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●スローモーションドリル 2本のクラブを持ち、スローモーションでスイングする。 |
アドレスからフィニッシュまでは1.5秒から2秒以内で行われる。トップからインパクトまでは0.5秒もない。インパクトは10万分の4から5秒と言われている。 従ってスイングの動作を頭で考えながら出来るものではない。頭で体の動きを考えながらスイングを行えば、ぎこちないものとなる。連続の打球ドリルで行ったように、何も考えずに自然と体が反応することが理想となる。しかしその為には、基本的なゴルフスイングの基礎を体に覚えこませることが必要となる。基本動作の練習だ。これはゴルフだけに限ったことではない。野球やテニスなどでも基本の動きを身に付けるために、素振りなどの反復練習を行う。何回も同じ動きをすることで、体の潜在意識まで落とし込む。丁度お箸を使いなれる様に、あるいは毛筆になれるために練習を重ねてきたごとく、体の動きを考えることがないところまで、使いなれるのだ。 そうは言っても最初は、動作を確認しながら行う必要がある。その時に効果的なのがスローモーションドリルだ。通常の3倍から5倍の時間をかけてスイングをスローモーションで行う。ゆっくり行うから体感を通じてフードバックを得ながら体の動きを確認できる。クラブを2本重ねて持てば、より鮮明な体感が得られる。ゴルフスイングは、日常にない動きをするので、ゆっくりと体の感触を確かめながら行うスローモーションスイングが効果的だ。 またスイングの悪い癖を直したり新しい動きを習得する上でも、有効な練習となる。ゴルフスイングを変えるにあたっては、実際のスイングをしながら行うことは容易ではない。しかもそれがダウンスイング以降の動作であればなおのことだ。プロでもトップの位置を2センチ変えるために大変な労力を費やす。スローモーションで何回も体感しながらフィードバックを通じて確認をし、自分の体に染み込ませる作業が有効となる。 |
大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)
(続)