでスイングをするのもお勧めだ。 利き腕でなら、何とか振れるとしても、ボールを打つことは難しい。 ましてや利き腕でない側の腕では、ボールはほとんど打てないだろう。 これは腕力という以前に、利き腕に対して運動能力の劣化が大きく左右しているからだ。 クラブは両腕で振ってこそ、また両腕にそれぞれの役目を果たさせてこそ、ナイスショットにつながるものだ。 そのためには劣化した腕を鍛えることは大事なことになる。 だから片手でのスイングをぜひ付け加えて励行してほしい。

今回お話しした素振りは、スイングづくりという観点に立てば決して即効性のあるものではない。 それだけに飽きやすく、すぐに止めてしまいやすいものだ。 しかし抗生物質と漢方薬の違いのように長く続けることによって、その効果は現れる。地道な練習を長く続けることによって、自身の潜在能力にインプットされることになる。 インプットされたものは、いざというときに反射的に現れる。その反射的な動きが正しいものであれば、結果も当然正しいものになってくる。 これが漢方薬的な効果といえるのだ。 素振りにも、今回のような細部を念頭においてのもの、またスイングリズムを覚えるものと多岐にわたるものがある。

 

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インパクトでフェースがスクエアーに入らない人や、こねる癖のある人に絶対のお勧めは素振り。 左腕と手でヘッドがスクエアーに動くようにクラブを振り、右腕と手が動力となるような動きを、それぞれの腕や手に覚え込ます。 クラブはミドルかショートアイアンで好きなものを選ぶ。

 

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