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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT17

長尺クラブを使いこなすにはアドレスに一工夫ほしい

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長尺を使いこなすには、安定した下半身が要求される。 そのためには体重移動ができる範囲内でのワイドスタンスがお勧めだ。 グリップは体から離して、腕とシャフトができるだけ一直線になるように構える。 構えでの体重配分は右足6に対して左足4。 バックスイングでは、体重をしっかり右足に乗せるようにすることだ。

44インチが打てれば、超長尺は使いこなせる

48インチと聞いただけで振れそうにないという人がいる。 それではあなたは今、何インチのドライバーをお使いですかと聞くと、44インチと答える。 今やドライバーは、44インチから45インチくらいが標準の寸法になってきた。 44インチが振れる人ならほんの少し工夫するだけで47や48インチの超長尺も使いこなせると断言できる。 しかし44インチが使えないという人は、はっきり言って使えない。 スイングのタイプがスインガーだから使えるとか、叩きにいくから使えないといった分類以上に、44インチが使えるかどうかが超長尺を使えるかどうかの分岐点となる。 

というのは、パーシモンのころは、42.5から43インチが主流だった。 メタルが登場して、ヘッド素材に一大変革が起き、定着するまでにかなりの時間がかかった。 長さに対しても同じで、半インチ長くするにも長期間を必要とした。 それがメタルが定着し、比重の軽いチタンが普及。 シャフトも軽量化が進み、長くても振れるドライバーが出現する。 そして半インチずつでも長くなったクラブを振るようになってきた。 その結果、スイングそのものが長さに慣れてきたのだ。 最初はシャープに振るハードヒッタータイプであっても、長尺を振るにはそれでは振れないことが分かって、スイングが徐々に変わっていった。 つまり自分自身のスイングの変遷で、長くても振れることが理解できるようになり、超長尺へと一気に加速しだしたのだ。

超長尺が使えるようになるとアイアンの軌道も安定する

長尺が飛ぶことは分かっていても、ドライバーだけを長尺化することに不安を持つ人は多い。 ましてや太グリップに違和感を示す人もいる。 ところが長尺を完全に使いこなせるようになると、普通サイズのアイアンでも、スイング軌道が安定するという副産物が得られるようになる。

長尺ドライバーを使いこなすに当たってスイング上最も大切なことは、いかにバランスを保ちながらスムーズに大きく振り抜くかにある。 そのためのチェックポイントは、トップオブスイングとフィニッシュでの体勢にある。 トップで体重が右足に乗り、フィニッシュでは左足に乗る。 これができないと、スイング軌道のばらつきは大きくなる。 具体的には次回にお話しするが、長尺を振ってまっすぐに飛ぶようになれば、バランスのとれた自分なりのリズムが身についたことになる。 結果、アイアンのリズムも格段によくなってくるものなのだ。 長尺とアイアンの寸法に疑問を抱く前に、長尺を使いこなすことに全力投球してほしい。 長尺の愛用者、片山晋呉、江連忠両プロも使用アイアンは普通サイズだ。 長尺のドライバーであっても、普通のアイアンであってもスイングそのものに変わりはない。 ただ、ボールとの距離とかバックスイングの大きさといった違いはあるが、それほど気にする必要はない。 太いグリップにしても、長くて大きなヘッドのドライバーを支えるには太さが必要で、短ければ細くてもかまわないと考えれば納得できないだろうか。 ただ太グリップに慣れると、そのメリットが分かるようになり、アイアンも太くしたくなるのは確かなのだ。

 

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ワイドスタンスの上限は肩幅。 両足を開いて、両足の内側にすっぽり納まるくらいの幅が、ワイドスタンスの目安。 体重移動のできない体の硬い人には、ワイドスタンスは勧められない。 自分でスムーズな体重移動ができる最大限の幅を模索することだ。

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前回も言ったが、ボールをセットする位置は左足かかと線上より、ボール1個分左に出してティーを少し高くする。 クラブが長くなった分、ヘッドの返りが遅くなることを想定しての処置だ。

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体とグリップの間隔は通常、握りこぶし一個か一個半離して、ハンドダウン気味に構える(右)。 長尺は伸ばした手のひらくらいの間隔をとって、グリップを上げたハンドアップ気味にする(左)。 インパクトでは右手が伸びて、シャフトと腕はほぼ一直線になっているもの。 ハンドダウンにすると、グリップとシャフトの間に角度ができる。 クラブが短いと、インパクトではこの角度がほどけて一直線になりやすい。 が、長尺だとほどける誤差が大きくなって、ミート率を悪くする。 それを防ぐために、最初から一直線にして構えるのだ。

 

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