一人でやれるコンペ必勝法第34話

●小道具を多用しよう(その8) ”(テニスラケット)”

 お箸の先に意識を集中するようにフェースの向きを意識するためのテニスラケット

お箸を使って食事をするときに、どこに神経を集中させるであろうか。

 箸を握っている指の動きだろうか。腕の動かし方だろうか。それともお箸の先で挟む食べ物だろうか。当然今まさにお箸を使って取ろうとしている食べ物に対して意識は集中しているはずだ。そこに意識を集中することにより、結果として指や体が自然と動いてくれる。食べ物を口に運ぶのに、指や体の動きを考えながら行うことはない。

  ゴルフの場合も実は同じことが言える。本来の意識はボールをヒットするクラブフェースにあるべきだ。しかしグリップや体の動きなどに気を取られているゴルファーは意外と多い。正しい動きの習慣を付ける為の練習としては必要だが、実践の場においては違うはずだ。反対に体の動きに注意をはらい過ぎるために、肝心のクラブヘッドに意識が集中していないことがある。ゴルフスイングで大切なことは、クラブヘッドを一定の軌道の中でスムーズにそしてスピードを上げて振ることだ。その為の体の動きなのにもかかわらず、「最初に形ありき」で体の動きを作ろうとすることに無理がある。お箸の握り方を気にしすぎて、食べ物に意識が向いていないようなものだ。従ってクラブヘッド、特にフェースの向きに意識を集中させる意味で、テニスラケットが使える道具となる。クラブフェースの面だけを大きくして練習道具として作っても良い。要するに不断はグリップから先にある小さいクラブフェースを大きくすることにより、集中しやすくしているのだ。こうすることによりクラブフェースがスイング中どこを向いているのかが明確になる。インパクトの時に最大のヘッドスピードとスクエアーなクラブフェースが得られるよう、テニスラケットをスイングしてみよう。テニスラケットの面がスイング中どこを向いているかをチェックしながら行えば、クラブフェースの向きへの意識の集中力が高まる。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)