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「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。

USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」

POINT13

素振りで覚えるスイングのコツ

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ボールを意識することなくクラブを振れる素振りは、雑念も入らずにスムーズなスイングができる。 これを潜在意識にインプットすれば、実際のスイングでアウトプットできる。

スイングのコツを覚える。 一朝一夕にいくものではない。 毎日の地道な努力を繰り返すことこそが、習得の早道なのだ。 その地道な努力とは、おもしろさはそれほど感じないが着実に力のつく素振り練習。 西洋医学の患部を治療する方法よりも、体全体に安らぎをもたらす東洋医学のそれに似ている。 素振りの効力については、アメリカのティーチングプロたちも、ドリルの一つとして取り入れているほど確かなものだ。 

ゴルフスイングの究極とは、いかにヘッドを素早く走らせ、インパクトでフェース面をスクエアに入れてやることができるかにある。 それを可能にするには、淀みのないスムーズなスイングで、ヘッドを最後まで振り抜いてやることに尽きる。 この動作はビギナーであっても、それほど困難を極めずにできるものだ。 なぜなら多くのビギナーでも少し教わればスムーズな素振りをする人は多いのだから。 

皆さんの中にも素振りシングルとか、素振り美人なんて声をかけられた人はいないだろうか。 また素振りならうまく振り抜けるのに、実際のスイングでは振り抜けないという人はいないだろうか。 素振りと実際のスイング。 この間に何が介在し、実際のスイングとなると、なぜ素振りと同じようにできないのだろうか。 この格差はビギナーほど大きく、上級者ほど少ない。 原因はひょっとすれば、この辺にあるのかもしれない。

 上級者とハンディキャップの高い人との違い。 それはアドレスに入って構えたときの意識の違いにはっきりと現れる。 上級者の意識はこの時点で、自分がボールを運ぼうとするターゲットに向けられる。 ところがハイハンディの人は、ボールに意識が向けられる。 ボールを意識すると、うまく当たるだろうか、まっすぐに飛ぶだろうかといった雑念が、知らず知らずのうちに意識の中に入ってくる。 これが自分の本来のスイングに、手枷足かせをかけることになる。 その結果、力みという、スムーズなスイングを阻止する要因を生みだす。 ところが素振りだと、打つべきボールは目の前にない。 それだけボールを意識することなく、クラブを振り切り、振り抜くことができる。 アドレスに入って意識することは、ターゲットであってボールではないということなのだ。 

そして素振りの効力。 これから数回にわたって、素振りを主体とした飛ばしの方法や安定した方向性を得るための方法をお話しするが、今回は素振りの効力についてだ。 素振りというと、中には、自分が勝手に行っている素振りが果たして正しい素振りなのかどうか分からないという人もいる。 だがこれは、はっきりいって取り越し苦労に過ぎない。 というのは、練習場で実際にボールを数多く打って、スイングをだめにする人は多い。 いくら打ってもうまくいかないものだから、スイングをいじくりまわして深みに陥ってしまうのだ。 しかし、素振りでスイングをだめにする人は少ない。 素振りのポイントは、クラブを最後までスムーズに振り抜いてやること。 スムーズに振り抜くとは、クラブが振り切れるということで、ヘッドを最後まで淀みなく走らせてやるということにつながってくる。 これがスイングの目的をも完遂する。 さらに素振りで培ったスイングは、実際のスイングにフィードバックされる。 これが素振りの最大の利点でもあるのだ。

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スイングのバランスを習得するための片足素振り。 スイングプレーンを覚えるための、クラブをつなぎあわせた素振り。 スイングの始動を学ぶための、へそスイング。 左右の腕をコーディネートさせるための、2本クラブスイング。

素振りといっても、ただ単にクラブを振るものから、自分の欠点を矯正するものと、いろんな素振りがある。

 

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