一人でやれるコンペ必勝法第 三十話


●コインの上にボールを置く ”ダフリ”をなくす”


100円玉がおすすめ
ミスすれば飛んでゆくプレッシャー

 ポケットの中にはいつも小銭が入っている。ゴルファーにとっての小銭の使い方は、グリーンでのボールマークだけではない。有名な例では、世界一のボールストライカー(ボールを打つことに関してはだれも右に出るものがいなかった)であるモー・ノーマンが小さい時からバックスイングでクラブヘッドを低く真っ直ぐに引くためにコインを置いて目印とした。ボールから約50センチ後ろの、ターゲットラインより少し内側にコインを置いて、その上をクラブヘッドが通過するようにバックスイングしたのだと言う。

 バックスイングの軌道の目印に使う以外でもコインの用途は色々ある。以前パッティングの時にコインの上にボールを置き、ストロークをした後に残ったコインの裏表を確認する練習を紹介した。これはすぐにボールの行方を追うのではなく、打った後も目線を残すことにより安定したストロークを修得するためのものだった。

 今回はコインの上にボールを置いて通常のショットを行う。練習場でアイアンマットの上にコインを置き、歩の上にボールを置いてアイアンやフェアウエーウッドでショットを行うのだ。これはクリーンにボールを捕らえる練習として最適だ。昔は土打席の練習場があり、アイアンショットを土から直接打つことによりミスショットとナイスショットの違いが一目瞭然であった。しかしマットの上からであれば、多少ダフって入ってもクラブヘッドが滑り、ナイスショットと見分けがつきにくい。そこでボールの下にコインを置くことにより手前から入れば、コインも一緒に飛んでいってしまう。

 自分にプレッシャーをかけ、集中力を高めるための練習としては、百円玉を使うことをお勧めする。ミスショット(ダフり)をすれば100円が飛んでいくのだから失敗は許されない。これを修得すれば、クロスバンカーからの脱出するショットに使うことが出来る。すなわち少しのダフりも許されず、クリーンに打たなければいけないショットであるから。


大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)