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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT20

素振りスイングこそ時間はかかるが効果は絶大

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クラブを両肩に乗せて、上体を捩る練習を目的とした素振り。

ボールを意識せずに実際に打ってみよう

今回は素振り練習の効果について考えてみよう。

素振りの突出した利点は、ボールがないだけに、スムーズなクラブの振りができることにある。 素振りシングルなどといわれるもので、その素振りシングルを実際の打球で生かせるようにすること。 そして素振りでは実にスムーズにクラブを振っているのに、なぜボールを目の前に置くとできないか。 これを解消することが素振り練習の目的なのだ。 スムーズなクラブの振りとは、クラブを最後まで伸びやかに振ってやることにある。 もしあなたが一度でも、素晴らしい素振りをしているといわれたことがあるなら、ぜひ試してほしいことがある。 それは20回ほど、素晴らしい素振りを繰り返した後に、何も意識せずに、とくに ボールのあることを意識せずに実際にボールを打ってみることだ。 必ずナイスショットの快感を味わうことができるだろう。 これはあなた自身の潜在意識にインプットされた、素晴らしい素振りの感触がアウトプットされたことにほかならない。 素振り練習は、毎日のたゆまぬ努力によって、潜在意識にインプットする作業である。 完全にインプットされれば後は自然に動いてくれる。

下半身と上半身の捩れ差が飛距離アップに効果的

素振りのポイントは、最後までスムーズに振り抜いてやること。 スムーズに振り抜くとは、クラブが振り切れることで、ヘッドを最後まで淀みなく走らせてやることにつながる。 ボールを打つことによってスイングを崩す人は多いが、素振りによってスイングを崩す人は少ないものだ。 自分の素振りに自信がないなら、とにかく最後までクラブを振り抜いてやることだ。 下半身をばたばたさせずに、クラブを振り抜くことができれば、概ね合格点に達していると判断できる。

それでは今回は、上体を最大限ひねる、ショルダークラブと呼ばれる素振りの一つを見てみよう。 ショルダークラブとは直訳どおり、クラブを両肩に乗せて、両手でクラブの両端を持っての素振りのスイングだ。 ジム・マックリーンも言っているように、ボールを遠くに飛ばすには、下半身と上半身の捩れの差が大きいほど、その効果も大きいのだ。 Xファクターと呼ばれるスイングの一つで、Xの交わる箇所を腰と考え、ここを中心に上と下の捩れ差ができたスイングこそ、飛ばすことのできるスイングなのだ。 この形はボールを打ちながらではうまくいかず、難しいスイングと錯覚しやすい。 だから素振りで、その要領を潜在意識にインプットさせるのが手っ取り早い方法なのだ。

クラブを肩に乗せたまま、軽く前傾姿勢をとって構えの態勢を作る。 その構えから、下半身はまったく動かさずに肩を十分に捩じってやる。 肩が十分に捩れると、下半身は肩の動きに伴って、必要なだけの捩れを生み出してくれる。 体の柔軟性に応じて、個人差はあるものの、その人に適した下半身と上半身の捩れ差ができる。 これが飛ばすための原動力の一つとなるのだ。 慣れるまでは、トップではかなりのつらさを感じるものだ。 最初のうちは、トップで15秒くらいはじっと制止状態を保ってやろう。 このドリルのポイントは、下半身をできるだけ固定することによって、体の捩れを生み出してやることだ。

 

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写真1のように下半身、とくに腰を動かさずに肩だけを回すようにすると、上と下との捩れ差が大きくなって、飛ばすためのスイングが完成する。 このままの状態で、慣れるまでは少なくとも15秒くらいはじっと耐えてみる。 写真2,3のように下半身も一緒に回すと、上体との捩れ差が生まれず、肩は深く回っていると錯覚しやすい。 あくまでも下半身は不動を意識することだ。

 

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