「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。
USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」
POINT19
超長尺は「ゆったりとしたリズムでシンプルスイング」が効果的
アドレスでは写真1のように、ほんの少しウエイトを右足にかけ、ヘッドを浮かし気味にセットする。 バックスイングでの腰は回すよりも、腰の右サイドが右ひざの上にくる程度の動きにとどめる。 そして肩の回転だけでゆっくり上げてやれば、体重も右足に乗った写真2のような打てる態勢ができる。
超長尺をドライバー使いこなすためのアドバイスを、ここ数回行なってきた。 今回はその最後のまとめとしてスイング上だれでもできる、ぜひ実行してほしい重要なポイントをお話ししよう。
スイングはあわてず、ゆっくりを心掛けよう
アドレスでの体重は、6対4で右足に乗せるのがよいと説明した。 この比率は厳密なものではないが、構えからトップまでのウエイト配分の一つの目安となる。 バックスイングで右足に体重を乗せるのは、体重をインパクトで体の正面に、フィニッシュでは左足に移動させることによって飛ばすための動力を作ろうというものだ。 ところがスイングを焦ったり打ち急ぐと、どうしてもトップで左足体重になりやすい。 こうなるとスイングでもっとも大切な、スムーズな動きができなくなってしまう。そこでバックスイングでスムーズに体重が右足に乗る方法としてお勧めするのが、ヘッドのソールをぴったり地面に着けるのではなくほんの少し浮かすようにして構えることだ。 するとバックスイングの始動がゆっくりとした慎重なものになって無造作にクラブを上げられなくなってくる。 その結果、バックスイングで重要な肩の回転も十分にでき、体重も右足に乗るようになってくる。途中でシャフトの向きをチェックする
バックスイングの途中でシャフトが地面と平行になったとき、シャフトは飛球線、つまりフットラインと平行になっているだろうか。 これは超長尺ドライバーを正確に振るための重要なチェックポイントとなる。 長尺は長い分、スイング軌道も当然大きくなる。 だからバックスイングの途中でクラブ(シャフト)が内に引かれたり外にでて、平行になっていないとスイング軌道に大きなばらつきがでるようになる。 それだけミート率も悪くなってくる。 そのためにもゆっくりしたバックスイングが必要なのだ。
またトップで、クラブはターゲットラインを横切るような形にはなっていないだろうか。 クラブヘッドが頭の真上か前にでているようなトップ・オブ・スイングになっているかどうかだ。 これもチェックしてほしい。トップでクラブがクロスしていると、ダウンスイングで正常なスイング軌道に戻すのに時間が掛かる。 それ以上にスイングそのものが複雑になってしまうのだ。 超長尺を正確に振るには、ゆったりとしたシンプルな打法こそ最良なのだ。
静かな下半身を意識しよう超長尺には、安定した下半身が不可欠だ。 従来の寸法なら、下半身のリードでヘッドスピードを上げることが要求された。 ところが超長尺はクラブの長さでスピードを上げることが目的となる。 それを下半身のリードで振ろうとすると、長い分インパクトでヘッドの返りが遅れてしまう。 だから長尺の場合、下半身は自然なスイングの中の土台でしかないと認識すること。 表現はおかしいかもしれないが、静かな下半身を心掛けることをお勧めする。 それでも下半身が気になるようなら、体の正面でボールを捕らえることに意識を転換することだ。 そうすると下半身の動き過ぎは抑えられ、人によっては格段のミート率につながってくる。 そして左足に体重の乗った、バランスのとれたフィニッシュがとれるようになる。
クラブが地面と平行にまで上がったとき(写真3)、シャフトは左右のつま先でできたフットラインと平行になっているかどうか(写真4)チェックしよう。 トップでも写真6のように、クラブがターゲットラインをクロスするような格好にはなっていないだろうか。 写真5のように、平行かむしろ少し後方に上がっているほうが、シンプルな打法になってくる。 |
下半身はスイングの土台でしかない。 動きの少ない静かな下半身こそ、スムーズな体重移動を可能にし、バランスのとれたフィニッシュへと導いてくれる(写真8)。 インパクトは写真7のように、体の正面でボールをとらえるというイメージをもつのがよい。 |