一人でやれるコンペ必勝法第55


●黙とうスイングドリル

目をつぶったままでスイング。
フィーリングを大切に出来る。
体の動きに敏感になれる
調整のないスイングで自分の癖を知る。

ゴルフスイングを覚えるにあたり、最初は「物まね」から入るであろう。ゴルフにかぎらずどんなスポーツでもそうであるように、新しい動作を習得する場合は手本やモデルを参考にする。

すなわち視覚からの情報がメインとなる。習った先生のスイングに生徒が似るのはその為だ。しかし自分のスイングは当然ながら見ることは出来ない。ビデオに映った自分のスイングを見て、最初は信じがたいと言われるゴルファーがいる。これは、日頃から自分のスイングの形に意識を向けていないからである。ちょうど鏡を見ないで化粧をしているようなものである。自分以外の人には自分の姿を見せているのにもかかわらず、自分が自分の姿やスイングに無頓着なのには、いただけない。その意味で鏡や、ビデオカメラ等を使って定期的に自分のスイングをチェックすることをお勧めする。

体の動きに敏感に意識を向ける意味で、黙とうスイングが効果的だ。目を閉じた状態でスイングしてみよう。バランスを保った状態でスイングをし、フィニッシュでストップする。スイングの体感をフィードバックとして、特に自分の課題に取り組めばスイング修正もよりスムーズに行うことができる。目を閉じれば、視覚からの情報が入ってこない分だけ、体からのフィードバックに対して敏感になれる。

練習場のゴムティーに合わせてドライバーを構え、目を閉じて素振りを行う。クラブヘッドがゴムティーを捕らえて「パチン」と音がすればOK。目を閉じたままでも、毎回毎回クラブヘッドが同じ軌道を描くように、ゴルフスイングを習慣化し自分の物とする。そして実際にボールを打ってみる。その時のボールの飛び方が、本来の自分の持球である。手先で調整することなく、目を閉じてスムーズにスイングした時の球筋を大切にしよう。自然とスイングしてスライスするのにもかかわらず、スイングを調整してフックを打とうとしてスランプに陥るゴルファーは意外と多いものだ。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)