一人でやれるコンペ必勝法第十九話

柔軟性を高め飛距離アップ   座った状態で上半身だけでトップを作る

クワイエットな下半身を意識

 腰と肩の回転差(ねじれ)がパワーを産む。「歳をとって飛距離が落ちた」と嘆いているゴルファーは多い。しかし実際には体が硬くなったために、バックスイングでのトップが浅くなることによる場合が多い。体の柔軟性が少なくなり、肩が十分に回らなければ結果としてヘッドスピードが落ちる。体の回転を使ったフィニッシュまで十分に振り切れないからだ。

 柔軟性を高める運動で効果的なのは、壁に背を向けて状態のままで上半身を水平に回転し、両手の平で壁をタッチしてみよう。最低でも自分の両足の上まで両手が来なければ、体が硬い人の部類だ。毎日15分のストレッチをお勧めする。ストレッチは反動をつけずに、少し痛みのともなうところで15秒以上静止する。座った状態で上半身だけでトップの形を15秒取るのも効果的だ。毎日続けると少しずつ自分の体が柔らかくなるのが解かるだろう。

 バックスイングの肩の回転を強調しすぎ、腰も回転する人が少なくない。肩を90度回転しようとして、腰も同じように回転してしまえば、パワーの源になるねじれが生まれない。座った状態で上半身だけでトップを作るのは、体の柔軟性を高めるのとゴルフスイングのパワーの源であるねじれを覚えるのに良い。通常のスイングにおいてもトップで右足の親指がしっかりと地面を押さえ、右足打ち太ももが張っていることを確認しよう。その状態で肩が90度回れば、柔軟性で合格点だ。その状態で、腰の回転は45度までに押さえたい。スポンジの上をねじっても下の部分がしっかりと固定していなければ意味がないのと同じこと。「クワイエットな下半身」(下半身がより安定していること)が最近のゴルフスイングの流れである。スイング中に腰を回す意識を持たず、「どっしり」と安定感のある下半身を試みよう。結果としてねじれのパワーを利用でき、飛距離がアップし同時に安定度が増すショットが可能となる。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)