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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT15

飛ばすためにはヘッドスピード。ヘッドスピードをアップさせる効果的な素振りはこれ。

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クラブを逆さまに持って右手一本、左手一本そして両手をセットとして、音の出る位置と音の種類を確認しながら素振りを繰り返す。

とにかく飛ばしたい。 これだけは枯れたゴルフを身上とするプレーヤーであっても、心のうちにはくすぶり続ける欲望の一つでもある。 飛ばすための原動力。 それはヘッドスピードにある。 物理学的にも体験的にも、大きくかかわっているということは先刻ご存知であろう。 そのために長尺のドライバーが重宝される時代になってきた。 ところがせっかくの長尺であっても、長いがゆえにうまく振り抜けない。 結果として逆にスピードが鈍くなったという人もいる。 そこでクラブに頼る前に、どうすればスピードを速める打ち方ができるのか。 今回はこれをテーマに、素振りによってヘッドスピードを速める効果的な練習を学んでいこう。

鋭く乾いた音が、スピードの乗ったときの音なのだ。

まず最初に知ってほしいことは、飛ばしたければ「音を聞け」ということ。 ヘッドが走ったかどうか、つまりヘッドが速度を伴って速く振れたかどうかは、クラブを振ったときに出る音が教えてくれる。スイング中にヘッドが風を切って出している音を聞きとることなのだ。 

レッスンや書物でよくいわれることに、スイング中はクラブヘッドの重さを感じろなどというのがある。 これは実に抽象的で、余程の上級者でないと分かるものではない。 ところがヘッドの出す音なら、どこでどんな音がしているかはだれにでも分かり、少し慣れれば理解できるものだ。 だがこれも、実際にボールを打ちながら確認しようとすると、意識がボールに集中して音まで聞きとる余裕がなくなってしまう。 そこで素振り練習によって、自分のスイングはどこで音を出しているかを把握しておく必要がある。 と同時に、素振りによってヘッドを速く振ることのできるスイングをマスターすることが、多少時間はかかるかも知れないが、飛ばすための近道になるといえるのだ。 

さてその音だが、目の前を高速で走り抜ける車の音は鋭く乾いた音が出ているもの。 ところがトロトロ走る車は、鈍くて重い感じのするものだ。 これと同じで、スピードの乗ったヘッドが出す音は、鋭く乾いた音がする。 飛ばないスイングが出すヘッドの音は、鈍くて重い。

ヘッドの走ったときは、左サイドで鋭い音がする。

それでは音を聞く最初の練習だ。 通常のボールを置いた位置ではなく、地上50センチくらいにあるボールを打つつもりで、クラブを逆さに持ちゴルフスイングをしてみよう。 何も考えずにヘッドの出す音だけに集中し、どこでどんな音がしているかだけを聞きとるようにする。 インパクト直前からフォローにかけての左サイドでするか、それともインパクト前の右サイドでしているか。 その音は鋭いか、鈍いかということだ。

ヘッドの走ったときは左サイドで鋭い音が、走っていないと右で鈍い音になる。 左サイドで鋭い音がするようなら、右手一本で、また左手一本で同じように音が出るかを確認する。 どちらでもできるようなら、普通にクラブを握って、実際のボールの位置でそのスイングを習得することに努めればよい。 右サイドでしか音が出ないというのなら、チェックすることはグリップの握り加減。 クラブを握る力加減を変えて、鋭い音の出る握り加減を自分なりに知ることだ。 柔らかく握ることによって、コックも自然に使えヘッドも走るようになってくる。

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この付近から少し前あたりで、シャープで乾いた音が出るときは、ヘッドスピードも最速になっている。 グリップの握りが強く、コックが早くほどけるとヘッドは走らず、右サイドで鈍い音がする。 飛ばないという人の最も典型的な例だ(左写真)。 それに比べて右写真のように、インパクト直前までコックが保たれているとヘッドは走る。 ヘッドが走ると、無理をしなくても最後まで振り抜ける。 ヘッドスピードを速める練習。 その一つがクラブを逆さまに持っての素振り。 ポイントはクラブを柔らかく握ってコックを生かし、インパクト直前に鋭い音が出るようにすることだ。

 

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