第96回全米プロ選手権大会

今年も全米プロに行ってまいりました。

ケンタッキ州ルイビル空港から約半時間に位置するVALHLLA G.C.。 

2000年にも全米プロが開催され、その時はタイガー・ウッズが優勝しています。 

2008年にはライダーカップの舞台となった名門クラブです。 

ちなみにキャディーフィーを含めたビジター料金は、400ドル。 

もちろん会員同伴のプレーに限られているとのことです。 

エクスクルーシブな舞台で、とんでもないドラマがうまれました。

 

 

ローリー・マキロイは違った!?

マキロイは、異次元でした! 

若干25歳、今年の全英オープンで3度目のメジャー優勝を果たしたローリー。 

正確で飛距離が出るドライバーを駆使してリンクスをねじ伏せました。 

平均飛距離が328.7ヤードのランク1位。 

続くWGCブリヂストンインビテーション、そして全米プロと3連勝のダントツの強さだ。 

ブリヂストンでの平均飛距離は、317.7ヤード。

全米プロは、315.6ヤードと共にランク1位です。 

全米プロの予選ラウンドは、バッバ・ワトソンと同じペアリングでした。 

175センチのマキロイと191センチのワトソン。 驚いたことに、マキュロイがオーバードライブしていました。 

両腕が最後まで伸びたフィニッシュまでいっきに振り抜く切れ切れショット。 

目の前で見れば見るほど、驚くほどのショットが放たれます。 

「今まで以上にコアトレーニングを重視してきた」と言っているように、トレーニング効果が出ているのでしょう。

 

 

25万人のギャラリーが来場するメジャー!

全米プロゴルフ選手権には、25万人が観戦に訪れます。

195ドル(9700)46000枚のチケットが売り切れとなります。 

日本プロゴルフ選手権の10倍以上の観客数です。 

チケット売り上げ総額で言えば50倍の違いとなるでしょう。

同じプロゴルフトーナメントでありながら、どうしてこんな違いがあるのでしょうか?

「チケットをもらったからトーナメントを見に行く」

「女子プロのほうが自分のプレーに参考になる」と日本人観客はコメントしますが、

アメリカでは、筋書きの無いドラマであるゴルフトーナメントを観に来るのです。

したがってゴルフをしない観客も少なくないのです。

 

  

ケンタッキー州・ルイビル空港

シカゴ・オヘヤ空港から約2時間のフライトでルイビル空港に着きます。 

バーボンウイスキーの醸造と野球バット製造で有名な街です。 

ケンタッキフライドチキンやピザハットなどを経営するヤム・ブランズの本社もあります。 

空港では「LOUISVILL WELCOMES the96th PGA CHAMPIONSHIP」と特大の掲示が出迎えてくれました。 

またケンタッキーダービーで有名なチャーチルダウンズ競馬場もあります。

 

 

    

プレスセンター特設テント

ホテルチェックイン後に、早速会場のバルハラGCにむかいました。 

サマータイムの為に8時過ぎまで明るいのです。 

ひときわ目立つ全米プロのプレス特設テント。 その大きさも半端ではないです。 

全米各地だけでなく、世界29カ国から報道関係者が集まります。 

前年に引き続き「GOLF&GOLF」でクレデンシャル申請をして頂きました。 

テントの中でレジストレーションを行い、顔写真入のIDと腕章を貰いました。 

個人用のロッカーとデスクも名前入りで完備されています。 

巨大テントの横には「MEDIA DINING」があり、期間中の食事が用意されています。

 

 

    

早速、練習場に行きました。


トーナメント二日前、火曜日の練習日夕刻。

日が陰っているまで練習していたのは、エドアルド・モリナリ。 

イタリアを代表するプロゴルファーで、2009年には初来日でダンロップフェニックスに優勝しています。 

モリナリには、ショーン・フォーリーが付きっ切りでレッスンしていました。 

私が、マスターズや全米オープンを取材させて頂いてた時、デビット・レッドベターが一日中ドライビングレンジでレッスンをしていた頃でした。 

今では、タイガー・ウッズをはじめ、ジャスティン・ローズ、ショーン・オヘア、ハンター・メイハンを見ているフォーリーの時代でしょう。 

アドレスから左足側に体重をかけて体重移動を行わないレッスンをしています。

   

 

 

グリーン周りに巨大ファンが設置

ベントグリーンの強敵は、真夏の暑さです。

真夏に開催されるメジャートーナメントで、グリーンの速さと硬さを出す為には、芝生にとって負担が少なくないです。 

強い日差しと猛暑から、少しでも芝生の負担を和らげる為に、グリーンサイドには、巨大ファンが設置してあります。 

メジャー仕様のコース作りのために巨額の費用がつぎ込まれましたが、大会中の豪雨で、とってもグリーンはやわらかくなりました。 

マザーネイチャー(大自然)には、かなわないのです。

 

 

 

思い思いに観戦

メジャーには、練習日から多くのギャラリーが駆けつけます。 

カメラや携帯電話を使って撮影がOKなのです。 

選手も気楽にサインに応じてくれます。 

お気に入りのスポットに一日中陣取り観戦を楽しむ観客も少なくありません。 

木陰で昼寝するギャラリーも。

とにかく思い思いに観戦を楽しんでいます。

 

 

 

巨大マーチャンダイズテント

バルハラゴルフクラブ内にひときわ目立つ巨大マーチャンダイズテント。 

38000スクエアフィートと言うから、千坪を越える広さです。 

ラルフローレン、アンダーアーマー、ナイキなど47ブランドが、今年の全米プロゴルフロゴ入りの400000アイテムを取り揃えています。 

70000のゴルフキャップ、40000のゴルフシャツ、20000のTシャツ、 12000のタオルを販売しており、40のキャッシャーレジスターが有り、 

このテント内だけで、6000人のボランティアが担当しているとのことです。

 

 

 

練習日から多くの観客が訪れています。

練習日から多くのギャラリーが駆けつけています。 

入場料は、月曜日が25ドル、火曜日が30ドル、水曜日が35ドルとなっています。 

本戦がスタートする木曜日からの1日95ドルに比べて安く設定されています。

練習グリーンと練習場周りには、お気に入りのプレーヤーの姿を求めて多くのギャラリーであふれています。 

練習場とグリーンでは、色々な練習風景を観察することができます。

 

 

 

PGAテント

全米プロゴルフ選手権は、米プロゴルフ協会の主催競技です。 

日本プロゴルフ協会員であれば、無料でチケットをゲットできます。

自分だけのチケットだけでなく、同伴者のチケットも無料となります。 

売り切れのプラチナチケットが無料で手に入れることが出来るのですから、PGA会員の特権と言ってもいいでしょう。 

その上、PGAメンバーと同伴者の専用テントも設置してあるのです。

冷暖房完備のテント内の大型テレビでトーナメントを見ることが出来ます。 

隣接の特設トイレは、冷暖房完備の高級仕様になっています。 

至れりつくせりなので、プロゴルフ協会員には、お勧めのスポットです。

 

 

 

タイガーとフォーリー

予選落ちに終わったタイガー・ウッズ。

やはり手術後の状態が思わしくないのでしょうか? 

2010年夏からティーチングプロのショーン・フォーリーと契約しました。

体重移動を少なくして左膝の負担の少ないスイング改造に取り組んで来ました。 

2012年「アーノルドパーマー・インビテーショナル」で3シーズンぶりの復活勝利。 

同年は3勝を挙げて通算74勝目に到達し、通算勝利数でジャック・ニクラスを抜き歴代2位となりました。 

2013年は5勝を挙げ、4年ぶりとなる賞金王奪還を遂げ、完全復活とおもわれました。 

しかし前週のブリヂストン招待で3月の手術箇所と違う腰の痛みで途中棄権。 

今回の全米プロは欠場が噂される中での強行出場でしたが、ミスが多く、復活どころか凋落ぶりを印象づけてしまいました。

 

 

 

ボランティアと来年の再会を誓う

トーナメントに欠かせないボランティアスタッフ。 

3500人のボランティアがトーナメントを支えています。 

驚くことに、無料奉仕でなく、約200ドルを支払っているとのことです。 

「シャツと帽子と期間内出入りできるチケットをもらえるから、安いもんだよ!」と笑顔で答えていました。 

来年の開催は、ウスコンシン州の「Whistling Straits Golf Course」です。 

「来年もボランティアするから再会しようぜ!!」と約束されました。

 

 

棚一杯の帽子

棚一杯にキャップが並べられています。

各メーカーに2014年全米プロゴルフロゴが付いた70000のキャップがあります。 

個人の名前を刺繍するコーナーもあり、ショップ内の一番アイテムです。 

キャップだけで、約2億円の売り上げになるから凄い!

阪神タイガーズの帽子をかぶって試合観戦に行く感覚なのでしょう!? 

ギャラリーの多くが、今年のキャップをかぶって観戦していました。

 

巨大スクリーンで和む

会場内には巨大スクリーンがあります。

THIS IS MAJOR」と映し出しているように、とっても鮮明な画面です。 

チェアーでリラックスしながら臨場感あふれる観戦が楽しめます。 

このように和める環境があちらこちらに点在しています。 

スポンサーテントやホスピタリティーテントなどもその一環でしょう。 

ただトーナメントを観戦するだけでなく人々が集い会話を楽しむのです。

メジャー会場でのミーティングも行われています。

 行きの飛行機では私の隣の席が、倉本昌弘PGA会長でした。

 

 

  

シーズン最後のメジャー

4大メジャーは、4月のマスターズから始まります。 

聖球と言われたボビー・ジョーンズがスタートした招待試合です。 

毎年、オーガスタナショナルゴルフクラブで開催されます。 

6月の全米オープンは、USGAの主催競技。 

深いラフと硬いグリーンに象徴されるように、もっとも過酷なコース設定と言われています。 

7月の全英オープンは今年で143回の、世界最古のトーナメント。

スコットランドのリンクスコースで開催されます。 8月の全米プロは、PGAの主催競技。

プロゴルファー世界一を決める大会です。 

以上の4つが男子ゴルフトーナメントの4大メジャーと言われ、 4つのメジャーを全てを制覇することを「グランドスラム」と呼ばれています。 

ジーン・サラゼン、ベン・ホーガン、ゲーリー・プレーヤー、ジャック・ニクラス、タイガー・ウッズの6人が達成しています。

 

 

   

アイランドグリーンの13番

池が浮島のグリーンを取り囲む13番は、バルハラGCの名物ホールです。 

グリーン奥には滝がながれ、周りの花々はその美しさを更に演出しています。 

350ヤードのなだらかな打ち降ろしホールでは、ほとんどのプレーヤーがアイアンでティーショットを打ちます。 

練習ラウンドで、マキロイは試合を想定してティーショットをアイアンで打ちました。 

すると「ロリー。ヒット、ドライバー(ドライバーで打ってよ)」と言う声が観客から上がりました。 

応えたマキロイが、ドライバーを握った瞬間に大歓声が起こりました。 

そして見事に350㍎先のグリーンにティーショットを放ったのです。 

憎いばかりのファンサービスは、まさに圧巻でした。

 

 

 

ぞろぞろ遠路歩いてくる観客

朝早くから観客が訪れます。 

なんたって1週間で25万人のギャラリーが訪れます。 

250台のシャトルバスが、ギャラリー駐車場とゴルフ場をピストン運転します。 

早朝6時半からゲートがしまった後の半時間後まで運行しています。

ギャラリーは、チケット身に付けています。 

ゴルフ場の周りでは、「NEED TICKETS」と看板があがっています。

売り切れのチケットを求めてのものでしょう!? 

ゲート前にはダフ屋がチケットの売買を求めて、声がけをしていました。

 

    

ホスピタリティーは抜群! 

「おもてなし」は、日本だけではありません。

訪れたレストランで、他の美味しい店を紹介してもらいました。

 懇切丁寧に地図を書いて説明してくれました。 

レストランのスタッフが同業者を紹介するのは、快くないはずであろう。

嫌な顔一つせずに、「Enjoy the rest of your stay」と。

街をあげて「全米プロ」を応援している雰囲気が見て取られました。

 

 

 

テーブルにも「PGA」ロゴ

ゴルフ場内のフードコート。 テーブルにも、「PGA」ロゴが付いています。 

やはり定番は、ホッドドック(8.00)です。 値段もかなりのものですが、サイズもビッグです。

中に入っているソーセージは、大きなバナナほど。 サイズは何でも大きいのが定番です。

ステーキレストランでは、600グラムが一人前。 とっても一人では食べられない分量です。

 

 

 

コースマップ看板が、あちこちに設置

コースマップの看板が、あちこちに設置されています。 

広大な敷地にレイアウトされた18ホール。7458ヤード、パー71. 500ヤードを越えるパー4が2ホールあります。

コースの周りを流れる川から池が巧妙にホール内に配置される。 

アウトはホール間に小川が流れ、インは高い木々に阻まれる林間コースとメリハリが利いています。 

7番パー5597ヤードは、浮島に向かってティーショットを打つように配地されています。 

13番は、池が浮島グリーンを取り囲み、滝とお花畑がホールの美しさ際立てます。 

広大な練習場は、400ヤード弱あり、対面からも練習することができます。 

ジャック・ニクラウス設計の1986年にオープンしたバルハラGC. 

米国プロゴルフ協会が所有しており、96、00年と過去2度の全米プロが開催されています。 

また、08年には米国対欧州の対抗戦「ライダーカップ」も開催されました。

 

 

16番・508ヤード、Par4が撮影ポイント

16番は、508ヤード、パー4。

フェアウエー右には川があり、30メートルを越える林がせり出しています。 

左サイドは、深いラフの丘がそそり立っています。 

ティーショットでは、飛距離と正確性の両方が要求されます。 

予選ラウンドの平均スコアが4.346と難易度が非常に高いホールです。 

4日間に渡って私が出場選手の撮影に選んだのが、この16番ホールです。 

出場選手156人のスタート時間は、朝730から午後240まで。 

雨の中断も含め毎日10時間以上、16番で全ての選手を見届けました。

 

 

  

1分1ドルで疲れを取るマッサージ

MEDIA CENTER」の中に設置しているマッサージコーナー。 

11ドルで、施術してくれます。 

156人の選手がコース内にいている時間は、12時間以上になり、

報道関係者の働く時間も日の出前から日没後まで長時間となります。 

したがって、疲れを取ってくれるマッサージは、プレスには欠かせないものとなります。 

望遠レンズのカメラや重い機材を抱えて選手を追っかけるカメラマンの腰痛は、職業病と言われています。

 

 

 

傘で方向をチェックして練習するファウラー

練習場でも人気のリッキー・ファウラー。 

昨年から、かつてタイガー・ウッズを教えていた巨匠、ブッチ・ハーモンの師事しています。 

腰の負担がすくないコンパクトなスイングに変更して来ました。 

今年のメジャーでは、マスターズで5位、全米オープン、全英オープンで連続2位に入りました。 

この全米プロでは、最終日にローリー・マキュロイに一時最大3打をリードし、メジャー初制覇と思われました。 

最終日は、同じくブッチ・ハーモンに師事しているフィル・フィルミケルソンとのペアーとなりました。 

お互いを称えあうバーディー合戦に、観客の声援が最高潮となりました。

 

 

インタビューに答えるジュニア

ジュニアの観戦が少なくないです。 

全米プロでは、大人1人につき、3人までのジュニアは、無料で観戦できます。 

近年、アメリカでもゴルファ人口が減少しています。

対策として、ジュニアゴルファーを育てる「ファーストティープログラム」は、プロゴルフ協会が中心となってジュニアに無料でレッスンを行っています。 

明日のロリー・マキュロイを目指したジュニアたちがコースに駆けつけます。

 オレンジカラーに身を包み、リッキー・ファウラーを追っかけています。

将来の夢を語るジュニアの微笑ましい光景に万歳!

 

 

 

ベンツがオフシャルカーとして選手に。

ずらっとならんでいるメルセデス・ベンツ。

Official Vehicle」と書かれています。

出場選手に貸与されるメルセデス・ベンツ。

全米プロをサポートしているのは、スポンサーばかりではない。

3500人を越えるボランティア。 40人の医師と150人の看護士も1週間のイベントを支えています。 

「心臓病、打撲、擦り傷、熱中症など、色々なケースがあります。 

6時間シフトのボランティアで、他の時間はトーナメント観戦を楽しんでいます」とドクターが答えていました。

 

 

 

夜までパソコンで作業する

全米プロゴルフの出場選手は156人のフルエントリー。

 3人1組で52組が10分おきにスタートします。 

730の一番スタートから最終スタートは、245分となります。

初日の曇り以外は、二日目から最終日まで雨にたたられました。 

したがって最終スタートがプレーし終えるのが夜の8時ごろとなりました。 

ホテルに戻り、当日撮影した写真を整理するのは、夜10時を回ってから。 

5時に起きて深夜12時を回るまで、作業をしていました。

身体的にはくたくたでありますが、この場に居られる感謝の気持ち一杯です。

 

 

  

陽気なボランティア軍団

ボランティアスタッフは、いたって陽気です。

近郊ゴルフ場のメンバー同士が、一つのホールを担当します。 

ティーグラウンドからグリーンまで、1ホール12人。 

1ホール80人の登録ボランティアが13交代のシフトであたります。 

同じゴルフ場のメンバーなので、旧知の仲なのでしょう。 

とっても陽気で、私のカメラを見つけて、 「写真を撮ってくれよ!」と頼まれました。

 

 

 

ギャラリーに解説ポイントを伝授するボランティア

ボランティアスタッフが担当するのはギャラリー整理だけではありません。

 ギャラリーに対して観戦チップを伝授することも少なくありません。 

写真は、カップルで観戦を楽しむ団体。 

ゴルフに馴染みの少ないギャラリーが少なくなく、 ボランティアのホスピタリティーが発揮されるのです。 

熱心に解説を聞くギャラリーに、説明にも力がはいります

 

 

 

スポーツマンシップに感動

最終日は、豪雨でプレーが2時間弱の中断されました。 

最終組のロリー・マキロイのスタート時間が、255から419に変更になりました。 

マキュロイが最終ホールに来た時、前の組のリッキー・ファウラーは、まだ18番ティーを打つ前でした。

夕暮れせまる中、ティーショットを放ったあと、ファウラーはリッキーに向かって、 

「ティーショットを打つように、セカンドショット打つ前に合図するから!」と告げました。

 グリーン周りでも、アプローチをする前に、最終組のセカンドショットを打たせました。 

マキロイは、優勝コメントで 「リッキーのスポーツマンシップに大変感謝している!」とコメントしています。

 夕暮れ迫るメジャー最終日に繰り広げられた爽やかな戦いでした。

 

 

                       

マキロイの18番セカンドショット

豪雨のために2時間弱の中断となり、最終日の最終スタートが419となりました。

右サイドの池ギリギリに最終ホールのティーショットを放ったマキロイ。

 日没サスペンティッドも考えられたのに、最終ホールを終えることが出来たのは、前組のファウラーの憎い演出でした。 

最終組のティーショットとセカンドを、自分たちのプレーを中断して打たしたのでした。 

前半の9ホールを終わって、マキロイを逆転して3打リードしたファウラー。

しかし10590ヤード・パー5でセカンドを2メートルにつけてイーグルを取り、反撃ののろしをあげました。 

その後も1317番でもバーディーを奪い、優勝を決めました。 

「サンデーバック9が勝負の分かれ目」と言った通りの劇的な幕切れでした。

 

 

 

マキロイの時代到来!?

全英オープンに続きメジャー連覇をなしとけたマキロイ。 

WGAブリジストン招待を含めて3連勝です。 

175センチの身長であるが、ドライビングディスタンスのランク1位。

飛ぶだけでなく、正確性も抜群です。 

飛んで曲がらないドライバーの秘訣は、コアトレーニングにあるのだろう。 

「今まで以上にコアトレーニングしてきた」

そして、けれんみの無いフニッシュまでいっきに振り抜くスイング。 

「思い切って振り抜くことだけを考えている」と言うコメントからも伺えます。

 暗くなった18番グリーンで優勝カップを掲げる姿から、 マキロイ時代の到来を見たような気がしました。

 

 

 

バッバ・ワトソンのファンサービスに感動

最終ホールからクラブハウスに繋がるフェンスに埋め尽くすギャラリー。 

選手からサインをねだる定番のスポットです。

バッバ・ワトソンはとりわけ人気者です。

ジュニアだけでなく大人たちも押し寄せています。 

通路の左右両側にサインを待つ観客が並んでいました。 

自分のサインペンを取り出し、黙々とサインに応じるワトソン。

片側のファンに15分ほどサインをして引き揚げるかと思いきや、クラブハウス前から反対側の列まで戻ってきたのです。 

その時の歓声とワトソンの優しさに、目頭が熱くなりました。 ファンを大切にするスターと熱狂的な観客。 

両輪が相まって一大イベントが成り立っているのでしょう。

 日本プロゴルフ協会 A級ティーチングプロ 大東将啓