ジョー・ティール:インターナショナルゴルフアカデミー

 

10年ぶりに訪れました。

シアトルから南に車で約1時間にあるオリンピア。

閑静な住宅が並び、ワシントン州の州都でもあります。

ミズノゴルフアカデミーのヘッドをしているジョー・ティール氏。

USPGAのマスタープロの資格を持っています。

3万人近いPGAメンバーの中でマスタープロは800人弱。

全米からの生徒だけでなく、不動裕理、飯島茜、鬼沢信子などの多くの日本人プロもサポートしてきました。

敬虔なクリスチャンで親日家でもあります。

小生、いろいろと勉強をさせて頂きました。

 

 

 

まずは、インタビューから始まりました。

 

Sさんとのファーストセッションは、インタビューから始まりました。

通訳は、高橋紀子さん。

ジョーのところで22年アシスタントとしてサポートされています。

自らもUSLPGAのティーチングプロの資格を取得されました。

「ゴルフの目標は?」とジョーが質問します。

「ドライバーの飛距離UPと95ぐらいのスコアで回りたいです」。

それに対して、

1.      ドライバーが飛ばなくて95のスコア

2.    ドライバーが飛んで、100以上のスコア

どちらが良いですか?の質問をされました。

すこし考えた後のSさんの「BOTH(どちらも)」の答えには、大笑いしました。

 

 

 

アプローチショットを見せてください.

 

「まずは、ご自身のアプローチショットを見せてください」

いつもの打ち方で、どのように打っているかを観察します.

通常の打ち方で通常のライで.

「次はバンカー越えの時のショットを見せてください」

いろいろな状況でのショットを観察します.

まずは問題点を探す作業です.

初診での問診と検査は、ティーチングにとって欠かせないものです.  

 

   

すくい上げる癖があります

 

通常のアプローチショットでは、見られない動きが、

バンカー越えのショットになったとたんに表れました。

すくい上げる気持ちがフィニッシュに出ています。

ボールを上げるのは、フェースのロフトの仕事です。

無理やり、スイングで上げる動作は厳禁なのです。

 

 

    

ヒザの動きを覚えましょう

 

アプローチで大切なヒザの動きです。

ボールを上げたい気持ちが出れば、右肩が下がります。

同時にヒザが折れてしまいます。

ボールの手前を叩く(ダブリ)は、そのためです。

あるいは、手前を叩いたあとボールの上に当たればトップとなります。

本来のヒザの動きは、右が左によります。

重要なのは、左がしっかりと伸びることです。

これは、アプローチだけでなく、全てのショットでの動きです。

世界のプロの動きにも見られます。

 

 

    

下半身のトレーニング

 

ヒザの正しい動きのレッスンを受けました。

その動きが通常に出来る為には、下半身のトレーニングが必要となります。

インパクトでは、ターゲットサイドの足に体重を乗せていきます。

その負荷は、全体重の3倍程度と言われています。

ヒザが弱く、がくがくしていれば、支えることが出来ません。

スクワット状態で我慢して、上半身を動かします。

かなりキツイですが、太股(大腿四頭筋とハムストリング)が鍛えられます。

 

 

    

フェースの向きは3段階

 

フェースの向きは3段階あります。

通常のショットでは、スクエアに構えます。

すなわちリーデングエッジを目標に向けるのです。

少し上げたい時は、フェースの向きを少し開きます。

トウが時計の1時を指すぐらいです。

ボールが、心持ち高く飛び出し、ランも少なくなります。

バンカー越えでピンがすぐ手前にある時は、さらに開きます。

2時を指すように、約60度オープンにします。

スタンスもオープンにすることで、アウトサイドインの軌道となります。

ふわっとボールがあがります。

いわゆるロブショットとなります。

 

 

インドアトレーニング施設

 

シアトルにある、インターナショナルゴルフアカデミー.

日本から一番近いアメリカ本土です.

ネットのない400ヤードの練習場や、アプローチ施設があります.

インドアトレーニング施設も揃っています.

詳しくは、下記のアドレスをご覧下さい.

http://www.seattleinternationalgolfacademy.com/

日本からのゴルフ留学をお考えの方は、ご連絡をお待ちしています.

ohigashi@apricot.ocn.ne.jp 

 

 

 

3人で記念写真

 

いつも天真爛漫なSさん。

小生のレッスンでは飽き足らず(笑)

60歳を契機に心機一転、ゴルフ留学を決意されました。

英会話レッスンと、ジョーのレッスンを2週間受講されます。

ジョーのところには、高橋紀子さんという強い味方がいます。

しかし、移動は自分自身で、レンタカーを運転されます。

日曜日には、キリスト教会に出向き、早速友達を作られました。

積極的な行動に改めて敬意を表します。

 

 

  

関西ゴルフ練習場連盟の感謝状

 

ジョーの事務所にかかっていた感謝状。

「貴殿に於かれましては此の度の阪神淡路大震災の発生に際して

当連盟会員の為に遠く米国に於いて義援の募金活動を行ってくださり

多大なるご厚志を賜りました

ここにその芳情に対し感謝の意を表します

平成7年5月22日

関西ゴルフ練習場連盟

理事長 橘 昭久」

今回の東日本大震災に関してもいち早く、ねぎらいをかけてもらいました。

 

 

 

室内パッティング場

 

室内全体がパッティング練習場となっています.

カップがきられていて、理想的なスピードです.

パッティンで重要なのは、体とフェースの向きです.

自分では、真っ直ぐに立っているつもりでも、

実際には右を向いている場合が多いのです.

通常のパッティングマットは、細長いので、自然とアドレスしやすいのです.

このように、全体がグリーンだと、いつもの癖が出てきます.

自分自身の癖を見る意味でも良い練習グリーンです.

 

 

 

恒藤さんにジョーからメッセージ。

 

 

「恒さん、お久しぶりです。お元気でしょうか?

マサは、恒さんなしで来ました。

今度、是非、大阪でお会いしましょう。

小野雅子さんもご一緒にどうぞ、マサのおごりで!」

 

 

 

シカゴからの生徒

 

ジョー・ティールの元には、全米からレッスンを受講に来られます。

レッスンは、基本的にマンツーマン。

当日も、シカゴから、学生ゴルファーが来ていました。

ゴルフ部所属で、アンダーでラウンドしています。

レッスン後の復習では、ナイスショットを連発していました。

日本からのSさんとも一緒にラウンドされるとのことです。

腕は段違いですが、「大阪オバサン」パワーに圧倒されるかも?

 

 

 

アメリカ・オリンピアでの2週間                   鹿村陽子

 

1 これ何?の連続

  関空から約11時間の太平洋横断後、510日午前1150分にシアトル・タコマ空港到着(時計を逆廻りする時差)した。

ボ〜とした頭で荷物を受け取ると、出迎えの高橋紀子さんが駆けつけてくださった。

早速ボーイング社の見学ツアーに紀子さんの車で20分程走ると、そこには大阪城公園程の広さの敷地でどこかの飛行場かと間違う程の規模の工場があった。

全ての持ち物は預けさせられて、格納庫の前までバスで行くと各航空会社のマークをお尻やお腹につけた未完成の飛行機がきれいに並んでいる。

頭が働いてない上に英語の説明で余計わからないけれど、働いている人の様子が面白い。

全くの普段着で大きな工具箱とそれぞれの持ち場とコンピュ−ターとの間をゆったりとマイペースで働いている。 

2時間の工場見学ツアーの後、いよいよオリンピアに向けて1時間弱位のドライブ。

途中のハイウエイ(時速60マイル、約97キロ)から見る景色が全く素晴らしい。

片側5.6車線、両側ほぼ10車線の広さのハイウエイの向こうの夕陽の中に白い富士山そっくりのレーニエ山が浮かび、両サイドにはカナダの森林と見間違う様な大樹が連なる。

アメリカの国立公園に囲まれた廻りの雄大な風景を眺めていると「これは日本にはない景色やわー」と車の中で大きな声で紀子さんと話した。

そして予約しておいたキッチン付きの部屋のあるホテルに無事到着。

翌朝、レンタカーを借りて紀子さんの後に続き、ジョーのゴルフ練習場に20分程走る。

突然、牧場の中に放り込まれたような広い芝生の上で皆がそれぞれ勝手にボールを向こうの芝生に向かって打っている所に出た。

練習場の直ぐ横のジョーのオフィスには各種ゴルフ練習機やいろいろな写真が貼ってあり中には若いタイガーとジョーの写真もある。

そこで一番驚いたのが、お手洗いの水を流す時の注意として 水の流れが止まるのを必ず確かめることと、止まらない時には重い陶器のシンクの上ふたをはずして 中の弁を調節してくださいって言われたこと。

練習場の他のトイレにも全て同じことをしないといけないのでますます驚いてしまった。

とにかく芝生が余りに広いので驚いていると、隣の若い男の子が簡単に200ヤード位向こうに向けて何度も鋭く振っている。ジョーの練習生らしいが、自分がとても場違いな存在に思えてきた。

とりあえずにっこり笑って愛想よく挨拶したら、やさしく親切な感じで笑って答えてくれたので 少し元気が出てエーイと100ヤードをドタンバタンと振り始めた。

紀子さんは「はい、お昼まで適当に練習して!」って言うとオフィスに行ってしまった。

その午後、車で10分程の直ぐ近くのゴルフ場に連れって行ってもらった。

「誰と廻ってもいいよね」って紀子さんがエントリーすると、可愛いいけれどすごく体の大きな女子高生3人と一緒のラウンドすることに決まり(高校のゴルフ部で来週ゴルフ大会があるから為の練習ラウンドらしい)ビビリながらドライバー振ったらちゃんとOB

そしたら一人除いて皆OB!彼女たちはヘッドスピードはあるけれど、なかなかまっ直ぐに飛ばないのがだんだんわかってきて落ち着いてきた。

でもスタイルと美貌は15.6歳にはとても見えない。

紀子さんは私に帰り道を教えると、「じゃ−頑張って」帰ってしまった。

夕方6時頃にプレイが終わると、突然に大雨が降り始めた。

レンタカーだし 左ハンドルだし 前方は大雨で見えないし、散々道に迷いながら途中で何度もショッピングセンターに入り カスタマーサービスに駆け込み帰り道を尋ねながら、何とかホテルに着いて横になったら倒れこんだ。

持ってきたインスタントのご飯とレトルトのカレーを食べたら一息。

 何これ? 練習場で勝手に練習して ゴルフ場でもドでかいアメリカ人の中に放り投げられるのかって唖然としてしまった。

 

2 やっぱり凄い

 

 英語のスー先生(ほぼ同年齢の白人女性)のレッスンが始まった。

湖の畔にある 旧軽井沢の別荘地にそっくりのそれは美しい自宅でのレッスンだった。

但し 自宅に行く為にはホテルから高速道路を走って約1時間かかる。初めての行き帰りは紀子さんの車の後をついていけたが、2回目からは一人でしないといけない。

やはり次の日に高速の途中の分岐点で間違えてしまい、次の出口で降りて分岐点まで戻り汗だくでスーの自宅に到着した。

こうなったら、今までの日本での経験と拙い英語力と度胸で何とかするしかないと別荘地の素晴らしい景色に慰められながら自分を励ます以外なかった。

自宅の隅々まで案内してくれ、湖の信じられない美しい景色を眺めながらのレッスンはここに来ればこそ受けられる位の高い見識とレベルだった。

オバマ大統領の生い立ちを書いた小学校高学年向けのテキスト(前もって希望しておいた)を使っての丁寧なレッスンは今まで日本で受けたことのない進め方の英語のレッスンだった。

 

3 大丈夫、何とかなるわ

 

 1週間が過ぎて、いよいよジョー先生のレッスンが始まった。

さすがに本物のレッスンでした。

ここでは説明するよりもとりあえずポイントだけ書き連ねます。

そして、ここでは紀子さんが横でつきっきりで同時通訳してくださった。

私の質問も直ぐにその場で英語でジョーに尋ねてくれてジョーから答えをもらえたのはすごいの一言。

 

アプローチ時の スタンス 体重 方向 

 

1             スタンス時は左足体重だが、体はほとんどまっすぐ

2             グリップエンドは左太ももの上

3             体重は 右の親指のつけねから左の外側の土ふまずの方向へ移動

4             移動後に体はしっかりと立ち続けることが出来る

5             アイアンのフェースの向きは1から3まであるが、グリップは改めて構え直す

6             左腕の延長上にシャフトがある

 

右腰から左腰までの中に全てがある    

しっかりとヒットする為にもっと早くスピード出して振る  

そして左腰でストップ 

胸の向きは方向に向い、左腕とシャフトは延長上に

足の送りは 振りきった後、左足は立つ(左膝が伸びあがる位)右足は寄る 

フィニッシュはナインティナイン

左腕の曲がり角度は90度と90 

3回の汗だくのレッスンの後、ジョーのところにシカゴからレッスンを受けに来ている大学1年の韓国系の女子学生(州の大会で優秀な成績治めた)と廻ることになった。

しっかりとスタンスに時間をとり、必ずフェアウェイをとらえる落ちついたプレイを見るだけで自分がいかに落ち着きなくゴルフをしているかを反省させられた。

彼女を見ながら、私はジョーの指導の賜物のショットが時には出ることもあり 静かに感動しながら18ホールのプレイを終わった。

  いい年でアメリカに来てまでレッスンを受けに来て頑張ったお陰で“日本に帰ってもこんなショットを出すまで頑張ろう!大丈夫”って納得できたのが今回の宝物です。

本物のレッスンを本場の環境の中で受けられたきっかけは、大東プロとの何気ない会話の中から生まれました。

ありがとうございました。