一人でやれるコンペ必勝法第51話


●クラブスイングドリル 両手のコーディネーションを養う。

両手に別々にクラブを1本づつ持ちスイングする。
左右の腕力や握力の均等化を図る。
スムーズなスイング形成に役立つ。

アイアンクラブを2本持ち素振りをする練習は、一般的によくされている。これは野球のバッターが、ネックストバッターズサークルに入って鉄製のバットを振るようなものだ。実際のバットよりも重い鉄製のバットを振ることで、バットを持ったときに振り抜きが良くなる。ゴルフにおいても2本のゴルフクラブを振ることで実際のスイングの予行演習がてきる。

あるいは練習用の重いクラブも発売されており、スイング形成のトレーニングに役立っている。今回の2クラブスイングは、2本のクラブを使う点では上記の練習と同じであるが、練習方法がまったく違う。まず両手に1本づつ別々にクラブを持つ。そして左右の手は離れているのであるが、あたかも一つのスイングのように同時に振るのだ。左右の腕のがバラバラにならないように、普通のスイングと同じように素振りすることを目標とする。最初は左右の握力や腕力の違いで、右手と左手の描くスイングが一定にならないであろう。特に利き腕でない方の腕のスイングがままならない場合が多い。女性の場合は片手でスイングする腕力が備わっていないこともあるからだ。

しかし普通のスイングをするのであっても、ゴルフクラブ1本を片手でスイングするくらいの腕力は欲しい。その意味でも弱い腕のトレーニングにもなる。

更に練習で習得できるのは、普通にスイングしている時には気付かない各腕の動きと、働き方の再認識である。双方の手が離れていることにより、相互の腕の助け合いが利かず、各々が独自に動く必要があるから。それに加えて、左右の手と腕の動きの調和(ハーモニー)が養われる。ゴルフスイングでは、左右の手のバランスが、調和して働くことが重要となる。なぜなら片方の手が勝ちすぎてしまうミスショットが意外と多いから。両手を離して別々にスイングする2クラブスイングで、そのミスショットを少なくすることができる。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)