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●小道具を多用しよう(その10) ”(バケツ)”
「ゆったり」した |
水が半分入ったバケツを持ってスイングしてみよう。あるいはボールが入っている練習場のかごでも良い。当然フルスイングをするわけではない。ハーフスイング、特にスイングの始動の練習なのだ。ゴルフで難しいのがスイングの始動。静の状態から動に移るにあったってなんらかのきっかけが必要となる。だからゴルフのスイングでフォーワードプレスが出てきたのであろう。グリップを少し前に出すことをスイングのきっかけとするのがフォーワードプレースだ。クラブを後ろに上げるために、一度前にグリップを持ってくることは、非効率かもしれないが動きのきっかけとしては効果的なのだ。
ベン・クレンショーやトム・カイト等多くの選手を育てたハービー・ペニックゴルフスクールでは、スイングの始動のためにこの練習を取り入れている。すなわちボールの一杯入ったカゴをアドレスの状態から左右にぶらぶらと振り子のようにスイングする。スムーズに同じ軌道で、ボールがカゴからこぼれないようにしてスイングするのだ。多くのプレーヤはあわててバックスイングしている。クラブが軽いのと体を捩ることを怠っているためだ。しかし理想的なトップスイングを形成するためには、ゆっくりとした始動が必要となる。なにか重たいものを動かすときのスロースタートのように。ボール入ったカゴでバックスイングの始動を練習した後にクラブに持ち替えてゴルフスイングしてみると、ゆっくりとしたバックスイングが可能となる。スイングのリズムが悪いスランプの時などは、この方法を試してみることだ。まずボールかごで何回となくスイングの始動を練習した後に、クラブに持ち替えてショットをする。不思議とタイミングがゆったりとするものだ。 |
大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)
(続)