POINT21
各ポジションを潜在意識にプログラム
各ポジションの動きを、ストップモーションで潜在意識にプログラミングする。(写真@〜F) 1日60回、3週間でプログラミングできる
人間は生まれながらにして機械学的な動きを持っているわけではない。歩いたり走ったりすることができるのは、繰り返しによって、潜在意識にプログラムさせたからに外ならない。スイングもこれと同じで、正しいスイングを潜在意識にプログラムされてこそ、正確にしかも飛ばすことが可能になる。
プログラムさせるときに重要なことは、静止状態をつくるか、スローモーションで動きを反復させることである。動きが速すぎるとプログラミングは難しい。練習場でいくら球を打っても上達しないのはそのためだし、毎回、ショットが違うというのもそのためだ。ボールを打つことはできるが、正しいスイングがプログラムされていないためにナイスショットが続かないことになってしまう。
同じポジションを繰り返し繰り返し体に覚え込ますことによって、各ポジションが自然にできるようになる。これこそが潜在意識へのプログラミングということだ。後は、その各ポジションをつなぎ合わせて、ひとつの動きにすればよいわけだ。
さてそこで、自分の潜在意識に各ポジションをインプットさせるにはどうするかということが、大きなポイントになってくる。
ある科学者によると、それぞれの位置で静止した状態をつくることを1日60回繰り返し、それを21日間続ければ、潜在意識の中にプログラムされるという。そこでパーフェクト・ナチュラル・スイングを各ポジションごとに分解してみる。
すると8つのポジションに分けることができる。これを各ポジション、60回繰り返す。費やす時間は、1日に20分から30分だ。これならそれほど手間暇はかからないし、だれだってインプットすることはできる。ただ、それだけの根気があるかないか。これが問題となる。ゴルフが本当に上手になりたいと思うなら、少なくともこれくらいの根気は必要なのだ。
さらに注意すべきことは、この期間中はボールを打ってはいけない。頭と体がスイングという動きを覚え込むまでに、ボールを打つと、打つという快感に体が負けて、各ポジションがプログラミングできなくなってしまう。
各ポジションを正確に把握する
それでは潜在意識にプログラムさせるための、具体的な8つのポジションだ。
@クラブはハンマーを握る要領で柔らかく握り、広めのスタンスで、左腕とシャフトが一直線になるようなアドレスをつくる。
A体重を右脚に並行移動させる。軸やひねりは意識せず、頭は動いてもかまわないが、手と腕が別々に動いたり、体重移動する前に動いてはいけない。右ひざ不動のまま、左ひざをスライドさせる。左足のヒールアップはしない。
B右手の親指側を折るようにコックさせてクラブを上げる。左手首もつられるように親指側が折れてくる。クラブはスイング平面上をなぞるように上げる。両腕ともロールさせては成らない。
C右手を右肩の高さまで上げる。ここがトップオブスイングだ。両足ともベタ足で、体重は右脚に乗っている。ここでの注意点は、右ひざが右脚より外にはみ出さないこと。
D左ひざをアドレスの位置に戻す要領で、体重を左脚に並行移動させる。このとき上体の左への回転があってはならない。グリップの位置は上体を故意に動かさなくても自然に降りてくるし、コックも保たれたまま。つまりこの時点では、上体の動きは皆無といってよい。それでも右ひじは脇腹近くまで降りてくる。
Eスイング平面上で、右腕を下に伸ばす。これによってコックがほどけ、インパクトとなる。右足かかとは地面につけたままで、体重は左脚に乗り、腰は正面を向いた状態になっている。
Fインパクト後も、体重移動は続けられる。両脚は完全に伸びている。手首の返しなどは意識しない。
Gフィニッシュは自然に納まったところでよい。
これらの動作を、わずか3週間でいい。我慢して続けてほしい。潜在意識にプログラムされるはずだ。スイングという動作に入れば、各ポジションは一瞬のもの。細かな動きは考えずに、クラブを振ってやればそれでよい。潜在意識に組み込まれた各ポジションを信じて、リズミカルにクラブを振ることができれば、答えは自然にでてくるものだ。