「タイガー・ウッズのティーチングプロ、ブッチ・ハーモンはじめピーター・コスティス、デビット・レッドベターなどプロを教えるプロや心理学の権威であるボブ・ルーテロ博士など、ツアープロをサポートするあらゆる分野の専門家と親交のあるJPGAインストラクターの大東将啓プロ(東香里ゴルフセンター)。
USPGAティーチング&コーチングサミットなどで、彼らとの長年の親交から学びとったゴルフのエキス。 それらを技術偏重ではなく広範囲な視点から語ってもらった。 考え方、レッスンの受け方、技術書の読み方。 なるほどと納得するものがあるはずだ。 目から鱗が落ちて、新たな進歩が期待できる。」
POINT10
スポンジを踏んだり挟むことで飛距離を伸ばす
上半身のひねり戻しがスムーズにでき、そのパワーの最大のものをインパクトで受け止めるには、体と一体となった両脇が必要となる。 両脇が体と一体になるには、少なくとも両脇が閉まっていないとそうならない(写真@A)。 クラブの下りてくるパワーをインパクトで正確に受け止めることができれば、結果として体重は左に乗ってくる(写真B)。
自分の持てる最大限のパワーをボールにぶつける。 しかもフェースをボールに直角にあてがってやる必要がある。 小さなボールに小さなフェースを正確に当てなければならない。 こう考えると、大変むつかしい動作に思えてくる。 だが、実際に真っすぐにしかも自分の最大限の飛距離を得ようとすれば、これは欠かすことのできない動作なのだ。
プロのスイングを見ればインパクト以降体重は左足に完全に乗って、見事なまでの体重移動ができている。 ロングヒッターの中には勢い余ってその反動で、フィニッシュでは逆に右足に戻ってしまう人もいる。 しかもインパクトでは両脇がきっちりしまってボールを捕らえ、頭もボールより前には出ていない。 見るからにすべての体重がボールに注ぎ込まれているように感じられるものだ。 正確に遠くへ飛ばすには、欠くことのできないポーズといえるだろう。
その人の持てる最大限のパワーをボールにぶつけることができれば、結果として体重のすべてが左に移動してくるものなのだ。 また上体のひねり戻しのパワーのすべてをボールに伝えようとすれば、インパクトで両脇がしまっていなければならない。 そうでないとパワーは逃げてしまう。 ところがアマチュアの多くはスムーズな体重移動ができないとか、インパクトで左脇が開いてしまうといったことによって飛距離がでないと嘆いている。 しかもいくらそのことを指摘されても、治らないというのが現実のようだ。
そこで今回は、スムーズな体重移動ができるように、またきちっと両脇のしまったインパクトができるようにといったことをテーマに、市販されているスポンジを使って、体で体得してみよう。 体重移動ができなかったり脇が開くには、それなりの原因が必ず存在する。 その多くはひとつ前の動作、例えばインパクト前のダウンスイングで力みが入ったり、下半身が必要以上に動いたりするといったものだ。 だからといって、いくらそのことを指摘され、自分で注意しても治らないものはなかなか治らない。 それなら原因の糾明は後回しにして、理にかなった体重移動の方法、インパクトの形を小道具を使って体に覚え込まし潜在意識にインプットする。 そのほうが矯正に役立ち効果も絶大だ。
体重移動をスムーズに行うには、下半身、とくにひざをやわらかく使う必要がある。 それを体で知るには、両足にスポンジを踏んでスイングすることだ。 ちょうどスプリングの上に乗ってクラブを振るようなもので、右から左、左からへの体重移動を伴ったリズム感をつかむことができる。 写真のように左足だけでスポンジを踏んでも、フォローからフィニッシュにかけての体重移動が体感できる。 | |
インパクトで左脇が開くことを防止するとともに、左脇閉めを体感するには、最初からスポンジを脇に挟んでスイングすることだ。 スポンジに限らず、ヘッドカバーを挟んでもかまわない。 左脇が開いたインパクトでは、挟んだものが落下してしまう。 | |
スポンジを右肩と耳で挟むことによって、インパクトでのビハインザボールの感覚を体感する。 頭がボールより前にでたり動いたりすると、インパクトでは、スポンジは落ちてしまう。 |