一人でやれるコンペ必勝法第十六話

パッティングの科学  ”カップを50センチオーバーする速さ”

カップにふたをして
パター半分の長さで
止める練習を

「ネバーアップ、ネバーイン」カップの手前で止まったボールはいくらラインが合っていたとしてもカップインしないのは当然だ。それでは一番カップインしやすいスピードは? グリーンの速さにもよるが、実験では17インチ(50センチ弱)カップをオーバーするスピードが一番カップインの確立が高いとの実験結果が出ている。グリーン面は芝目やスパイクマーク等があり完璧ではない。しかもカップまわりのは、プレーヤーによって踏みつけられる為に直径約1.5メートルのドーナツ状で凹んだ状態になっている。すなわちカップの回りは盛りあがっているために、弱いボールはカップ直前で曲がることがある。しかもカップインぎりぎりのスピードでは、スパイクマークや芝目の影響も受けやすい。反対に強すぎるボールは、カップに蹴られることが多い。「カップの向こう側に当てるつもりで強気でパッティングをする」と言われるが、ラインを狂いなくストロークできる人以外は疑問である。目安としては、カップを外れた時のボールがパターの半分の距離で止まるのが良い。カップにふたをしてパターをし、ボールがパター半分の長さで止まる練習をしてみよう。結果として一番カップインの確立が高い、理想的なスピードのパットとなる。

 次に上りと下りの距離感が合いにくいプレーヤは意外と多い。これには、原因がある。上りでも下りでも、プレーヤーは、重力に対して垂直にスタンスを取る。従って上りの場合、目の位置からカップまでがボールからカップよりも近くになる。

 反対に下りの場合は、実際の距離よりも目の位置が遠くに来る。ただでさえ下りで速いのに、実際よりも距離が長く見えるので打ちすぎてしまうことが初心者の場合は多い。上りは反対に、実際よりも短く見えるのでショートすることが多い。まず原理を知ること。そして仮想のカップを上りのラインであれば遠くに、下りであれば手前に、自分の頭の中でイメージすることだ。

大東将啓(日本プロゴルフ協会A級インストラクター)

(続)