GOLF&GOLF 連載

大東将啓博士プロの「ゴルフホームドクター」!

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大山 志保 プロのスイング

1994年の日本女子アマ優勝をはじめ9799年日本女子アママッチ、99年日本女子学生のアマチュアのなど合計20冠のアマタイトルをとっている。2000年にプロ入りしてから獲得賞金が0186位、0229位、03年のベルーナレディースカップの初優勝で8位と一気にブレイクした。一昨年は、優勝がなく、13位であったが、昨年は2勝し約84百万円を稼いで、不動裕理、宮里藍プロに続き3位になった。今年はフジサンケイ、サロンパスワールドにて既に2勝を上げて、目下獲得賞金のトップを走っている。昨年末、稼いだ賞金で、父に車をプレゼントした。個人タクシーの運転手をしているお父さんは、14年ぶりの新車に大変喜んだそうだ。

大山プロのシャフトの面は、アドレスとインパクトで見事に一致している(緑と青のシャフトのライン)。これは、インパクトゾーンで上半身が伸び上がらずにグリップが、身体に近いところをキープしているからだ。ただ、ダウンスイングでクラブヘッドがインサイドから降りて来る(赤丸)、いわゆる“寝た状態“になっている傾向がある。オンプレーンに近付けば更なる飛躍に繋がるのではないだろうか?!

「効果的な練習ドリル29」

2ボールドリル

 (効用:インパクトでのスクエアーなパッティングフェースをチェックすることが出来る)

パッティングでインパクト時にフェースがスクウェアになっているかどうか、チェック出来るのが、この2ボール。

瞬間接着剤でボールをくっ付けて、それを使ってパッティング練習をする。

フェースがオープンであれば、2ボールが右に回転して転がる。反対にクローズであれば、左に蛇行する。パッティングフェースがスクエアーな時だけ、真っ直ぐボール転がる一目瞭然のドリルである。 

ペットボドルドリル

(効用:安定したパッティングストロークが構築できる)

ペットボトルを使って、いろいろなパッティング練習が出来る。

フェースの間隔にペットボトルを置いて、安定したストローク練習をする。

1ヤードのパッティングトラックを使えば、ボールの方向性がバツグンに安定する。

空のペットボトルをカップに見立てて、パッティング練習をする。ボールが当たって、ペットボトルが倒れるぐらいが丁度良い。

藤田 幸希 プロのスイング

先日のプロミスレディースで初優勝を飾った藤田幸希。最終日最終組の初体験の中、残り2ホールで2ストロークの差を追いつきプレーオフに持ち込んだ。ツアー通算3勝の古閑美保を相手に18番ホールを連続バーディーで優勝を勝ち取り、勝負強さを見せつけた。宮里藍、横峯さくらと同い年で、前週のさくらの優勝に「次は私の番」と誓って、そのとおりの結果を出した。「お父さんとお母さんの子供に生まれて幸せです」と涙の優勝インタビューには、小生も貰い泣きをしてしまった。

グリップを柔らかく握り、ゴルフクラブをムチのように使ったスイングが特徴。バックスイングでは、クラブヘッドがインサイド(黄線)に入り、トップでターゲットラインをクロスする(赤線)。いわゆる遠回りをするバックスイング軌道となっている。一転して、ダウンスイングからグリップが体の近く(緑丸)を通り、スイングプレーンがスクエアな軌道に戻っている。特にフォロースルーにかけてのクラブヘッドの返り方(青丸)は、手首の柔らかさから来るスナップの効いた素晴らしさがある。藤田プロのアドバンテージである飛距離の源が見てとれる。

「効果的な練習ドリル28」

バランスボールスイング

     (効用:手先や腕中心にスイングしがちなゴルファーに対して、体全体を使ってスイングする動きを覚える)

バランスボールを両手に挟んだ状態でゴルフスイングを行う。クラブを握ると手先中心のゴルフスイングになりがちなゴルファーも、上半身の回転が入った理想的な体の動きが出来るようになる。

毎日3分、この素振りをすれば、ゴルフスイングの回転運動を習得する事ができる。

片足スクワット

(効用:股関節のストレッチ、バランス感覚、足腰のトレーニング効果が同時に得られる)

片足をバランスボールの上に置いた状態で、両腕を伸ばしたまま片足スクワットを行う。左右10回ずつを合計3セット。上半身を地面と垂直に保ったままで行えば、背筋のトレーニングにもなる。

横バランス

(効用:側面のバランス感覚を養う)

横腹をバランスボールに付けた状態で、両手を伸ばし、片足を地面から上げる。

15秒間、静止する。毎日3セット行えば側腹筋のトレーニングと日頃あまり使わない、側面のバランス感覚を養うことが出来る。

ポーラー・クリーマー プロのスイング

アメリカゴルフ界の希望の星ポーラ・クリーマー。アニカ・ソレンスタムやカリー・ウェブや韓国勢の外国人が活躍する中で、彗星のごとく現れた。昨年のプロ入り後、最年少優勝記録(18歳9ヶ月)を樹立し、最年少で100万ドルを突破した若手スターである。日本のゴルフ界を一手に担っている宮里藍プロ以上の存在だ。「ピンクパンサー」のニックネームのように、ピンクが好きで、ウエアー、キャディーバック、ボールに至るまでピンク色に揃えている。

「日本が大好き」と言うように、今までに3回来日して2回の優勝と3位と、成績が物語っている。

インパクトで頭が沈みこむ特徴があるゴルフスイングである。アドレスの上半身の前傾角度と頭の位置を、ブルーの直線と緑の円で示した。同じものをインパクトの写真に持ってくれば、上半身の前傾角度が深まり、頭の位置が一個分沈み込んでいることが分かる。アドレスよりもインパクト時の上半身の前傾角度が浅く(伸び上がりながら)なっているゴルファーが多い中で特出するプレーヤーである。しかし、シャフトの角度は、アドレスとインパクトで見事に一致している(黄色の直線)。これは、アドレス時に折れているヒザが、インパクトで伸びて、懐に余裕が出来るからなしえるワザである。

この複雑なコンビネーションをなしえるのも若い運動能力の賜物なのかもしれない。一般プレーヤーに真似しづらい体の動きである

「効果的な練習ドリル27」

背伸ばしドリル

     (効用:老化が一番早く表れる背骨のストレッチをする事で上半身の軸を意識する事が可能となる)

バランスボールを使って背中を伸ばし行く。まず両手にバランスボールを持ち、そのまま仰け反っていく。限界の少し前の位置で15秒ストップ。前屈と合わせて5セットをすると良い(上の写真)。

バランスボールの上で仰向けの状態になり(下の写真)背中を伸ばすのも同じ効果が得られる。

腹ばいバランスボール

(効用:お腹を下に向けたバランス感覚を養うことでスイングバランスに応用する事が出来る。)

腹ばいの状態から両手を伸ばして、片足を地面につける。

バランスを保って15秒間、我慢する。

慣れてくれば、両手、両足を地面から離して、バランスを保つ。

何秒、我慢できるかを測定してみよう。

 知姫 プロのスイング

今期9戦目のヴァーナルレディースで優勝を飾った李知姫プロ。16番ホールから3連続ボーディーで締めくくり、2位に6打差の初日からの完全優勝で強さを見せつけた。今期既に2勝をあげ、通算8勝。春先から快調なゴルフで「日本の賞金女王を目指す」と宣言した。6年間賞金女王を続けている不動裕理を阻む、最右翼である。

スイングの特徴は、オンプレーンのスイング軌道。アドレスとインパクトでのシャフトの角度が全く同じ位置には驚かされる(緑色の斜線)。殆んどのプレーヤーがハンドアップしてインパクトを向かえるのだが、李知姫プロのグリップの位置はアドレスとインパクトで、同じ高さをキープしている。ニック・プライスをはじめ、ショットメーカーのプロが、このようにシャフトプレーンが一致している。すなわちインパクト周辺でグリップが体から近い位置を通っているからこそ可能となる。これはダウンスイングだけではなく、両腕が体と一体となってバックスイングしていることから始まっている動きに関係している(青丸)。パーオン率2(20064月時)は、オンプレーンのスイングから安定したショットが生まれている証拠である

「効果的な練習ドリル26」

ヒザ抱えドリル

  (効用:直立して膝を抱え込むことにより、バランストレーニングと同時に太股のストレッチをおこなうことが出来る。同時に片足立ちしている足を鍛える効果もある)

片足立ちをして膝を両手で抱える。最初は下の写真のように真っ直ぐと立つ事が難しい。お腹と背中がくっ付くような感覚を持ちながら体幹を意識することで、一直線で立てるようになる(上の写真)

慣れてくれば、太股を体に近づけていき、足が高い位置にする。30秒、左右で1セットを毎日3セットを目標にしましょう。

平衡感覚ドリル

 (効用:足首を持ち上げながら反対の手を前に伸ばす。平衡感覚を養うと同時に足腰のトレーニングとなる。ひざ抱えドリル同様に、バランス感覚を養い、体幹とストレッチトレーニングの3つを同時に行う効果バツグンのドリルである)

 最初は平衡感覚がなく、上半身の前傾姿勢が取れ難い(下の写真)。

慣れてくれば、ヒザの位置が高くなり、同時に前傾姿勢も取れるようになる(上の写真)。

片足立ちしている足も真っ直ぐに伸ばした状態で、30秒、左右を1セットとして、毎日3セットを目標にしましょう。