一人でやれるコンペ必勝法第56


●色々グリップドリル

クロスハンド、10フィンガー、スプリットグリップ、
親指と人差し指だけ等でスイング。

色々なグリップを練習することによりフィーリングを体感する。
ボールの飛び方にも影響することを知る。
グリッププレッシャー(握りの強さ)も調整する。

ゴルフのグリップほど独特でややこしい握り方はない。最も一般的なオーバーラッピンググリップは、今から百年ほど前にハリー・バードンがたまたま手の怪我を補うために見出したものだ。それまではほとんどのプレーヤーが、ベースボールグリップをしていた。そこで偶然に登場したバードングリップ=オーバーラッピングは、今までより両手の一体感が出やすいものだった。さらには、右手の平が左手の親指を包み込むことでヒッコリーシャフト以上の太さをだし、握りを安定することができた。

考えてみれば、野球バットやテニスラケットは、ゴルフクラブに比べて太いグリップをしている。元来、右手の平は、ゴルフグリップ以上の太さを欲していたのだ。だからこそ左手の親指をグリップ上に伸ばしてシャフト+αの太さを出している。このゴルフグリップを習得し自分のものとしてしっくりとするまでにはかなりの時間がかかる。また一端慣れたグリップの握りを変えるのも容易いものではない。

日頃から色々なグリップを試してみて、それによって出るボールの球筋をチェックする。ゴルフスイングを変えるよりも握りを変えるほうが簡単であるから。スライス打ちのゴルファーが、グリップを変えることなく、スイングを変えてフックを打つことは難しい。しかしグリップををフックにしたり、あるいは両手の感覚をあけるスプリットグリップにすることにより同じスイングでも球筋を変えることが出来る。

まず左手の握りを3ナックルないし4ナックルグリップ(フックグリップ)にしてみよう。スイングを変えなくてもそれだけでボールの飛び方が違ってくることに驚くであろう。第2ステップはスプレットグリップ。両手の感覚をあけることにより、フェースの回転が助けられフックボールが打ちやすくなる。クラブフェースがオープンに入りスライスを打つゴルファーにとってみれば、スイングを変えることなくボールの飛びを変えることは、「目から鱗が落ちる」といった体験であろう。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)